電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

宮城谷昌光『呉越春秋~湖底の城(5)』を読む

2015年03月20日 06時01分07秒 | -宮城谷昌光
先日、某図書館で宮城谷昌光著『呉越春秋~湖底の城(五)』が入っているのを見つけ、借りてきて読みました。前巻はいつ読んだのかを調べて見ると、昨年(2014年)の1月(*1)となっていますので、約1年ぶりに続巻を読んだことになります。どおりで、脇役の名前がピンと来ない。はて、この人は誰だったろう? それでも、読了した後でもう一度読み返すうちに、「たしかこの人は…」とおぼろげながら思い出しました(^o^;)>



公子光が即位し呉王・闔閭(こうりょ)となりますが、伍子胥は彼を補佐して呉の国力の増大につとめます。まずは、孫武を呉に迎えること。王が孫武を試したやり方はあまり褒められたものではないけれど、怒りに我を忘れることなく、帰国しようとする孫武を招く決断をした内省の力は、やはり一流のものでしょう。一方、楚は、人望篤い季子の逝去という呉の弱みにつけこむこともせず、伍子胥の父と兄を殺した誤った政治を続けています。国力を蓄えた呉は、やがて楚を揺さぶりつづけるまでになります。伍子胥の復讐はついに果たされるのか? というところで本巻はおしまい。要するに、「呉王、伍子胥の推挙により孫武を得る」の巻と言ってよいでしょう。



相変わらず思わせぶりに「黄金の楯」が話題になりますが、この巻では早くも行方不明になってしまっています。華登の娘の華英の帰郷はいったいどういう意味があるのかも、今はまだ判然としません。ある程度具体的になった頃に続けて読めば判明するのでしょうが、図書館から借りて読む本には、こういうもどかしさがあります。文庫本では、すでに第三巻まで確保していますが、第四巻以降はまだ刊行されていないようです。

(*1):宮城谷昌光『呉越春秋~湖底の城(4)』を読む~「電網郊外散歩道」2014年1月

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