電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

サクランボの収穫が終わり、近年の推移に愕然とする

2024年06月14日 06時00分38秒 | 週末農業・定年農業
「ナポレオン」「南陽」など、「佐藤錦」以外のサクランボの収穫と出荷がほぼ終わり、あとは露地の紅秀峰を残すだけとなりました。昨年は開花期の霜の害で収穫が激減し、今年は昨夏の猛暑の影響で双子果が多くなりやはり収穫が激減、二年続けての不作と予想していましたが、結果は予想をはるかに上回る減収で、これはただごとではないと感じました。単に気候の影響であれば、何割かが影響を受けるのはやむを得ないと思いますが、こんなに少ないのは別の根本的な問題があるのだろう。



これまでは、単年度で出荷数量が多かったとか少なかったとかを見ていましたが、過去のデータを眺めてみると、見えてくるものがあるだろうということで、2010年〜2024年までの15年間の出荷数量の推移を調べてみました。年によってお天気の影響が出やすいので、二年間の平均を取ってお天気の影響をできるだけ相殺することとし、グラフにしてみたものです。当初、亡父から受け継いだばかりの頃は雨よけテントも設置していましたし、2つの園地からフルに収穫して、総出荷量は1トンを超えていました。その後、少しずつ規模縮小を図ってきましたので、出荷数量の減少はあまり深刻にとらえていませんでした。ところが近年の、とくにこの三年間の減少は確かに異常値です。

考えてみれば、亡父が壮年期にあたる昭和50年代に植えたものでしょうから、おおよそ50年になります。寿命は約60年と言われるサクランボ「佐藤錦」もおよそ50歳。人間で言えば老年期、生殖能力が低下し、花もあまり咲かず実もごく少ない状態に陥っているのでしょう。樹そのものは巨大化し、高いところにまばらに実がついている状態で、能率が悪く危険性は高い。温暖化に伴う気候の影響は否めないにしても、これだけの減少は樹の老衰に求めるべきだろうと思います。

では、今後はどうすべきだろうか? これは、「佐藤錦」を中心とするサクランボ果樹園はやめざるを得ないでしょう。来年からは、親戚友人知人へ送るのも、「川中島白桃」や「美晴白桃」等の桃を中心とするように変更することになります。これからは、サクランボ果樹園の伐採の仕事が必要になりますが、2年位かけて伐採し、私が後期高齢者になる頃までにはサクランボ果樹園は閉園にしなければいけないだろうなあ。

長年、助っ人に来てくれていた雇人の皆さんには、状況をお話してこれまでの協力に感謝し、最後の報酬は上乗せしてお渡ししました。最後の日、皆さん名残を惜しみながら帰りました。



写真は、「ナポレオン」収穫時に見つけた「三つ子」です。今日は、妻も知人のお葬式に出かけますので、私一人で「紅秀峰」の収穫をする予定。本当にこれが最後の収穫となるようです。


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