最終通告の期日である10月25日になっても、大統領は辞任の表明もせず、政治犯の釈放もなかったため、野党は26日からの全国ストライキを呼びかけました。
現在、グロドノ・アゾトの従業員がストライキに入りましたが、警察が来て、身柄拘束を始めました。そして、ストライキは発生などしていないと表明しています。ストライキをしていた人を留置所へ連行すれば、ストライキそのものはなくなるでしょう。しかし従業員が留置所に入っていると、工場での操業が結局できなくなります。
朝の8時から、ストライキを起こしそうな工場の前に護送車が配置されました。
公共交通機関は幸い、平常どおりの運行のようです。(午前中現在)
ミンスク環状線道路の一部がデモ参加者により閉鎖されましたが、10分ほどだったようです。
地下鉄ウルチエ駅近くを通る独立大通りでもデモ参加者が道路を閉鎖しましたが、これも短時間で終わりました。
国立大学の学生がゼネストに呼応しようとしています。
ベラルーシ大学、ベラルーシ医大、ベラルーシ技術大学(入り口が閉鎖されました。)、ミンスク言語大学、ベラルーシ情報ラジオ・エレクトロニック大学、ベラルーシ芸術アカデミー、ベラルーシ文化芸術大学、ベラルーシ経済大学などです。
そして学生のデモ行進が始まりました。
一度警察に追い払われましたが、すぐにまた新しいデモ行進を始めています。
ベラルーシ大学では、大勢の学生の密集、図書館の利用禁止などが言い渡されました。コロナウイルス感染拡大防止のためだそうです。
大学構内をデモ行進している学生もいます。
ミンスク言語学大学の学生デモ行進をパトカーが追いかけています。みんな走って逃げています。
ベラルーシ大学前でのデモ集会のところへ護送車と治安部隊が到着しました。1000人の学生が「帰れ!帰れ!」とシュプレヒコールを上げると、拘束はせずそのまま治安部隊はどこかへ行ってしまいました。
正午になり、ベラルーシ各地で数百の企業・工場がストライキに入ったことが報道されました。
ベラルーシ政府はストライキは発生していないと報道を否定しています。
一方でストライキのようすがスマホで動画撮影され、ネット上で出回っています。
各地で人間の鎖が作られています。
ミンスクトラック工場でもストライキが始まりましたが、中にはストライキをしたくない(働きたい)従業員もいます。その人たちが作業場に入ろうとするのを、ストライキ中の従業員が、入り口で押しとどめて、仕事をさせないようにしています。
同僚同士でこんなことになっています。
大手携帯電話会社A1とMTCの従業員もストライキを始めました。
市の中心部のカフェが数多く臨時休業しています。
ドミノピザのサイト、複数のオンラインショップが開かない、あるいは注文の受け付けを停止しています。
逆に店舗は閉店、オンラインショップだけ受け付けている企業もあります。
昼間から団地デモが始まりました。白赤白の旗をマンションの上にかかげるところもあります。
ミンスクでも身柄拘束が始まりました。
ミンスク市内の学校、第6番ギムナジアで高校生が座り込みデモをしています。
第18番ギムナジア学校前に護送車が止まり、男子高校生らしき服装の男性複数を後ろ手で拘束し、治安部隊が連行して行きました。おそらく区の警察署です。
この拘束の様子、そして校門前に8台の護送車が止まっている画像がネット上で広まると保護者があわてて自分の子どもを引き取りに来たりしました。しかし学校側は、「これは我が校の生徒ではない。警察は校内に入っていない。保護者の皆さん、落ち着いてください。」と説明しました。結局真相がはっきりしません。
第42番ギムナジアでも校内でデモ集会が開かれ、歌を歌ったりしています。
第50番ギムナジアでは教師のほうが反政府のメッセージビデオを作りました。
ベラルーシ・ハイテクパークの従業員がミンスク環状線道路脇で人間の鎖を作っていると、治安部隊が来て、数名を身柄拘束しました。他のデモ参加者はあわてて近くの森の中へ。茂みに隠れています。
ベラルーシの優秀なIT企業の社員が、拘束されそうになって、森の中を逃げ回るという光景です。
デモ集会の混乱、身柄拘束に巻き込まれたくなくて、自宅に引っ込んでいる人もいます。
ベラルーシ国立銀行のサイトが閲覧できなくなっています。サイバー攻撃によるのものなのか、それともストライキの一環なのか不明です。(追記です。ハッカー集団サイバーパルチザンが犯行声明を出しました。)
国営乳製品工場のサイトがサイバー攻撃を受けました。
午後4時過ぎ、年金生活者が中心のデモ行進は散会となりました。地下鉄も通常運行です。
しかし、その後デモ集会が各地で始まり、午後6時ごろ、ミンスク中心部のマクドナルドやグム百貨店がある道路は治安部隊によって封鎖され、バスとトロリーバスだけが運行できる状態になっています。
午後7時前、地下鉄モギリョフスカヤ駅近くでデモ集会をしていた人たちに向かって、ペイントボールが発射されました。服にペンキがついています。
放水車は水に着色していて、これで服が汚れた人は、つまりデモ集会参加者である証拠になるのでそれを目印に治安部隊は拘束しようとします。ペイントボールも同じ考えでしょう。しかし、目撃した人によるとペイントボールを発射したのは、治安部隊ではなかったそうです。デモとは無関係の通行人にも発射されたという情報があります。
午後8時ごろ地下鉄ヤクプ・コーラス駅が閉鎖されました。
デモ行進は十月広場に向かっていますが、広場には治安部隊がいるため入ることはできません。
その後十月広場近くで身柄拘束が始まりました。向かいにある「パティオ・ピッツァ」(ベラルーシで最初にできたピザ屋さん)の中に逃げ込んだデモ参加者を拘束しています。
その地下にあるオクチャブリスカヤ駅のホーム、エスカレーター付近で男性複数人のケンカが始まりました。詳細は分かりませんが、政情不安、社会不安が続いているので、気が立っている人が多く、ちょっとしたことでケンカが起きてしまうのかもしれません。(でもエスカレーターで上り下りしている乗客がいるのに、危険ですよ。)
ツム百貨店の近くではデモ隊による道路の閉鎖がされています。
スーパーマーケットで、デモをしているグループが店内に入り、突然合唱を始めたり・・・といった群発的デモ活動が行われています。
午後10時ごろ、私の自宅の前の道を25人ほどのデモ行進がスマホの光を照らしながら、シュプレヒコールを上げ、隣の団地の中庭に入って行きました。
日本のニュースサイトでも、ベラルーシのゼネストについて報道されていますが、コメント欄を読んでいると、
「ゼネストなんかしたら、経済が悪化するから、国民は自分で自分の首を絞めている。」という意見を目にしました。
(あ、私が日本のニュースのコメント欄に書き込みや返信をしようとしても、投稿できないんですよ。1回も投稿できたことがありません。書き込んだ後に内容が不適切だからと削除されたわけでもないです。投稿そのものができないので。そのためヤフコメなどに投稿したことがありません。なのでここに書き込みます。)
ゼネストを呼びかけたチハノフスカヤ氏は
「ストライキに参加したことにより、解雇された人に対して複数の外国の基金が支援を申し出ており、すでに700万ドル集まった。これからも増える予定。そのため、ストライキに参加してクビになり、無収入になるから家族に迷惑かけるし、ストライキできない・・・とは思わないように。」
とベラルーシの反政府派国民に呼びかけています。
今日もストライキ中の人、デモ行進中の人に食事やお茶が振舞われています。こんな形でストライキやデモを直接参加していなくても参加者を支援しているボランティアがいます。
すでにEUからストライキ参加者への拘束をしているベラルーシ政府への批判の声が上がっています。またアムネスティもベラルーシ国内のストライキ参加者の人権尊重を訴える声明を発表しました。
今日一日で300人が拘束されたようです。人数が最も多いのはミンスク、そしてグロドノです。