ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

チロ基金の活動「ビタペクト&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第168回」

2014-10-20 |   ビタペクト配布活動
 10月20日にビタペクト3と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村への第168回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。

 今回はビタペクト3を12個、そして「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーを10部渡しました。
 これで今までに配布したビタペクト2、ビタペクトT、ビタペクト3の合計は2267個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは2050部となりました。
 今回で通算183回目の配布となりました。
 延べ人数ですが、2267人の子どもにビタペクトを、2050家族に「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。

(これまでのビタペクト配布運動について、詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/index.html


http://blog.goo.ne.jp/nbjc/c/e1e67d76a4796f3c95377bb7bdabd215


(またこの活動報告を読むにあたり、「チロ基金の活動『ビタペクト2無料配布』について追加のご説明」も併せてご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/67c3b73ea2f30e880c3d4eb8bedded13


(ビタペクト2とビタペクトTについてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/5cab63b65562dd2f64a820a7e4298a0b


(ビタペクト3についてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/922c333857741c5448f66d4fe00b25e1


(チロ基金は以前ビタペクトに代わり、ペクチン入りセルロースを配ったことがあります。セルロースについてはこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/43f810eddd1efc451f5171ef3cd35a7a


(「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/chel/index.html


(SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。) 

http://belapakoi.s1.xrea.com/jp/no2/2001/soschild.html


(WBCによる測定、ビタペクトを開発、製造、販売しているベルラド放射能安全研究所の公式サイトはこちらです。)

http://www.belrad-institute.org/


(ベルラド研究所について日本語でご紹介している記事はこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/c382ef7eca8660531e895c8a646e7f2a


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%83%89%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E5%AE%89%E5%85%A8%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80



 今回は2家族がSOS子ども村で保養滞在していました。

(家族A)

 ミンスクから25キロのところにあるトレスコフシナ村(チェルノブイリ原発から約350キロ)から来た家族。お母さんが8人の子どもを引率していました。
 このうち血の繋がった子どもは3歳の孫娘だけで、後は養子です。
 孫娘はトレスコフシナ村ではなくミンスク市内で暮らしています。
 この家族には8個のビタペクト3を渡しました。
 それぞれの体内被曝量はこのとおりです。○印の子どもにビタペクト3を1つずつ渡しました。

母親(事故発生当時31歳) 15ベクレル
女子(14歳) 30ベクレル ○
男子(13歳) 35ベクレル ○
男子(12歳) 34ベクレル ○
男子(11歳) 36ベクレル ○
男子(10歳) 25ベクレル ○
女子 (5歳) 37ベクレル ○
女子 (5歳) 25ベクレル ○
孫  (3歳) 39ベクレル ○

 14歳の女の子と12歳の男の子は実の姉弟です。
 5歳の女の子2人は双子です。

 お母さんに子どもたちの健康状態について尋ねました。
 14歳の女の子は背骨が湾曲しています。この女の子はスペインに保養に行ったことがあり、WBCによる測定も受けたことはありますが、ビタペクトは飲んだことはないそうです。
 
 特に12歳の男の子は問題があってお母さんは心配していました。
 生みの親の元で育っていたころの環境が原因だと思いますが、6歳までしゃべることができず、鼻の手術を受けたこともあります。
 神経の異常なのか、寝返りの回数が多く、熟睡できているように見えないとお母さんは話していました。
 12歳になったのに、最近指しゃぶりをするようになったので、心理的なものが原因なのかとお母さんは思っています。

 他の子どもたちも全員風邪をよくひくなど体があまり丈夫ではないそうです。 
 
 この一家はきのこやベリーを集めて市場で売っていますが、市場では販売する前に検査を受けないといけないので、必ず市場内で調べています。毎回低い値なので販売していますが、安全だと言われたきのこを食べて子どもが被爆したとは考えにくいと、お母さんは言っていました。


(家族B)

 ミンスク郊外にある町マチュリシチ(チェルノブイリ原発から約310キロ)から来た家族。お母さんが養子やその子どもたちを引率してきていました。
お母さんには36歳になる養女がおり、養女は結婚して現在ミンスクに住んでいます。
4人子どもがいるのですが、今回いっしょに保養に来ていました。
 しかしそのうち5歳の女の子と3歳の男の子だけが測定を受けています。
 この家族には4個のビタペクト3を渡しました。

母親(事故発生当時29歳) 20ベクレル
女子(11歳) 36ベクレル ○
女子 (9歳) 33ベクレル ○ 
女子 (5歳) 30ベクレル ○
男子 (3歳) 28ベクレル ○

 このうち11歳の女の子と9歳の女の子は実の姉妹です。
 11歳の女の子はいまだにおねしょをするのでお母さんが心配していました。
 医者からは心理的なものが要因ですと言われたものの、治療法が見つからないでいます。

 9歳の女の子はイタリアへ何回か保養に行ったことがあります。
 あるときホームステイ先の家で飼っていた猫に腕をかまれてしまいました。
 その後わきの下のリンパ腺が卵大に腫れあがりましたが、受け入れ側の家族も、団体も何もしてくれなかったので、その状態のまま帰国しました。
 外国での保養滞在の場合は現地人が治療行為ができない決まりがあることはあるのですが・・・
 お母さんは何のための保養かと怒って、ベラルーシの病院へ連れて行ったり、ハーブを煎じて飲ませたりしていたところ、やっと腫れがひいたそうです。 
 
 今回測定は受けませんでしたが、36歳の養女の子どもである7歳の孫は背骨が湾曲しており、同じ症状の子どもたちばかりが通っている特別なサナトリウム・学校に通っています。
 このような特殊学校がミンスクにあるので、よかったとお母さんは話していました。

 1歳の孫はいまだにお座りができないので、病院に通院してマッサージによる治療をもうすぐ受けるということでした。

 お母さんたちは非常に熱心で、こちらの説明はメモを取ったり、放射能被爆対策についてもたくさんの質問をしていました。
 今までビタペクトのことも知らなかったし、測定ができることも知らなかったと言っていました。
 何よりも放射能汚染地域ではない場所に住む子どもたちなのに高い値の数値が出ていてショックだったようです。
 
 家族Bのお母さんは、
「私はチェルノブイリの事故が起きてからきのこを食べなくなりました。家でもきのこ料理は作りません。どうして子どもたちは被爆したんでしょうか。」 
と不思議がっていました。
 きのこだけに注意していてもおそらくだめで、今は食品全般が汚染されていると覚悟しておくほうがいいと思います。

 今回も子どもたちに折り紙、折り鶴、折り鶴の作り方(千羽鶴プロジェクト)、日本語で子どもの名前を書いた絵葉書、お母さんたちには着物の端切れから作った巾着袋などをプレゼントしました。  
 子どもたちはとくに日本語の絵葉書に大喜びしていました。でも難しいので、勉強はしたくない、とも言っていました。(^^;)
 お母さんの1人は巾着袋の縫い目を見て、「本当にきれいに縫っていますね。私は昔縫製の仕事していたので分かります。」と話していました。

 画像は記念撮影したものです。ただし1人のお母さんが髪の毛セットしてないから、ということで写っていません。

 最後になりましたが、ビタペクト3の購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙や絵葉書、巾着袋など子どもたちへのプレゼントを寄贈してくださった方、また日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザーなどでSOS子ども村への交通費を捻出してくださった多くの日本人の皆様に深くお礼申し上げます。
 ベラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。


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