評価 (3点/5点満点)
この本で定義している経営参謀の仕事とは、「経営にとって今最も重要な問いを設定し、解くべき課題を見極め、議論の材料を経営層に突きつけて意思決定を迫ること」です。
センスのない参謀のケース-典型的なコケる10のパターン
1.トップの指示を鵜呑みにしてそのまま受け入れる
2.トップのいきなりの豹変についていけず混乱する
3.トップの言うことだけに乗っかり、立場の弱い少数意見を無視
4.「いいね、その方向で進めてくれ」を真に受ける
5.最初に立てた予定調和のシナリオで押し切ろうとする
6.答えの出せない問いを設定したまま堂々巡りをする
7.自分が見えている世界だけで物事を判断する
8.バカと思われたくないので、相手に聞き返さない
9.自分が抱いた違和感を封印してしまう
10.自分のチームメンバーに精鋭ばかりを集めたつもりだったが・・・
参謀としてのセンスに必要な7つの能力
1.「まだ見えていないものを見たい」という目
2.仮説を出し続ける力
3.シナリオプランニング的発想
4.はっとさせることへの意欲
5.オーナーシップ
6.人の心の動きを読む
7.変化を恐れない。宙ぶらりんな状態に耐えられる
著者はボストンコンサルティンググループ日本代表の杉田浩章さん。先の見えない今こそ、課題を自ら設定して経営層に提示し、多くの関係者を巻き込んで実行していく。そんな役割を担う人が重用されるんだと思います。
【my pick-up】
◎タイミングマネジメント-シニアへの相談は先にスケジュールを押さえる
日々のやるべきことをタイムマネジメントする際、重要なポイントがある。それは「シニアへの相談やヒアリングは先にスケジュールを押さえる」ということだ。ここでの失敗パターンは、「コンテンツを仕上げてから相談しよう」と考えることだ。しかしそれでは、大事なイベントまでに間に合わない。
イベントまでに議論やヒアリングが必要となるのは間違いない相手なのだから、「この時期に何らかの相談が必要になるだろう」というタイミングを読んで、まずは時間を確保することが最優先となる。「スケジュールを押さえてから相談する内容を決める」という逆の発想で段取りを組むということだ。「議論の内容が煮詰まっていなくてもいいから、もっと早く相談してくれればよかったのに」というのが上の人間の本音だ。
すべてはタイミングから考える。これがタイムマネジメントの鉄則だ。たとえ材料が十分に揃わなかったとしても、手持ちの中から何を突きつければ相手からいい知恵を引き出せるかを考え抜く。コンテンツが揃わなくても、ミーティングの目的が果たせればそれでいい。
◎仕事の切れ目で振り返ってリバースエンジニアリングする
1つのプロジェクトが終わったタイミングや、重要な納期やフェーズを乗り越えた区切りなど、仕事の切れ目ごとに振り返りをするといい。振り返ってみれば何らかの反省が必ずあるものだ。それが1つも出てこないなら、「自分は学ぶ能力が低い」と自戒すべきだ。
振り返りをするときは、まずは自分自身で考え抜くことが必要だ。人からフィードバックをもらうとしたら、そのあとだ。フィードバックはどちらが正しいかを判断するためではなく、「こんな視点もあるのか」とものの見方を広げるために使えばいい。
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