電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

江戸と利根川と時代小説

2008年12月13日 14時21分58秒 | Weblog
時代小説を読んでいると、藤沢周平の海坂藩ものなどは別として、江戸が舞台になることが多いものです。その意味では、江戸の町は現在の東京以上に親しみ深いものかもしれません。ところで、徳川家康の入府当時、利根川は東京湾に流れ込んでいた(*1)のだそうな。一時関東在住だったことはありますが、生まれも育ちも東北人の当方には、えぇっと驚く驚愕の事実(*2)であります。



以後、利根川の東遷と荒川の西遷により、現在の東京の基礎となる江戸の平地ができた、ということでしょうか。これが農業生産力の飛躍的な拡大と、大城下町の成立の基盤となったのだとしたら、「水を制するものは国を制する」という見事な実例ですね。
確かに、奈良平安時代の水田の面積に比べて、近世の水田面積の飛躍的な増加は、武士の土木築城技術が治水に応用された、新田の開発によるところが大きいのでしょう。考えてみれば、そんなことをテーマにした時代小説があってもよさそうなものです。あるいは私が知らないだけで、すでにあるのかもしれませんが。

(*1):利根川東遷慨史
(*2):そういえば、小学校か中学校で習ったような記憶もなくはないが、なにせ半世紀以上も前の話です。すっかり忘れておりました。
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