評価 (3点/5点満点)
管理職がどんなときに、何をどうすればいいのか、時系列に系統立てて教えてくれる人は意外と少ないかもしれません。
この本は「とりあえずこれをやっておけば大丈夫」という、管理職ならではのToDo80個がシーン別にまとめられています。
・責任やプレッシャーをいかに楽しめるか
・部下を巻き込んで仕事を組織でどう動かすか
・同僚や上司、他部署の人々とどう関わるべきか
管理職の1つ目の階段である「課長」にフォーカスしています。
部下にストレスなく働いてもらえ、上司にも喜ばれながら、自信を持って生産性高い毎日を送ることを目指します。
仕事のベースとなる型として「人と人との信頼」を本書では強調しています。
【my pick-up】
◎毎朝「昨日やったこと」「昨日見つけた課題」「今日やること」をノートなどに書き出す
自分だけの時間を作ることが必要になります。私は7時半には出社していました。毎朝ほぼ誰もいないオフィスでB5サイズのノートを開き「前日に仕事で見つけた課題」「今日やること」を書き出し、優先順位を整理していました。どの仕事は自分でやり、どの仕事は上司や部下に依頼するかを即座に判断できるようになって自分のペースをつくっていけるはずです。
◎必要な自己投資をする
私の場合は、30代から40代の初めまでは毎月3万円分ほどビジネス書を買って読みあさっていました。外資系コンサルティング会社で働いていたときに、周りの同僚たちの膨大な勉強量に衝撃を受けてからは、多くの時間をインプットに割くようにしてきました。本を読んだり、勉強会を開いたり、方法論を考えてディスカッションをしたり・・・、手前味噌にはなりますが本当によく勉強したと思います。知識があるだけではダメですが、知識がなければ始まらないことも多くあります。40代になって以降は読書によるインプット重視からアウトプット重視に変えました。
◎「60点の仕上がりで来る」と思って待ち、80点まで伴走する
60点のレベルまで部下が持っていき、80点のレベルに仕上げるために上司としてアドバイスをするというスタンスで臨みましょう。この60点を目指すというのは、部下の側にも仕事のポイントとして理解してもらいたいところです。「60点の時点で上司に相談し、80点にして先に進める」という方法を部下に実行してもらえれば仕事の効率は上がります。
◎フィードバック面談を行う
人事評価のフィードバックや目標設定の面談を短時間で済ませる課長も少なくありませんが、私は「目標設定ミーティング」と同様に「フィードバック面談」もできるだけ部下一人につき1時間で設定していました。面談の中身も単に評価結果を伝えて終わりにするのではなく「あなたの評価はこうでした。でも、もっと○○のような取り組みができていたら、さらに上の評価を付けることができたと思います」などと、できるだけ丁寧かつ具体的に伝えるようにしていました。
◎会社に貢献するための自分なりのアイデアを考えプレゼンする
せっかく「会社を経営する側」の課長になったのですから、会社への提案を考えてみてはどうでしょう。部下たちが日々の仕事をミスなくこなすように管理するだけでなく、会社にさらに貢献するためのアイデアを会社側に伝える努力をしてみるのです。新規事業の提案といった大きなアイデアだけでなく、社内申請書のフォーマットを改善するという提案や会議の改善案などでもいいのです。A4用紙1枚程度の分量で、企画のタイトル、提案の内容、効果などを分かりやすくまとめ、上司に提案してみてください。企画が通り、会社が少しずつ変わっていく光景を目の当たりにすれば、ますます仕事が面白くなっていきます。「会社を経営する側に立つ」とはまさにこういうことだと実感できるはずです。
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