電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

600巻のお経の虫干しを確実に継続するには~意識よりも儀式で

2012年04月08日 06時03分57秒 | 季節と行事
祖父そして亡父から引き継ぎ、昨年秋からお寺の役員をしています。過日、春になると行われる恒例の「大般若会」という行事があり、大人になってからは初めて参加しました。この行事の本質は、苦役を去らせ、五穀豊穣などを祈るものとなってはおりますが、要するに600巻からなる「大般若経」の虫干しでしょう。玄奘三蔵法師がインドから持ち帰り、四年の年月を費やして翻訳を指揮した多くの冊数の経典を、カビや虫から守るために、様々な工夫がなされてきたのでしょう。お坊さんといえども、長年の間には、迷いや手抜きの発生は避けられませんから、個人の意識に委ねたのでは不安です。そこで誰か知恵者がいて、儀式として習慣化することで、確実に虫干しが行われるように工夫した、ということなのかも。



当日は、住職を含めて七人のお坊さんと法印とが、賑々しく大般若会を執り行い、終了後は参会者が和やかに食事をして解散しました。納豆ご飯を食べながら、そういえば、まだ小学校の低学年の頃に、祖父に連れられてこの寺に来たことがあったなと、懐かしく思い出しました。



コメント    この記事についてブログを書く
« 紙を選ぶ筆記具と選ばない筆記具 | トップ | ただいま発熱中 »

コメントを投稿

季節と行事」カテゴリの最新記事