会社のルール 男は「野球」で、女は「ままごと」で仕事のオキテを学んだ (ミリオネーゼ・シリーズ) 価格:¥ 1,575(税込) 発売日:2008-04-15 |
評価 (3点/5点満点)
アメリカではここ十数年の間に、職場での女性の待遇はかなり改善されました。今ではほとんどの企業で、取締役や部長などの高い地位に、女性が少なくとも一人は就いています。けれども依然として、男と女では職場での判断基準に微妙なズレがあります。
男と女は別々の文化の中で育ってきたために、それぞれが「正しい」と思っている行動に大きな隔たりがあるのです。
男性たちは自分が子どものころから学んできたルールに従って、ビジネスを進めています。同僚と張り合うのも、競争相手を蹴落とすのも、ときにはずるい手段を使うのも、彼らにとっては当たり前のこと。男性たちは、会社で「ビジネス」という名のゲームを楽しんでいるのです。一方、女性は「みんなで仲よく働きたい」と思っています。これは女同士なら当然の考え方ですが、残念ながらビジネスでは通用しません。女の文化の中では何の問題もない行動も、男性の目には競争心に欠けているように映ります。その結果、女性たちは昇進の機会を逃すことになるのです。
ですから、女性たちが職場で認められたい、昇進したいと思うなら、ときには男性のように行動しなければならないこともあります。大事なのは、男女の違いを知り、その知識を自分に有利なように利用することです。
原著はアメリカの女性コンサルタントによる『HARDBALL for WOMEN-Winning at the Game of Business』ですが、本書は翻訳もこなれており読みやすいです。女性だけでなく、若手ビジネスマンが会社・仕事のルールを学ぶのにも役立ちます。
【my pick-up】
◎能力だけでなく、権力も使えるのが真のリーダー
会社組織の中では、地位に伴う特権があります。傲慢な行動をとるのは、権力を示す必要があるからで、部下を個人的に侮辱しようという意図はありません。ビジネス・ゲームでは、権力を行使するか、失うかのどちらかしかないのです。
◎会議は始まる前と終わった後に意味がある
男性は公の場で人の影響を受けるのを嫌います。事前の根回しを行うのは、排他的な気持ちや消極的な気持ちがあるからではなく、相手の顔を立てるためなのです。
◎みんなから好かれるなんて不可能!
管理職ともなると、一日中判断を下さなければなりませんが、みんなに好かれたいという思いがあると、仕事上の判断に加えて、部下たちの心証まで判断することになります。人間関係を良好に保とうとするあまり、判断力が鈍ることもあるのです。
◎男女間のトークのすれ違い
ビジネス・ゲームでは、強気な姿勢が欠かせません。しかし、強気に見えるからといって、内心も強気だとは限りません。強気のポーズをとることは、実際に強気になるのと同じくらい大事なことなのです。
◎すべての批判を真に受けない
批判した人物の信頼性によって、批判の受け入れ方に差をつける必要もあります。批判を真に受ける前に、批判した人物は信頼に値するのかどうかを考えましょう。いつも獲物を狙って泳ぎ回っているサメもいるのです。えさを与えてはいけません。そんなことをしたら、確実に寄ってきますから。