ぐうたら里山記

兵庫の西の端でただのほんと田舎暮らしをしています。ぐうたらです。のん兵衛です。

美保関へのミニ旅行

2006年09月24日 07時43分20秒 | 田舎暮らし
ずっと田舎に引き込んでいると、時々閉塞感に襲われて谷底の生活がとても息苦しくなることがある。
そしてそんな時は無性には海を見たくなる。
海のにおい、潮騒の音、そして何よりも広大な海!
海を見るとどんなに気持ちが癒されるだろう。

というわけで、この前急に思い立って、日帰りで日本海に行ってきた。
心配だった雨も上がり。曇り空ながらも晴れ間も見える。
ヤギにも鶏にもたっぷりえさをやって、「これは今日一日分だからね!」、としっかり言い聞かせた。
でもどうせわかってないだろうな・・・、と思いながら、朝早く旅立った。
ヤギも鶏も見送りもしないで夢中で食べていた。大丈夫かな?

片道3時間。片面がへこんだ黄色いアホ車の軽四輪で高速を突っ走る。高速を走るのはこれで二度目。
しかも前回は4年前、それもほんのちょっと走っただけだった。
それで今回はさすがに緊張した。しっかりハンドルを握りしめて、超安全運転で、のろのろ走ってるやつを追い越しながら、下り坂ではすぐ110キロを超えてあわててスピードを落としたり・・・
やっぱり軽で100キロ越すのはちょっとしんどいかな、と思いながらも何度も100キロを超えたりしながら、中国自動車道、米子自動車道とすすみ・・・蒜山SAで休憩。ここまではきわめて順調。
そして大山を見てほっと一息。少し雲に隠れていたけどまあ見晴らしはよかった。
・・・蒜山SAから見た大山。

さてこれでもまだ半分くらいだ。それからさらに島根県の美保関を目指して突っ走る。
米子に下りて、後はひたすらまっすぐ。境港をとおり、いよいよ島根県。途中はじめて道を間違って自衛隊の山奥の秘密基地(?)に迷い込みながら、何とか到着した。

そこは美保関。昔北前船の寄港地だったところ。そこのヤギ仲間のFさんのところに行く。ヤギ小屋やヤギの柵をみて柵作りの参考にしようと思ったのだ。
今年Fさんのヤギは2頭の子供を生んだ。鹿と牛を。牛はもういなかったけど鹿はいた。そうそれはやっぱり鹿だった、角さえ見なければ・・・。
Fさんのうちは我が家と同じころヤギを飼い出した。そしてほぼ同じペースで子ヤギを産んでいる。
でも同じヤギとはいえ我が家のヤギとはずいぶん違う。白ヤギと黒ヤギという違い以上に性格が違う。生まれか育ちか・・・。ヤギがおとなしい動物だということを初めて知った。
あ~あ、我が家の頭突きが得意なユキ、少しは見習え! とはいえ柵で放し飼いしてるとやっぱりヤギも穏やかになるのかもしれない。はやく柵を作ろう。
・・・鹿ヤギ 

それから、海岸を散歩した。磯は見るだけで楽しい気分になる。しかも秋の誰もいない海~と言うわけではないけど、ほとんど人影が見えない海というのがいい。磯ではウニやサザエがよくとれるらしい。
ところで人里はなれたところに別荘があって売りに出てるらしい。300万!まるでプライベートビーチの海岸には馬糞ウニがたくさんとれるらしい。でも風は強そうだし、常住するのはちょっと大変かな。

・・・売りに出てるらしい別荘

海にはとんびがよく似合う。とんびの鳴き声と波の音そして磯の香り。水平線を見つめているとすっかり時のたつのを忘れてしまう・・・わけにはいかない!これから3時間かけて帰らないといけないのだから。
やっぱり海は泊まりで来ないとだめだよね。

それから美穂関を案内してもらった。美穂関は港町。青い石畳の道に古い町並みが残っている。
昔、あの「菜の花の沖」の高田屋嘉兵衛もきっと何度も来たことだろう。
そして船が寄港すると小さな静かな町が急に活気付きごった返す情景が目に浮かぶ。


美穂灯台にもいった。遠くに隠岐の島が見える。昔、後醍醐天皇が我が家の近くを通って、隠岐に流されていった。
ずいぶん長い距離を通って、さらにかすかに見える遠くの島まで小さな船に乗って流されていく。
かなり惨憺たる気分だったことだろう。
そして今でも流刑という刑があってもいいのではないかと妙なことをふと思った。
毎日海を見て、釣りをして、新鮮な魚を食べて、本を読んで暮らせたら、流刑も悪くない。ただ酒は飲み放題にしてほしい、と思った。

灯台はフランス風な灯台だという。といわれてもフランス風な灯台とはどんなものか知らないのでよくわからない。きっとこんなものなのだろうと納得するほかない。
子供のころは燈台守の仕事をするのが夢だった。毎日一人で海を見て、本を読んで暮らせたらどんなにいいだろうと。
早い話が子供のころからぐうたらだったのだ。でも今ではどこも無人だ。灯台守になってたら失業していただろう。

灯台からは180度の海が眺望できる。もっとも正確に分度器で測ったわけではないので180度というのは確かではないけど。
そしてここでは地球の丸みを感じることができる・・・ような気がする。秋田の男鹿半島にも地球の丸さを感じることができるという展望台があった。
確かにそういわれるとそんな気がしてくる・・・根が単純なんだなと思った。

灯台を見て、さて後は帰るという仕事だけが残されている。
またしても高速を突っ走る。途中、片道1車線の欠陥高速道路を後ろの車をいらいらさせながら、今度は90キロで走る。やっぱりこのアホ車では90くらいがちょうどよい。
こうして何とか家にたどり着いたときはもう真っ暗だった。ヤギや鶏は怒っているだろうけど知らんふり。朝早く見に行くことにした。
コメント (7)
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