評価 (3点/5点満点)
この本では、「ほめる」ノウハウが、これでもかと紹介されています。
相手のほめどころの見つけ方から、感動を言葉に換える方法、ほめるタイミングなど、本書を読めば誰でも上手にほめることができる気になります。あとは実践あるのみ。
また、「ほめる」と「叱る」は一体であり、「ほめて調子に乗らせても何ら問題ない」という点も、読んで印象に残りました。
著者の松本秀男さんが「日本ほめる達人協会認定講師」ということで、ほめることを軸としたコミュニケーションにフォーカスした1冊です。
【my pick-up】
◎結果をほめるのは、当たり前。プロセスをほめて、一人前
上司は私の仕事の結果はともかく、「私の毎日の行動量」をほめてくれたわけですから!このひと言で、私の「人間のサイズ」がひとまわり大きくなったのです!私は「よくそれだけ動けるわ!」とほめてもらったことで、「ああ、間違ってはいないんだ」と考えることができたのです。このひと言で気持ちが軽くなり、体の動きもよくなっていったことを覚えています。この上司の素晴らしい点は、成果が出ていない部下に対して、プロセスのよさをほめたことにあります。まだ成果が出ていない時点で、「よくやっているね!」というほめ方が大事なのです。そうしたほめ方ができるかどうか、それが上司としての重要な能力の1つです。
◎「ほめる」が上手になると「叱る」も上手になる!
「叱り上手」の上司は、まず間違いなく「ほめ上手」です。誰であれ、ふだんほめてくれる上司から叱られると、素直に言うことを聞く気になるものです。なぜなら、そこに強固な信頼関係があるからです。「ほめる」の基本は、観察力。ですから、ほめられた人は、自分がきちんと評価されたと感じて、その人を信頼するようになります。こうしていったん信頼関係ができあがれば、叱られても素直に受け止められるようになるのです。ふだんからほめている人は、口調や文面のトーンを少し変えただけで、相手がそれに気づいて、自ら動いてくれるのです。ふだんからほめていれば、叱るときのストレスも激減させることができるのです。
◎「センスあるね」という言葉には「人の人生を変える力」がある
「万能のほめ言葉」のなかでも、万能のなかの万能と私が考えている言葉があります。「センスがいいね!」「センスがあるね」というのがそれです。それが根拠のない自信となったのは事実です。自信がやる気を生んだのです!「センスがある」という言葉には、人の人生を変えるほどの力があります。センスという言葉は「才能」に近い意味で使われます。ですから、成果が上がっている人にはもちろん、伸び悩んでいる人や、成果がまったく上がっていない人にも使えます。
◎ほめる習慣が、あなたの心を浄化する
自分が成長したいのであれば、ほめにくくても1歩踏み込んでほめるべきなのです。自分のなかで嫉妬や羨望の感情が起きたことをしっかり認めたうえで、自分の感情を素直にほめ言葉に変えてしまうのです。認めたときに初めて、相手の長所-つまり、成長している人にはあって、自分には足りないものが見えてくるのです。
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