厳選!ビジネス書 今年の200冊

2008年ブログ開設から、紹介したビジネス書は3,000冊超。
1日2,000PVの仕事力を上げる書評ブログ。

2012年37冊目『モチベーションで仕事はできない』

2012-03-20 18:13:07 | おすすめビジネス書
モチベーションで仕事はできない (ベスト新書) モチベーションで仕事はできない (ベスト新書)
価格:¥ 760(税込)
発売日:2012-03-09

評価  (3点/5点満点)

この本では、世間のモチベーション信仰に警鐘を鳴らし、やる気があるときもなかなかないときも、確実に成果を出していくための方法を提案します。

『仕事の結果について、やる気やモチベーションではなく、技術によるものだとつねに思考しよう。仕事の結果がでないとき、「やる気がないからだ」と叱責するひとがいる。こんなことが、世の中の中途半端な自己啓発書にあふれているのだ。そうではなく、仕事の成果がでないときは単に技術不足のことがほとんどだ。』

本書のポイントはこの文章に集約されます。

「やりがい」「夢」「目標」にあまり捕らわれずに、「今」に集中する。そして、どんな心の状態にあっても、淡々と仕事をこなすことで、確実な成果をあげる。モチベーションを言い訳に使わず、行動あるのみです。

【my pick-up】

◎批評家よりも「創りだす人」へ

私は「赤えんぴつサラリーマン」と「黒えんぴつサラリーマン」の2分類があるといっている。

前者は、誰かの批判はできる。誰かの資料を読んで、赤えんぴつで問題点や不足点を指摘できる。ただ、まっさらな紙を前に出されても、自分の意見や主張を述べることができず、仕事を創りあげることはできない。

それにたいして、後者は、前者からなんといわれようと、たんたんと粛々と仕事をこなし、自分なりの仕事を創りあげる。

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2012年36冊目『「頭のいい人」は、シンプルに仕事する!』

2012-03-18 18:06:07 | おすすめビジネス書
「頭のいい人」は、シンプルに仕事する!: 「8割捨てる」発想、そして実行が、あなたの人生を変える 「頭のいい人」は、シンプルに仕事する!: 「8割捨てる」発想、そして実行が、あなたの人生を変える
価格:¥ 1,365(税込)
発売日:2012-03-08

評価  (3点/5点満点)

中島孝志さんの新刊は、もっと「シンプル」の仕事をするための方法です。

仕事を「シンプル」にするためには、まず、さまざまなものを「捨てる」ことから始めなければなりません。

「フットワーク」を重くしてしまっている、完璧主義や先延ばしグセ、「いい人」と思われたい気持ち、頑張りすぎ・・・。これらの余計な「お荷物」をスッと下ろして、もっとシンプルに、そして生産的に、仕事を進める、時間を使う、物を整理する、人間関係を築く。そのための方法が解説されています。

また、仕事を「シンプル」にするためには、何が大事で、何が大事でないのか-その本質をつかむための思考力を磨く必要がありますし、自分がどうしたいのか、どうありたいのか-といった「人生哲学」みたいなものを確立する必要もあります。時間は無限ではありませんからね。

中島孝志さんも、こういうライトな感じのビジネス書を書くのは、もはや止めようのない流れなのでしょうか。

【my pick-up】

◎「いい人」を捨てる

「いい人」を演じる人に共通するのは、「自信のなさ」の裏返しです。マイウエイで仕事を進める人を見て。「あんなふうになりたいな」とうらやましく感じてしまう。わざわざ敵をつくる必要はありません。でも、まわりに「迎合」ばかりしていると、自分自身を見失ってしまいます。

◎2次会にはいかない

1次会を徹底的に楽しめば2次会は必要ない。そういう発想が必要です。「私は1次会で帰る」というスタンスを貫くことが大切です。幸い、いまは不況で、時代としてもフォローの風が吹いています。会社は仕事をするところです。コミュニケーションは社内で十分。顔を出すのは忘年会や新人歓迎会だけでいい。仕事の話は職場で完結できる-。こういう「哲学」を持つことが、自分の時間の価値を高めるためには必要なことなのです。

◎「簡単な仕事」からやってはいけない

優先順位の1番の仕事さえできてしまえば、2~3番の仕事が残ってもたいしたことはありません。それより2番以下のすべての仕事が完了したとしても、1番重要な仕事が残ってしまったら元も子もないのです。それほど、優先順位1番の仕事は重要です。〝特別扱い〟の仕事なのです。

◎その日の段取りは、朝起きたときから

さっさと出勤、さっさと仕事、さっさと帰宅。さっさと勉強、さっさと就寝・・・この「さっさとやる」というところに、「シンプル化」の極意があります。

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2012年35冊目『一生食べていくのに困らない経理の仕事術』

2012-03-16 12:59:50 | おすすめビジネス書
一生食べていくのに困らない 経理の仕事術 一生食べていくのに困らない 経理の仕事術
価格:¥ 1,470(税込)
発売日:2012-02-18

評価  (3点/5点満点)

税理士の吉澤大さんが、〝代わりがきく〟経理パーソンから脱却するのに必要なワンランク上のスキルと仕事への習慣を身につけられる46の処方箋を提示します。

社長の片腕である「金庫番」になるためには、「ひき算・わり算」の視点から会社の利益に貢献できることが必須であると、吉澤さんは指摘します。「ひき算」は経理部門によるコストダウン、「わり算」は計画・統制による経営資源の効率アップのことです。

これにより、経営者の期待を先取りしたデータの提供や、コストダウンに繋がるよりよい改善手法の創出が可能となり、会社の財務上の危機を乗り越えることができます。

経理パーソンは、まじめで努力を惜しまないけれども、不器用でアピール下手な人が多いとよく言われます。経理スキルはどこの会社に行っても使えるポータブルなスキルですので、せっかくの努力の方向性を間違えないよう、本書を参考にしてみてください。

また本書の前半は、経理パーソン以外でも役立つ仕事術が紹介されています。「Googleドキュメント」や「カムタジアスタジオ」「経営自己診断システム」は、使ってみる価値のあるツールです。

【my pick-up】

◎「仕事のつまみ食い」で、最初の一歩を踏み出す

自分なりに工夫していることがあります。それはとりあえず少しだけ仕事に手をつけて、中途半端な状態をあえてつくり出すということです。どの仕事も最初の一歩を小さな作業に小分けをして、少しだけ手をつけておくと、前倒しで仕上げようと思うはずです。

◎すばやくパスして「ボトルネック化」を防ぐ

万一、自分の仕事のクオリティが今一歩のレベルと自覚しているのであれば、せめてパス(連絡)だけでも早くして、他人の仕事がスムーズに進むよう努力しましょう。

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2012年34冊目『ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない』

2012-03-13 23:18:25 | おすすめビジネス書

ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない (マイナビ新書) ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない (マイナビ新書)
価格:¥ 872(税込)
発売日:2012-02-24

評価  (3点/5点満点)

今回の本のタイトルを見ると、ビジネス書の書評を書いている私としては、すぐに反論したくなってしまいますが、まずは中身を見てみましょう。

2000年代の後半は「ビジネス書ブーム」とも評され、個性的なビジネス書作家たちが数多く登場し、旧来のイメージとはちょっと異なる、妙に華やかな印象をビジネス書が放つようになりました。その背景を出版業界や著者の動向も含め探るとともに、どうしてビジネス書を読んでもデキる人になれないのか、その理由を考察します。

一口にビジネス書と言っても、ここで批判しているのは、最近乱発されている自己啓発本や成功哲学本で、ビジネス実務書やビジネス書の定番タイトル(『7つの習慣』や『思考は現実化する』が代表)、日本の有名な経営者の自伝は、読む価値があるとしています。

最近乱発されている自己啓発本や成功哲学本の多くは、ビジネス書の古典的名著から見せ方を変えて引用されているので、たくさん読んでもあまり意味がないという指摘は、確かだと思います。

数多くの本に当らないと自分にとって良い本に出合えないのは事実ですが、確率・精度を少しでも上げるために、本書を参考に選識眼を養ってください。

【my pick-up】

◎ビジネス書の掟と罠

そもそも本書で私が言わんとしていることの大前提として、たとえば決算書の読み方や最新の会計制度、企業法務関連の解説書といったビジネス実務書や、経済・ビジネス理論などを説くビジネス専門書と、自己啓発や成功哲学を語る〝ビジネスパーソンのための生き方解説本〟は、同じ土俵では語れないと考えています。大きな括りでは同じ〝ビジネス書〟というカテゴリーに含まれるタイトルであっても、別物として捉えたほうがいいという認識です。

そして、軽く結論じみたことを述べてしまうと、前者に括られる本は会社員として、ビジネスパーソンとしての実務に関係する本だから、必要に応じてぜひ読んだほうがよい。しかし、後者に括られる本は、箸休め的に触れる程度で、さらに長く売れている定番タイトルに目を通せば十分-そう考えています。

◎自己啓発のルーツを辿る

あらためて整理すると、「自ら無理だと思っていることは、絶対に実現しない(=自分が本気で実現可能だと考えていることは実現する。つまりは自分の思考が現実化していく)」「何事も前向きに考えることで、自分が変わり、自分の置かれた環境(世界)が変わっていく」といった、数他の自己啓発書の根幹をなす考え方は、キリスト教、とりわけニューソート(19世紀のアメリカで興った宗教運動)に源流を見ることができる、というわけです。

◎結局、本質はいまも昔も変わらない

当然ながら、折々で新しいビジネス手法が生み出されたり、ツールやインフラの進歩でビジネススタイルに変化が起きたりします。それらに反応していくことも大切です。とはいえ、本質はいまも昔も大きく変わらないのだ、という視点も忘れたくないものです。

その意味で、せっかくビジネス書を読むのであれば、先入観で「古い!」と距離を置かずに、ぜひとも長く詠み継がれてきている定番モノを中心に攻めてみるスタイルをぜひともオススメしたいところです。長く読み続けられているタイトルには、それだけの理由が何かしらあるものですから。

◎読むんだったら日本の偉人本・社長本

自己啓発書、成功哲学本を読むのであれば、先に挙げたアメリカ発の定番タイトルだけでなく、ぜひとも日本が世界に誇る偉大な経営者たちの自伝や評伝、名言集にも目を向けたいところです。

松下幸之助、本田宗一郎、井深大、盛田昭夫、稲盛和夫・・・

屁理屈のうえに屁理屈を重ねてこねくり回すような、よくわかるようでよくわからない自己啓発書を10冊読むより、先に挙げたような日本の偉人本を1冊読むほうが、よほど自己啓発になるように思うのです。

余談ながら、近年の経営者本で個人的にオススメなのが、ユニクロなどを手がけるファーストリテイリングの創業者である柳井正氏の『成功は一日で捨て去れ』(新潮社)です。

◎「成功」ってなんなのさ

ビジネス書を読んでも成功できない理由、読めば読むほど窮屈に思えてくる理由を考えてみると、「やる気やポジティブ志向を煽るだけ煽って前のめりな姿勢にさせる一方で、その結果生じる願望と現実のギャップの存在を正面から解説してくれず、それを乗り越える困難さや痛みを説明してくれない」あたりに問題があるように思えてくるのです。

◎ビジネス書を書く資格

自らの体験、自ら真摯に学び取った事柄を実務者として語るからこそ、本の内容に説得力が備わってくるもの。そして、ひとりの人間が語れる実務体験には、やはり限界があります。そう何冊も、新しい話題を提供し、新しい視点を紹介できるわけがない。「実務者が、それまでの蓄積をもとにして誠実に書いたビジネス書」と「ネタ切れのくせに、とにかく本を出すことで著者のステイタスをキープしたいビジネス書作家が、手癖とネタの焼き直しで書いたビジネス書」では、内容の質や読後感も段違いなのは、当然のことでしょう。

そういむ意味で、コンサルタント系、現役ビジネスパーソン系の著者はとくに、1冊目の著作から読んでみることをオススメします。はじめての本ですから荒削りな部分もあるものの、いちばん自分が語りたかったことや自分の得意領域についての内容であり、ネタも豊富で、おまけに気合いも入っている。その著者の言いたいことを知るには最適といえます。

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2012年33冊目『グローバル資本主義を卒業した僕の選択と結論』

2012-03-11 16:54:13 | おすすめビジネス書
グローバル資本主義を卒業した僕の選択と結論 グローバル資本主義を卒業した僕の選択と結論
価格:¥ 1,365(税込)
発売日:2012-02-23

評価  (3点/5点満点)

東大大学院(医学系研究科)から外資系金融機関、独立後はお受験塾を開校するなど、多彩な経歴をもつ石井至さんが、グローバル資本主義をサバイバルするための、「何でもゼロから始められるようにする」方法を紹介します。

石井さんの仕事術は、受験勉強がベースになっていて、

①何をマスターすればいいかを明確にする。

②基本を完璧にマスターする。

③自分で腑に落ちるまで掘り下げる。

の3つのポイントを指摘します。特に大事なのは、基本のマスターだそうです。

著者のこれまでの経験・エピソードが、数多く取り上げられており、何ごとも周りに流されることなく、基本や原則に立ち返り、迅速に実行することを積み重ねれば、このような大きな成果を得られるのだと、改めて感心させられました。

【my pick-up】

◎戦略-傾向と対策を徹底する

受験勉強の中核である「傾向と対策」は、世界中のあらゆる仕事に役立つ基礎的なスキルだと思っている。ターゲットとする学校への「合格」という目標に向かって、過去のデータを分析して自分の重点課題を考え、そのクリアに向かって効果的な方法を工夫し、モチベーションを維持し、スケジュールどおりに仕上げる。それはビジネスのプロジェクトマネジメントと同じである。優良企業はほぼ間違いなく「傾向と対策」がよくできていて、ダメな企業はその逆だ。

僕は常に自分でリスクをコントロールできる範囲での戦い方を考える。自分の得意分野、資金や時間の許容範囲、目標達成のハードルの高さ、競争相手の出方など、さまざまなファクターを踏まえて、どこにエネルギーを注ぎ込むかを決めなければならない。

◎レベル合わせ-伝わるように伝える

今の僕は、中小企業のオヤジで、僕の周りにいる人たちはエリートでも自信過剰で心が強い人でもない、普通の人なのだ。普通の人には、感情を荒げて話してはいけないのだ。怒った時点で、相手は心の中の耳をふさいでしまう。

僕は、独立して会社を経営するようになって何年かたったときに、ようやく、このことに気づいた。それからは、会社で社員に対して、声を荒げて怒ることは、まずない。注意したいことであればあるほど、冷静に、穏やかに、言い聞かせるようにやさしく言う。

不思議なことに、怒らないフリをずっとしていると、次第に、本当に怒らなくなった。

◎プロ-メリットをもたらす人とつき合う

僕が一番つき合いたくない人は、グチを言うサラリーマンだ。グチを言っても何も変わらない。非生産的でネガティブで暗くなるだけだ。状況を変えるための具体的なアクションを起こすべきだ、というのが僕の意見だ。

だから、サラリーマンのグチを聞く時間は、僕の人生では1秒たりともない。

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