ぐうたら里山記

兵庫の西の端でただのほんと田舎暮らしをしています。ぐうたらです。のん兵衛です。

かわいそうな県(3)

2014年11月12日 18時27分49秒 | 雑感
かわいそうな三重県の北、京都府の東に(知らない人が多いかもしれないけど・・・?)実は滋賀という県がある。
ただでさえ狭い県、そこに日本一大きい湖、琵琶湖がある。
それで滋賀県の人は琵琶湖の周りでひっそり暮らしている。

滋賀県というと芭蕉の句を思い出す。

 行く春を近江の人と惜しみけり

実はこの句、

 行く秋を近江の人と語りけり

と覚えていたことに今日気づいた。
滋賀というと春よりは秋のイメージ。
柿本人麻呂の歌

 近江の海夕波千鳥汝が鳴けば
 心もしのに古思ほゆ

荒れ果てた大津宮を思うのは秋がふさわしい。
全国を行商して歩いた近江商人と語るのも秋がふさわしい。

もちろん

 行く秋を富山の人と語りけり

という句もありえる。
柳行李に薬や子供たちのお土産の紙風船をいっぱいいれて、
大きな風呂敷に包んで背負って全国を行商する富山の薬売りも捨てがたい。
でも歴史的な重み、その侘しさ、悲しさ、惨めさ
こう考えるとやっぱり滋賀県だ。

滋賀県は京都の裏。
そのイメージは落ち武者。
昔から大きな戦いがあった。
壬申の乱、保元・平治の乱、関が原の戦い。
そのたびに武者が京から落ち延びていった。
後の天武天皇が大津宮から明日香に落ち延び、木曽義仲が、源義経が落ち延び、
織田信長も浅井の裏切りによりなんとか滋賀を通って京都にたどり着いた。
明智光秀も滋賀に落ち延びる途中で殺された。

歴史的に脚光を浴びたのは2回だけ。
大津宮と安土城。
でもどちらもすぐに滅びた。

というわけで滋賀県は日本でもトップクラスの侘しい、悲しい、情けない、惨めな、かわいそうな県だ。
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