厳選!ビジネス書 今年の200冊

2008年ブログ開設から、紹介したビジネス書は3,000冊超。
1日2,000PVの仕事力を上げる書評ブログ。

2012年39冊目『雇用創造革命』

2012-03-24 22:51:06 | おすすめビジネス書
雇用創造革命 雇用創造革命
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2012-03-09

評価  (3点/5点満点)

障がい者をはじめ、メンタル不全者やひきこもり等の就労困難者への雇用の創造に注力しているアイエスエフネットグループの代表・渡邉幸義さんによる、「雇用のために仕事を創る」という大家族主義経営のススメです。

働く意思があるのに、一般社会の不理解で働く場がない人たちに雇用の場を創出することが、これからの企業が果たすべき社会的責任である。また、既存の仕事をしてもらうために、その仕事に適した人を雇用するという時代から、雇用する人に合わせた仕事を創出する時代がやってきていると、渡邉さんは主張しています。

少子高齢化による就労人口の減少、構造的に税収の減少が進んでいく日本において、障がい者だけでなく、ニート、引きこもり、メンタル不全、シニアなどの不就労者を就労者に変えていく取り組み、納税者に変えていく仕組みづくりは、官民が総力を挙げて取り組むべき社会課題でしょう。

過度の「集中と選択」の戦略にも警鐘を鳴らし、「多様性と共存への対応」にも目を向ける必要性も、近時の日本の社会情勢を鑑みれば納得できます。

【my pick-up】

◎初志貫徹

「組織はトップ次第、組織の長を超えたリーダーは育たない」と言われるように、社員の仕事への意欲はトップの背中と心で決まる。私自身が常に社員の目標であり続けることでしか、社員の成長も会社の成長もありえない。

初志貫徹。だから私は誰よりも働き、自己啓発に努め、誰よりも強い気持ちで社員のことを考えている。

◎雇用市場の「ブルー・オーシャン」

企業は優秀な人財を集めたからといって、必ず成功するとは限らない。優秀な人財があふれているのに、その個人が持っている能力に相当する成果を上げていない企業も多い。そもそも、共有できる価値観や組織文化、制度が整備されていなければ、能力のある人からその能力を引き出すことはできない。

ひと握りの逸材を求めて激しい人材獲得競争を繰り広げ、優秀な人財を集めても、そうした精鋭たちの持つ能力や意欲を引き出すことができず、彼らから精彩を奪ってしまっている企業もあるだろう。

そのような企業から彼らの精彩を奪うものが取り除かれれば、彼らはどんなにすばらしい成果を上げることができるのだろう。彼らのやる気を奪うものは、経営者の言行不一致によって生じる不満であったりするのかもしれない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする