電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

「アドリアン・コックスと仲間たち in 山形 2019」でシューマンとフランクを聴く

2019年11月15日 06時56分58秒 | クラシック音楽
11月14日、日中にいろいろな用事を済ませた後で、夕方から山形市のテルサホールに向かいました。日本オーストリア友好150周年記念公式コンサート、「アドリアン・コックスと仲間たち in 山形 2019」という演奏会で、シューマンとフランクをたっぷり聴こうという心づもりです。プログラムは、

  1. シューマン:東洋の絵「6つの即興曲」作品66(ピアノ連弾:花輪 典子、アドリアン・コックス)
  2. シューマン:歌曲集「詩人の恋」作品48より(抜粋)(テノール:佐藤 匠悟、ピアノ:アドリアン・コックス)
  3. シューマン:歌曲集「女の愛と生涯」作品60(メゾソプラノ:松浦 恵、ピアノ:アドリアン・コックス)
  4. フランク:ヴァイオリンソナタイ長調FWV 8M8(ヴァイオリン:ヤンネ舘野、ピアノ:アドリアン・コックス)

というものです。余裕を持って行きましたので、駐車場はスムーズに確保、ホール内の聴衆は、いつもと少し違うみたい。出演者の縁者がかなり混じっているような雰囲気です。もったいぶった挨拶などはなく、すぐに演奏が始まります。

最初のシューマンのピアノ連弾曲は、当方は初めて聴きます。赤いドレスで登場した花輪典子さんと、黒のシャツと上着にネクタイというダンディな出で立ちのコックスさん、熟達の弾き手によるピアノ連弾という表現の魅力を発揮します。作品66という番号を持つこの曲は、1848年に作曲されたとのことですので、38歳の充実期の作品。実際に、第1番から第6番まで、シューマンらしい幻想と詩情を感じさせる音楽でした。

続いてシューマンの歌曲集「詩人の恋」。ピアノの始まりの音で、ぐいっと心をつかまれました。いいなあ! 8番と9番、15番を省略した抜粋ではありましたが、佐藤匠悟さんのテノールは若々しい伸びやかな声で、恋する歌から失恋と追憶を表現していきます。途中の、あるいは16曲「古い忌まわしい歌」の後奏、歌を支えるピアノがほんとうに素晴らしい。

10分間の休憩に続き、シューマンの「女の愛と生涯」は、白いドレスがあざやかな松浦恵さんのメゾソプラノで全曲を聴きました。恋する乙女が結婚し母になり、愛する夫を失った苦悩を歌います。ソプラノの歌は若い妻を想像し、アルトの歌はもう少し年齢が高い婦人の嘆きをイメージしますが、そんな連想よりも声がきれい! 実にステキな声です。こういうお声にワタクシは弱いのです(^o^)/ そして、ピアノがやっぱり素晴らしかった!

最後はフランクのヴァイオリン・ソナタでした。ヤンネさんの演奏で聴くのは二度目です。今回は、出だしのヴァイオリンの音色が少しくすんだトーンで始め、徐々に明るい音色に変わっていくような感じになっていました。終楽章では、始まりの音色とは変わって、明るく輝かしい音色となっていたようです。コックスさんのピアノで、特に最初の楽章で全体が不思議なリズム感なのだなと感じました。後で調べてみたら、8分の9拍子? 好んで聴いている曲だけれど、いまさらながら、やっぱり不思議なリズム感です。

出演者の皆さんが全員登場し、笑顔で暖かく大きな拍手を受けます。最後にコックスさんがピアノの前に座り、アンコールを1曲。作曲者名は聴き逃しましたが、たしか「ロマンス」だったような。とってもステキな曲だったけれど、はて、もしかしたらシベリウス? どなたか教えていただければありがたい(^o^)/


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