評価 (3点/5点満点)
デジタル人材が、ビジネスの現場でどのように求められているのか?
デジタル人材として成長するためには、どんなスキルを身につければよいのか?
これらのテーマを扱うともに、意欲的なデジタル人材と大企業・老舗企業とのミスマッチを解消する術にも触れています。
デジタルツールを使いこなすこと、プログラミングなどのハードスキルを向上させることは大切ですが、本書はコミュニケーションや捉え方などのソフトスキルや日々の行動と習慣について主に述べられています。
若手と言われるような世代が、デジタルだけでなく経営そのものへ貢献できる。
30代でもCDOや役員となれる時代ですね。
【my pick-up】
◎生産性を向上しつづける習慣
たとえば「データを整理する時にカラムに全角と半角が混在しているから、それをまとめられるすごいデータクレンジングツールを見つけてきました!」なんて人がいたとしましょう。ちょっと待てよと。であればその前の段階、データをインプットする際に半角なら半角、全角なら全角と揃えるように業務フローを変えれば、それでいいんじゃない?根本を解決しないまま、場当たり的にパッチワークの対処を繰り返してしまうのは、表面しか見えていないからです。無用のデジタルツールを入れないで解決する方法を模索することも、デジタル人材の資質であるといえるでしょう。
◎決算資料を読み「経営陣とピントを一致させる」
決算発表がされるたびに読むようにしていると、以下のように少しずつ考察するようになってきたのです。
・そもそもなぜ今回の決算発表はこの数字になっているのか?
・自分の所属グループ、あるいは所属事業部は会社に対してどれくらいの貢献度があるのか?
・業績全体の推移に対して、自分や自分のグループは、今後どのような活動をするとよいのか?
・もし自分が自分の上司の立場だったら、あるいは自分が社長だったら、自分がマネジメントしているグループや会社をどう運営するか?
・投資家やメディアからはどんな質問が来るだろうか、自分だったらどう回答しようか?
自分の提言や行動指針が、自分の上司や会社が求めているものに自然と合致する。つまり「目線が合う」ようになるのです。なお決算書を読むための勉強方法ですが、私の場合は20代で初めてマネージャーになった頃、外部の監査法人がやっている研修を2時間ほど受けて財務三表の読み方のコツをつかみ、あとは本を1冊読んだ程度です。実際に役員になった後はもっと詳しい講習を受けましたが、入り口としてはその程度で十分。要はやる気です。