グローバル資本主義を卒業した僕の選択と結論 価格:¥ 1,365(税込) 発売日:2012-02-23 |
評価 (3点/5点満点)
東大大学院(医学系研究科)から外資系金融機関、独立後はお受験塾を開校するなど、多彩な経歴をもつ石井至さんが、グローバル資本主義をサバイバルするための、「何でもゼロから始められるようにする」方法を紹介します。
石井さんの仕事術は、受験勉強がベースになっていて、
①何をマスターすればいいかを明確にする。
②基本を完璧にマスターする。
③自分で腑に落ちるまで掘り下げる。
の3つのポイントを指摘します。特に大事なのは、基本のマスターだそうです。
著者のこれまでの経験・エピソードが、数多く取り上げられており、何ごとも周りに流されることなく、基本や原則に立ち返り、迅速に実行することを積み重ねれば、このような大きな成果を得られるのだと、改めて感心させられました。
【my pick-up】
◎戦略-傾向と対策を徹底する
受験勉強の中核である「傾向と対策」は、世界中のあらゆる仕事に役立つ基礎的なスキルだと思っている。ターゲットとする学校への「合格」という目標に向かって、過去のデータを分析して自分の重点課題を考え、そのクリアに向かって効果的な方法を工夫し、モチベーションを維持し、スケジュールどおりに仕上げる。それはビジネスのプロジェクトマネジメントと同じである。優良企業はほぼ間違いなく「傾向と対策」がよくできていて、ダメな企業はその逆だ。
僕は常に自分でリスクをコントロールできる範囲での戦い方を考える。自分の得意分野、資金や時間の許容範囲、目標達成のハードルの高さ、競争相手の出方など、さまざまなファクターを踏まえて、どこにエネルギーを注ぎ込むかを決めなければならない。
◎レベル合わせ-伝わるように伝える
今の僕は、中小企業のオヤジで、僕の周りにいる人たちはエリートでも自信過剰で心が強い人でもない、普通の人なのだ。普通の人には、感情を荒げて話してはいけないのだ。怒った時点で、相手は心の中の耳をふさいでしまう。
僕は、独立して会社を経営するようになって何年かたったときに、ようやく、このことに気づいた。それからは、会社で社員に対して、声を荒げて怒ることは、まずない。注意したいことであればあるほど、冷静に、穏やかに、言い聞かせるようにやさしく言う。
不思議なことに、怒らないフリをずっとしていると、次第に、本当に怒らなくなった。
◎プロ-メリットをもたらす人とつき合う
僕が一番つき合いたくない人は、グチを言うサラリーマンだ。グチを言っても何も変わらない。非生産的でネガティブで暗くなるだけだ。状況を変えるための具体的なアクションを起こすべきだ、というのが僕の意見だ。
だから、サラリーマンのグチを聞く時間は、僕の人生では1秒たりともない。