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ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

10月12日、高齢者参加の反政府デモ

2020-10-12 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 昨日の反政府デモ活動ですが、鎮圧する治安部隊側も反政府側も双方、一部過激化しているようです。

 つまり・・・平和的デモ行進をする。そこへ放水車が来て着色された水を撒いて群衆を解散させようとする。もちろん簡単に解散しない多くの人々。放水車が来ないように道路を自分たちで封鎖すればよい。ゴミ用コンテナなどを運んできて道を封鎖。治安部隊側はデモ参加者が暴徒化していると認識。武器を使用してもいいだろうと判断。閃光弾や発砲行為を行なって、解散させようとする。自分の身を守ろうと投石などする。ますます暴徒化していると認識。鎮圧行為も過激に。デモ参加者側も、護送車のフロントガラスを割ったりする・・・

 こういった状況でしょうか。

 日曜日は仕事が休みの人が多いのでデモ集会に参加しやすくなり、デモ行進も長くなるのが分かっているので、内務省も事前に、

「11日の反政府デモ活動は厳しく取り締まる。」

と事前に警告していたのです。

 それでもデモ活動にやってきた人には、「事前に言ってたのに、それでも参加するとは、厳しく取り締まられてもいいって言ってるのと同じだね。じゃ、厳しくしますよ。」という認識で治安部隊も繰り返し暴力を加えたり、発砲行為をしたりするようになりました。

 前日、10日土曜日の大統領が刑務所を電撃訪問して、政治犯たちと対話の場を持ったのとはまるで正反対の状況です。

 負傷者も多く、身柄拘束された後、留置場へ。取り調べを受けたと後その留置場から救急車で病院に運ばれた人が16人いたそうです。

 

 そして12日月曜日、内務省は反政府活動は組織化された過激なものになっているため、内務省の職員(治安部隊)は必要に応じて特殊な装備と軍事的な兵器を使用する、と宣言しました。

 これぐらいきつく言っておけば、国民は怖がって誰も反政府デモ活動に参加しなくなるだろうと思っているのでしょう。

 

 そして今日、定年退職者たちによる反政府デモ行進が行われました。あのニーナさんも白赤白の旗を持って登場。1000人以上の高齢者が手に花を持ち、ピロシキなどをご馳走し合ってミンスク市内でデモ行進をしていたところ、治安部隊が護送車で近づいてきました。(グム百貨店の近く)

 そして高齢者の方々を拘束して護送車に押し込みました。他の人達は花を治安部隊に向かって投げ始め、ブーイングの声を上げても無視。そのまま数名を連行してしまいました。

 拘束されなかった人々はそのまま独立大通りを進んで行きました。そしてベラルーシ技術大学、市立第1病院付近で、「子どもたちに自由を!」「孫を解放して!」といったスローガンを叫んでいると、そこへ治安部隊と護送車が数台やってきました。

 第1病院近くにいた高齢者たちが拘束されそうになっているのを見て、ベラルーシ技術大学前にいたデモ参加者が、あわてて独立大通りを横切って、助けに入ろうとしました。

 護送車が発進しないように大勢の人が取り囲んで、フロントガラスや車体に取りすがると、護送車の窓から外に手が伸びて、催涙スプレーが撒かれました。また助手席の窓からもピストルを持った手が伸びて、実弾ではなくゴム弾だと思いますが、威嚇射撃。高齢者の群れに向かっても数発発砲されました。

 高齢者の方々は警察、治安部隊に向かって、

「ファシスト! ファシスト!」

と催涙ガスで咳き込みながら叫んでいます。

 第二次世界大戦中、ベラルーシ人はドイツ軍(ナチスドイツ)と命がけで戦い、抵抗していたので、ベラルーシ人にとってファシストとは「サディスト、人、人民の敵」と同じ意味を持つ言葉です。

 こんな言葉をベラルーシ人がベラルーシ人(しかも警官や軍人)に投げかける日が来るとは・・・。

 ベラルーシ人の高齢者の方々が護送車に近づかないように治安部隊員は警棒を持った手を上げて威嚇し、それに向かって高齢者は手に持っていた花を投げつけています。

 すると護送車のドアを細めに開けてその隙間から催涙ガスのスプレーをシューシュー発射。

 怒った男性(60代?)が何かを護送車に向けて投げつけると、治安部隊は何かをピストルで発砲。

 しかし護送車はそのまま発車してしまいました。

  

 今回使用された武器について、専門家が解説しているニュース記事を読みました。

 催涙ガス(ペッパースプレー)、閃光弾のほか、通称「スズメバチ」と呼ばれているピストルが使用されたそうです。

 これは分かりやすく説明すると、とても小さい手榴弾を手で投げるのではなく、ピストルで発砲するように開発された護身用の武器だそうです。

 護身用とは言え、外傷を与える威力があります。一方で本物の手榴弾と比べると破壊力は格段に低いです。

 反政府デモ参加者に対して武器の使用も厭わないと今日の午前中内務省は発表し、午後には高齢者に向かって早速使用した、ということです。

 

 夕方6時ごろ地下鉄のヤクプ・コーラス駅と科学アカデミー駅は短時間でしたが、閉鎖されました。時間帯が時間帯だけに構内は混乱しています。

 それも「高齢者が悪い。」ということになるのでしょう。

 

 高齢者の方々は諦めず、デモ行進を続けました。第1病院近くで拘束されそうになると、

「そこの病院へ診察を受けに行くところよ!」

と微笑む女性も。

 

 第1病院前には、隣接する小児外科センターの医師らが出てきて、人間の鎖を作りました。著名な外科医が前日女性の行進を支援していたところ、身柄拘束され留置署に連行されたからです。

 

 夕方、団地デモが始まる時間帯になると、治安部隊が住宅街へ取り締まりのために侵入してきました。

「ここに子どもがたくさんいるのよ!」「出て行って!」と声を上げるお母さんたち。

 

 午後9時ごろミンスク市内の各地で道路の渋滞が発生しています。

 治安部隊が道路を封鎖したのか、デモ参加者が道路を封鎖したのか、わざとドライバーがのろのろ運転をして道路を封鎖しているのか・・・場所によって理由はちがうようです。

 

 地下鉄ウルチエ駅の近くの道路(メインストリートの独立大通り)のしない中心部へ向かうほうの片側車線をベンチを並べ、また白赤白の旗を持った人たちが横並びになり、車を止めています。護送車ではなく一般車両だと思うのですが、道路交通法違反行為です。(ただこの先に軍の基地やいわゆる防衛大学があって、ここを通って護送車が町の中心部へ向かうことが多いことをみんな知っているんですよね。)

 結局治安部隊がやってきて、道路を封鎖していた人たちを追い払いました。その後は通常通り通行できているようです。

 

 地下鉄カメンナヤ・ゴルカ駅の近くで拘束が始まりました。治安部隊が逃げ回るデモ参加者を追い回し、閃光弾が破裂しています。「スズメバチ」でしょうか、発砲音も複数聞こえるようすが近所のマンションの住民によりスマホで動画撮影されていました。

 

 他にもミンスク市内の各地で閃光弾らしき破裂音が聞こえたという住民からの情報がマスコミに寄せられています。

 デモ集会で「おじいちゃん、おばあちゃんありがとう!」「高齢者を解放せよ!」といったプラカードを掲げている人たちがいます。

 自分の親(しかも高齢)が留置所に入れられている人もいるわけですから、その心情を考えると・・・・。

 

 

  

 

 


ベラルーシのコロナウイルス感染者83998人。死者数901人

2020-10-12 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 10月12日の書き込みです。

 ベラルーシのコロナウイルス感染社数は83998人になりました。1日の新規感染者数は464人です。

 死者数は901人です。とうとう900人台になりましたね。だいたい1日平均5人ずつ亡くなる傾向が続いているので、1000人を超える日が来そうです・・・。

 77423人が回復しました。

 208万件を超える検査数となりました。

 

 私の職場のコート預り所の係の職員がコロナウイルス検査の陽性結果が出ました。1週間「風邪」で休んでいてやっとコロナウイルスの検査ができたのです。

 しかし重症ではないので、自宅療養に入りました。抗生物質だけで治そうとしていますが、このまま重症化することがないよう祈っています。

 感染経路は分かりません。

 そして図書館内にコロナウイルス患者が出たのに、閉館にするかどうかまだ話し合っている状態です。

 複数の感染者が同時に出たら、閉館になるようです。一人の患者ぐらいで閉めていたら、どこもかしこも閉館閉店だらけになるから・・・という理由のようです。

 同じ職場の職員にもコロナウイルス検査の義務もないようです。