電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

小林龍生『EPUB戦記』を読む

2018年04月26日 06時04分40秒 | -ノンフィクション
慶応大学出版会より2016年夏に刊行された単行本で、小林龍生著『EPUB戦記』を読みました。「電子書籍の国際標準化バトル」と副題にあるとおり、要するにEPUB規格に縦組みやルビなど日本語の組版規則を組み込もうとした努力の内幕ものです。

著者の名前は、なんとなく記憶にあります。MS-DOSの時代に、雑誌「月刊アスキー」誌で黒崎政男氏と対談していた人ではなかろうか。調べてみたら、1992年の9月号に、「哲学者クロサキのMS-DOSは思考の道具だ《番外編》」で、ジャストシステム社員として登場していました。




本書でなるほどと思った箇所は、たとえばこんなところでしょうか。

「日本語の縦組をぜひ」では世界標準にならない。それが認知されるには、
(1)日本をはじめ東アジアに強いニーズがあり、
(2)文化的・商業的勝ちのある縦組の機構が
(3)技術的整合性を損なわず、実装・実行上の負担にもならない
(4)仕様化のために余計な時間をとらない
ということを納得してもらわないと同意がもらえない。(p.160)


本全体の中身については、「へぇ〜、そうなんだ〜」というレベルの感想にしかなりませんが、電子書籍の可能性について、昔ほど夢を持たなくなっていますので、熱烈な感動とは程遠いものです。例えば様々なライトノベルの縦書きPDFファイルをダウンロードして携帯端末で読める便利さは理解できますが、それはそれとして、やっぱり紙の本の魅力にはかなわないと感じてしまいます(^o^;)>poripori


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