電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

椎名誠「『十五少年漂流記』への旅」を読む

2012年08月03日 06時02分05秒 | -ノンフィクション
新潮選書で、椎名誠著「『十五少年漂流記』への旅」を読みました。以前、高橋大輔著『ロビンソン・クルーソーを探して』という本を興味深く読みましたが、同様にジュール・ヴェルヌが想定した『十五少年漂流記』の舞台チェアマン島のモデル探しです。

原作で明らかにされている、南米チリのハノーヴァー島は、実際に行って見ると、島々が入り組んでおり、孤島ではないことから、兵庫県の園田学園女子大学の田辺眞人教授が『ニュージーランド研究』に発表した「チャタム島」説を、実際に確かめに行く話です。

本書p.176~177の二つの図版、チェアマン島とチャタム島の地図を眺めていると、ヴェルヌが様々な思いをめぐらしながら物語を構想する様子を想像し、楽しくなります。作劇術上の要請から、舞台を南米に移したとしても、それはそれで理解の範囲です。

結論はいたって明解で、なるほどと思いますが、それに至るまでの道中は、なんともサバイバル旅行です!もしかしてこの取材チームは、大学の山岳部か探検部のOBたちなんじゃなかろうかと思ってしまいます(^o^)/

ロンドン・オリンピックの最中にもかかわらず、ジャクリーン・ケリー著『ダーウィンに出会った夏』に続き、読書感想文指定図書みたいな本が続きます。これはやはり、若い頃の潜在意識のなせるわざでしょうか(^o^)/

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