厳選!ビジネス書 今年の200冊

2008年ブログ開設から、紹介したビジネス書は3,000冊超。
1日2,000PVの仕事力を上げる書評ブログ。

2024年143冊目 『わが投資術』は、ヘッジファンドの運用ノウハウからリターン追求を学ぶ

2024-04-09 13:32:11 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

2005年に公表が最後となった長者番付で約100億円を稼いで日本一となった清原達郎氏。

割安小型成長株を見つけて集中投資する「ヘッジファンドの運用ノウハウ」を伝授します。

 

幾多の失敗を繰り返しながらも、25年間生き抜いてきた清原氏のファンドの投資スタイルや考え方が、具体例で明らかにされています。

 

個人投資家も目標はヘッジファンドと同じであり、大事なのは「結果としてのリターン」。

今や株式市場は個人が自由に儲けることができる市場。2024年からは新NISAも始まり、「やらなきゃ損」という個人にとっては夢のような制度だと言います。

 

サイコロ、交通事故、診断薬、銀行強盗などを事例に「新しい事実をどう自分の判断材料に取り入れるか」といった確率論も紹介されており、投資に数学的要素も必要だと痛感。

 

株式投資の経験の浅い個人投資家にとっては少し難しい内容も含まれていますが、株式投資について興味を深める1冊かと思います。

 

【my pick-up】

◎紙の媒体

「日経ビジネス」は会社寄りのほとんどPRのような「よいしょ特集」が満載で、企業に批判的な記事はあまり載りません。しかし、だからこそ特集で取り上げられた会社については相当深いところまで入り込んだ秀逸な内容となっています。「週刊ダイヤモンド」には、足で取材した「あっぱれ!」という素晴らしい特集が多いですね。会社寄りのよいしょ記事など載りません。ジャーナリズムの気骨が感じられる雑誌です。

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2024年142冊目 『マッキンゼーで学んだ 時間の使い方がうまい人の 一瞬で集中する方法』は、そもそも長時間集中できない今の環境であることを認識する

2024-04-09 13:22:40 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

著者がマッキンゼーに勤めていたとき、先輩や上司は仕事を淡々とこなしていき、定時になれば颯爽と帰っていく姿を目の当たりにしたそうです。

 

その秘訣は「集中モードに入るスタイルを見つけている」ことにあり、本書はその具体的な方法をお伝えします。

 

現代のスマホなどの使用から「そもそも長時間集中できない環境」にあり、その前提でどうやったら細切れでも集中モードを獲得できるのかを考えます。

 

【my pick-up】

◎ハイブリッド型の働き方に最適解を求める

ハーバード・ビジネス・スクールの新しい研究によると、ハイブリッドワークには「スイートスポット」が存在する。週に1~2日の在宅勤務は仕事の成果物の新規性と仕事に関するコミュニケーションの両方を増加させる可能性があるそうだ。その研究者によると、「ハイブリッドワークは、同僚から孤立する心配がなく、ワークライフバランスをより良くすることで、どちらとも両立させる」ことが示唆されたそうだ。

◎筋力アップは「メンタル」に効く

オフィスワーカーというのは、極端に身体を使わなくなっているものです。会社と自宅との往復以外は、ほぼデスクに座ってパソコンを見ているわけですから、脳だけ異常に疲れてしまう。これは私の仮説ですが、その結果として、心身のバランスを崩してしまうのではないでしょうか。そうであるなら、筋力をつけることで、丈夫な身体だけでなく、強靭なメンタル、折れない心を手に入れられると言えそうです。

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2024年141冊目 『予想と希望を分割せよ』は、経済評論家・山崎元氏の遺作は資産運用本ではない

2024-04-09 13:10:15 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

2024年1月1日に逝去された経済評論家・山崎元さんの遺作ともいえる1冊。

 

本書の位置づけは人生相談の本で、「いかにも山崎元の資産運用本といったものにはしない」という思いが込められています。

 

タイトルの意味は以下のとおりです。

予想と希望を分けることは重要なことです。投資も「予想として今ある予見」と「希望としてどうしたいか」を分ける。

特に希望を予想に混ぜないということは大事だと思います。予想は予想、希望は希望。これをしっかり分けると、すっきりと物事が考えられる。

 

もちろん投資に関しても述べています。

つみたて投資枠で買えるものを成長投資枠でも買うだけ。一番無難なのはオルカン(オール・カントリー)です。

運用の手段としては平均にかけてじっとしておくというのが有利。そうなると世界の資金は結局グローバルに運用されているから、世界株が投資家の平均投資となる。

 

【my pick-up】

◎新入社員は2年後の転職を目指せ

「転職できる人」とはどのような人か。ありていに言うと、人材として他社に雇ってもらえる人のことだ。そして、この「他社」を自分で選ぶことができる立場の人ということだ。2年あれば何らかの仕事はできる。あるいは、仕事のスキル習得に向けた努力を具体的に説明できるようにはなる。

◎投資にかかる時間のムダを省く

投資は、特に個別銘柄の株式投資について「いい趣味」であり得ると思いますが、投資が趣味でない人は、人生のもっと重要なことに関心を向けた方がいい。個人的には、特に他人が運用するアクティブファンドに関心を持つのはつまらないし、たいした価値のないマネーアドバイスに右往左往してちまちまとポートフォリオをいじるのも、人間としてかなりつまらないことだと思っています。他人の考えで投資して、何が面白いの?と。銘柄を減らしてオルカンに切り替えて、お金が必要になるときまでじっと、ほったらかしておく方針に全面的に賛成します。

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2024年140冊目 『いつも結果を出す管理職が必ずやっている80のこと』は、課長になったらどう振る舞うべきか時系列に教えてくれる

2024-04-08 16:16:42 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

管理職がどんなときに、何をどうすればいいのか、時系列に系統立てて教えてくれる人は意外と少ないかもしれません。

この本は「とりあえずこれをやっておけば大丈夫」という、管理職ならではのToDo80個がシーン別にまとめられています。

 

・責任やプレッシャーをいかに楽しめるか

・部下を巻き込んで仕事を組織でどう動かすか

・同僚や上司、他部署の人々とどう関わるべきか

 

管理職の1つ目の階段である「課長」にフォーカスしています。

部下にストレスなく働いてもらえ、上司にも喜ばれながら、自信を持って生産性高い毎日を送ることを目指します。

 

仕事のベースとなる型として「人と人との信頼」を本書では強調しています。

 

【my pick-up】

◎毎朝「昨日やったこと」「昨日見つけた課題」「今日やること」をノートなどに書き出す

自分だけの時間を作ることが必要になります。私は7時半には出社していました。毎朝ほぼ誰もいないオフィスでB5サイズのノートを開き「前日に仕事で見つけた課題」「今日やること」を書き出し、優先順位を整理していました。どの仕事は自分でやり、どの仕事は上司や部下に依頼するかを即座に判断できるようになって自分のペースをつくっていけるはずです。

◎必要な自己投資をする

私の場合は、30代から40代の初めまでは毎月3万円分ほどビジネス書を買って読みあさっていました。外資系コンサルティング会社で働いていたときに、周りの同僚たちの膨大な勉強量に衝撃を受けてからは、多くの時間をインプットに割くようにしてきました。本を読んだり、勉強会を開いたり、方法論を考えてディスカッションをしたり・・・、手前味噌にはなりますが本当によく勉強したと思います。知識があるだけではダメですが、知識がなければ始まらないことも多くあります。40代になって以降は読書によるインプット重視からアウトプット重視に変えました。

◎「60点の仕上がりで来る」と思って待ち、80点まで伴走する

60点のレベルまで部下が持っていき、80点のレベルに仕上げるために上司としてアドバイスをするというスタンスで臨みましょう。この60点を目指すというのは、部下の側にも仕事のポイントとして理解してもらいたいところです。「60点の時点で上司に相談し、80点にして先に進める」という方法を部下に実行してもらえれば仕事の効率は上がります。

◎フィードバック面談を行う

人事評価のフィードバックや目標設定の面談を短時間で済ませる課長も少なくありませんが、私は「目標設定ミーティング」と同様に「フィードバック面談」もできるだけ部下一人につき1時間で設定していました。面談の中身も単に評価結果を伝えて終わりにするのではなく「あなたの評価はこうでした。でも、もっと○○のような取り組みができていたら、さらに上の評価を付けることができたと思います」などと、できるだけ丁寧かつ具体的に伝えるようにしていました。

◎会社に貢献するための自分なりのアイデアを考えプレゼンする

せっかく「会社を経営する側」の課長になったのですから、会社への提案を考えてみてはどうでしょう。部下たちが日々の仕事をミスなくこなすように管理するだけでなく、会社にさらに貢献するためのアイデアを会社側に伝える努力をしてみるのです。新規事業の提案といった大きなアイデアだけでなく、社内申請書のフォーマットを改善するという提案や会議の改善案などでもいいのです。A4用紙1枚程度の分量で、企画のタイトル、提案の内容、効果などを分かりやすくまとめ、上司に提案してみてください。企画が通り、会社が少しずつ変わっていく光景を目の当たりにすれば、ますます仕事が面白くなっていきます。「会社を経営する側に立つ」とはまさにこういうことだと実感できるはずです。

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2024年139冊目 『CDO思考』は、デジタル人材と老舗企業とのミスマッチ解消法についても言及

2024-04-08 16:00:54 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

デジタル人材が、ビジネスの現場でどのように求められているのか?

デジタル人材として成長するためには、どんなスキルを身につければよいのか?

 

これらのテーマを扱うともに、意欲的なデジタル人材と大企業・老舗企業とのミスマッチを解消する術にも触れています。

 

デジタルツールを使いこなすこと、プログラミングなどのハードスキルを向上させることは大切ですが、本書はコミュニケーションや捉え方などのソフトスキルや日々の行動と習慣について主に述べられています。

 

若手と言われるような世代が、デジタルだけでなく経営そのものへ貢献できる。

30代でもCDOや役員となれる時代ですね。

 

【my pick-up】

◎生産性を向上しつづける習慣

たとえば「データを整理する時にカラムに全角と半角が混在しているから、それをまとめられるすごいデータクレンジングツールを見つけてきました!」なんて人がいたとしましょう。ちょっと待てよと。であればその前の段階、データをインプットする際に半角なら半角、全角なら全角と揃えるように業務フローを変えれば、それでいいんじゃない?根本を解決しないまま、場当たり的にパッチワークの対処を繰り返してしまうのは、表面しか見えていないからです。無用のデジタルツールを入れないで解決する方法を模索することも、デジタル人材の資質であるといえるでしょう。

◎決算資料を読み「経営陣とピントを一致させる」

決算発表がされるたびに読むようにしていると、以下のように少しずつ考察するようになってきたのです。

・そもそもなぜ今回の決算発表はこの数字になっているのか?

・自分の所属グループ、あるいは所属事業部は会社に対してどれくらいの貢献度があるのか?

・業績全体の推移に対して、自分や自分のグループは、今後どのような活動をするとよいのか?

・もし自分が自分の上司の立場だったら、あるいは自分が社長だったら、自分がマネジメントしているグループや会社をどう運営するか?

・投資家やメディアからはどんな質問が来るだろうか、自分だったらどう回答しようか?

自分の提言や行動指針が、自分の上司や会社が求めているものに自然と合致する。つまり「目線が合う」ようになるのです。なお決算書を読むための勉強方法ですが、私の場合は20代で初めてマネージャーになった頃、外部の監査法人がやっている研修を2時間ほど受けて財務三表の読み方のコツをつかみ、あとは本を1冊読んだ程度です。実際に役員になった後はもっと詳しい講習を受けましたが、入り口としてはその程度で十分。要はやる気です。

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