電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

宮城谷昌光『『呉越春秋~湖底の城(4)』を読む

2014年01月15日 06時03分24秒 | -宮城谷昌光
 講談社刊の単行本で、宮城谷昌光著『呉越春秋~湖底の城(四)』を読みました。楚王に父と兄を殺された伍子胥が、楚の太子の子である勝を救い、呉で暮らしていますが、この巻では、公子光の信頼を得て呉王へのクーデターに協力する話です。

 冒頭は、伍子胥が斉に孫武を訪ね、公子光が呉の王になったときには、呉に来てほしいと頼みます。呉に戻ると、出師の際には補佐を頼みたいという、公子光からの依頼です。楚に攻め入り、見事な勝ちをおさめた公子光ですが、このことは公子光と呉王の間隙を大きくします。それは、呉王の王位継承権の順序に関わる、王位の正当性の問題が根底にあるのですから、根が深いです。

 さらに、暗殺未遂や諜報戦の応酬がありますが、呉王は人望のある季子を使節として外遊させている間に、公子光を殺害しようとします。公子光もまた、クーデターを決意した模様。伍子胥の策は公子光の危機を救うことができるのか? というのが大きなストーリーです。



 よくわからないのが、玄門の棺や黄金の楯などのエピソードです。多分、後から何か意味が出てくるのだと思いますが、今はまだ、何かしら思わせぶりなだけで、皆目意味不明。次巻はいつ頃になるのでしょうか。本巻は『小説現代』の2012年8月号から2013年7月号が初出となっていますので、おそらく2014年夏過ぎになるのでしょう。それまでストーリーを忘れないでいる自信は……まったくありません(^o^;)>poripori


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