ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第117回」

2011-05-10 |   ビタペクト配布活動

 5月10日にビタペクト2と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村への第117回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。
 今回はビタペクトTを13個、そして「放射能と栄養」のコピーを10部渡しました。
 これで今までに配布したビタペクト2(ビタペクトT)は合計1808個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは1560部となりました。
  
 今回で通算127回目のビタペクト2(ビタペクトT)の配布となりました。延べ人数ですが、1808人の子どもにビタペクト2(ビタペクトT)を、1560家族分の「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。

(これまでのビタペクト2配布運動について、詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/index.html


http://blog.goo.ne.jp/nbjc/c/e1e67d76a4796f3c95377bb7bdabd215


(またこの活動報告を読むにあたり、「チロ基金の活動『ビタペクト2無料配布』について追加のご説明」も併せてご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/67c3b73ea2f30e880c3d4eb8bedded13


(ビタペクト2とビタペクトTについてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/5cab63b65562dd2f64a820a7e4298a0b


(「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/chel/index.html


(SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。) 

http://belapakoi.s1.xrea.com/jp/no2/2001/soschild.html


(ビタペクトTを開発、製造、販売しているベルラド放射能安全研究所のサイトはこちらです。)

http://www.belrad.nsys.by


(ベルラド研究所について日本語でご紹介している記事はこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/c382ef7eca8660531e895c8a646e7f2a



今回は2家族がSOS子ども村に保養滞在していました。それぞれの家族に話を伺いました。

(家族A)

 ミンスク州の南にあるスタールイエ・ダローギ(チェルノブイリ原発から約220キロ)から来た家族。
 この家族には8個のビタペクトTを渡しました。この家族はお母さんの実子は1人だけで、全部で14人の子どもを里子として養育している家庭タイプ孤児院の家族でした。14人のうち、8人を今回SOS子ども村へ引率していました。
 それぞれの体内放射能値はこのとおりです。○印の子どもにビタペクトTを渡しました。
 
母親(事故発生時26歳)12ベクレル
息子 (9歳) 24ベクレル ○
女子(13歳) 26ベクレル ○
女子(13歳) 22ベクレル ○
女子(11歳) 24ベクレル ○
男子(10歳) 22ベクレル ○
女子 (9歳) 24ベクレル ○
男子 (8歳) 23ベクレル ○
女子 (8歳) 20ベクレル ○

 8歳の男の子と女の子は双子です。ミンスク州にあるスタールイエ・ダローギは放射能汚染地域ではありません。
 しかし全員体重1キロ当たり20ベクレル以上の測定結果でした。
 子どもたちの健康状態について聞き取り調査をしました。
 9歳の息子は心雑音が聞こえています。
 9歳の女の子は顔に血管が浮き出て見えるようなあざ(血管腫)があります。生まれつきあったのかどうかは、5歳のときこの家に引き取られたときにすでにあったけれど、それ以前のことは分からない、というお母さんの話でした。もう少し大きくなったら、レーザー治療で取るそうです。
 8歳の男の子はアデノイド肥大で、手術で切除しました。さらに扁桃腺も取る手術をしています。それからまだおねしょをするときがあるとお母さんは話していました。
 
 子どもたちの多くは孤児院の子どもで、親が死亡したケースもありますが、多くは母親が出産後子どもを置いて行方不明になったケースが多いそうです。
 1年ぐらい経って、居場所が分かった場合もあり、生みの親の現住所も分かっているときもあるそうですが、親のほうは子どもに会いたがらないそうです。
 

(家族B)

 ミンスク州の南にあるコプィリ(チェルノブイリ原発から約280キロ)から来た家族。
 この家族には5個のビタペクトTを渡しました。この家族も実子は1人だけで、全部で16人の子どもを里子として養育している家庭タイプ孤児院の家族でした。16人のうち、5人を今回SOS子ども村へ引率していました。
 それぞれの体内放射能値はこのとおりです。○印の子どもにビタペクトTを渡しました。

母親(事故発生時22歳)14ベクレル
娘 (13歳) 26ベクレル ○
男子(14歳) 24ベクレル ○
女子(14歳) 23ベクレル ○
男子(12歳) 24ベクレル ○
男子 (8歳) 20ベクレル ○
 
 8歳の男の子はアデノイドが肥大していますが、手術して取ったりはしていません。
 13歳の娘は2年前、ガラスの破片で腕を切ってしまいました。傷跡が残っていますが、体が成長するにつれ、縫合した部分が引きつれを起こして痛むそうです。
 大人になって体が成長しなくなるまで、待つしかないようなことを医者には言われたそうです。

 この家族が住んでいるコプィリもミンスク州で放射能汚染地域に指定されていません。しかしやはり子ども全員が体重1キロ当たり20ベクレル以上の測定結果です。
 この子ども5人全員が、アイルランドへ夏季の保養滞在に行ったことがあるそうです。

 今回もいつものように子ども達に折り紙、折り紙の作り方のコピー、日本の絵葉書、おやつ昆布などをプレゼントしました。
 「この中で海草が好きな人は誰ですか? 手を上げてみて!」
と言ったら、3人しか手を上げなくて、ガクッ!
 しかしおやつ昆布には抵抗はなかったようで、口に入れていました。やはりもともと好きだと言っていた子どもはおいしいと言って、あっと言う間に食べていました。
 海草は好きじゃない、という人もこれをきっかけに昆布料理を食べてほしいですね。

 最後になりましたが、ビタペクトTの購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙や昆布など子どもたちへのプレゼントを寄贈してくださった方、また日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザーなどでSOS子ども村への交通費を捻出してくださった多くの日本人の皆様に、この場を借りて深くお礼申し上げます。
 多くの方々に支えられて、この活動が続いています。
 ベラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。

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