現在、ドイツを訪問中のチハノフスカヤ氏。メルケル首相とも会談しました。
ロシア政府は突然、チハノフスカヤ氏を指名手配しました。ロシアの警察が捜索して逮捕するということです。
・・・何かのパフォーマンスでしょうか?
そもそもチハノフスカヤ氏はベラルーシ人でロシア人ではありません。
ロシアで犯罪行為を行ったわけでもありません。
ロシアの警察がドイツまで追いかけてくるとも思えません。
チハノフスカヤ氏がロシアへ入国する予定もないです。入国したらすぐ逮捕するから絶対ロシアに来るな、と言いたいのでしょうか。そもそもロシアに行く予定はないです。
バルト三国とポーランドとドイツが在ベラルーシの大使を自国に帰国させました。情報収集と今後の対応を決めるためで、このまま大使がベラルーシへ戻らなくなるわけではありません。
10月7日夕方、ミンスクのメインストリート、独立大通りに沿って政府派のデモ行進が始まりました。しかし参加者の人数は100人ぐらいです。
反政府派の団地デモは各地で和やかに行われています。
そこへ有名なミュージシャンが飛び入り参加したりして盛り上がっています。
リンゴの木を団地内に植樹する人たちもいます。2020年に植えた木だよね・・・と後から思い出すためでしょうか。
今夜は我が家の町内でデモ行進をしていた10人ぐらいの若者グループが治安部隊に追い回されたそうです。
あまりに人数が少ないと一網打尽にできると思われるのか、治安部隊のグループに取り締まられやすくなる傾向があります。
10万人がデモ行進をしている場合は、列から少し離れたところにいる人や、集会が終わって、それぞれ家に帰ろうとしたところを身柄拘束されることが多いですね。
ベラルーシだけではなく旧ソ連の主要都市には軍人の町と言われる一角があります。
これは軍人が多く住んでいる町のことです。都市整備をする際に、町の一部(多くは市街地)の一角に団地をまとめて建設して、そこに軍人とその家族が入居します。
ミンスクにも軍人の町があり、そこに多くの軍人や警官とその家族が住んでいます。もちろん学校や商店などもあります。この町に建設された住居は丸ごと従業員の寮になっているような感じです。
学校の生徒は保護者(特に父親が)軍人か警察官という子どもが多いです。
商店などのサービス業の従業員が軍人の身内とは限りません。別の町に住んでいて軍人の町へレジ打ちの仕事に来ている人も当然います。
また軍人だった人が軍人の町のマンションに家族と住んでいたけれど、年月が過ぎて死去。子どもが住居を相続したけれど、子どもは軍人ではないこともあります。つまり世帯主が必ずしも軍人とは限らず、軍人の子どもや孫で、軍人や警察とは無関係の職業に就いている人も軍人の町に住んでいます。
ハッカー攻撃により治安部隊を構成している軍人や警官の個人情報がネット上に流出しました。それによるとやはり治安部隊はこの軍人の町に住んでいる人が多いことが分かりました。
25歳の男性が治安部隊員が多く住む軍人の町のあるマンションの外壁などにスプレー塗料で「治安部隊は恥を知れ」といった落書きをしましたが、逮捕されました。
以前に覚醒剤取締法で逮捕されたことがある人物だそうで、これから裁判ですが厳しく罰せられることでしょう。
こういう誹謗中傷の落書きをするのをやめましょうよ・・・と思います。そのマンションに住んでいる人全員が治安部隊員とは限らないからです。
今日、この軍人の町の中にある団地の住民が初めて反政府団地デモ集会をしました。団地の中庭で有志が集まって茶話会という雰囲気です。
この中に治安部隊員がいるかどうかは分かりません。たぶんいないでしょう。参加したのが分かったら解雇されると思います。
しかし軍人や警官の家族はいるかもしれません。
国の命令に従って任務遂行しているだけなのに、多くの国民から非難されるようになって、軍人の仕事をしているわけでもない家族は気の毒です。個人情報も晒されるし・・・。
しかし同じ立場の隣人同士、交流したり語り合ったりするのは今のベラルーシ人にとって非常に大事なことなのだと思います。
団地デモ集会は各地で行われていますが、軍人の町の中で行われたのは今日が初めてで、ニュースになっていました。