昨日は初雪。
今年は早い!
でも積もることなくすぐに消えた。
こんな日にわざわざコンサートなんかに行くことないよね。
予約しなきゃよかったなぁ~~
でも申し込んでたから、しかたない。
というわけで寒い中、渋々行ったのだった。
ここから車で30分くらいの所、
「
町のイスキア4周年記念コンサート」に。
「町のイスキア」は小京都・龍野の古い街並にある町家。
ここで不定期にコンサートなど各種イベントをしている。
「町のイスキアコンサート」ももう4回目。
たいてい参加してる。
全部!と言いたいけど、1回くらいは行かなかったかなぁ~(よくわからん)
その中でも今回は一番楽しかった。
今回はプログラムもバラエティー。
ラフマニノフのピアノ協奏曲2番やショパンのノクターン2番のアレンジ、
タンゴやドビュッシーのピアノ曲。
カッチーニのアベマリア。
月の砂漠。
シューマンの歌曲・献呈。
ヴェルディの乾杯の歌。
などなど・・・
昔はよくコンサートに行った。
でもなんとも居心地が悪かった。
コンサートホールで窮屈な椅子に何時間も座って・・・
「教えてやってるんだ!」みたいな高座から見下ろす演奏を、
ただただ黙って「ははぁ~~~!」ときくばかり。
そんな雰囲気とっても嫌だった。
日本の芸能は、歌舞伎や相撲(そう相撲だって芸能だよ!)など、酒を呑み弁当を食べながら見た。
それが本来の芸能のあり方。
西洋だって昔は当時の貴族は音楽を聞きながら酒をのみ食事をした。
ところがクラシック音楽は日本では「教養」として勉強の一つとして聞いてきた。
でも音楽は、「音を楽しむ」、そうしょせん娯楽なんだよ。
酒を呑み肴を食べながら、お菓子やお茶を飲みながら、聞けばいいじゃない。
もちろん「町のイスキア」でも酒を呑みながら、肴を食べながら聞けたわけじゃない。
それどころかぎっしり客が詰まってコンサートホール以上に窮屈な状態だった。
でも昔の芝居小屋はもっと窮屈だっただろう。
そんな懐かしい雰囲気がするのだ。
いっそ椅子をやめてみんな座布団にしたらどうだろう?
座布団に座ってクラシック音楽を聴く。
曲と曲の合間に売り子さんが現れて、酒やビールや焼き鳥や串カツや弁当を売る。
串カツなどを買った客にはたれの器が回ってきて「二度付けあかんでぇ~!」という。
そんな場末のクラシックコンサート。
昔、浅草ではオペラが流行っていたらしい。
そして「ペラごろ」が会場を仕切っていた。
ファンというか、追っかけというか、やくざというか・・・
まあそんなのはお断りだけど、何か懐かしい雰囲気がいいんじゃない?
ただもう少し音響がよかったら、もう少しピアノの音がよかったら・・・
でもそうなると大して面白くもない小ホールでのコンサートということになる。
コンサート会場は演奏者と客の間に距離が、冷たい空間がある。
同じ目線で見、聞くことができない。
それでこんな雰囲気でいいんじゃない?
ただ暖房がなかった。
代わりに渡されたのは使い捨てのカイロ。
客は多かったのでそんなに寒くはなかったけどね・・・
でもやっぱり座布団にこだわるね。
手火鉢をおいて、スルメを焼きながら燗酒を飲み、クラシック音楽を聴くなんて、いいと思わない?
ただこれには大きな問題がある。
それは多くの人が車で来るということ。
酒に車は相性が悪い。
それでこの素晴らしいプランは諦めざるを得ない。
コンサートの最後は「乾杯の歌」で終わっただけに残念だ。
さてコンサートだけど、長谷川萌子さんのソプラノ、諸岡由美子さんのチェロ、岩崎宇綺さんのピアノ。
歌とピアノだけでなくチェロが加わるととても楽しく豊かに感じられる。
とりわけ変わった曲が聞けて楽しい。
ショパンのノクターン2番、この典型的なピアノ曲をチェロとピアノの共演で聞いた。
それが実にぴったり合っていた。
それからラフマニノフのピアノ協奏曲2番。
これも典型的なピアノとオーケストラの曲なのだけど、これをチェロとピアノで聞く、不思議な体験だった。
それから長谷川萌子さん最初から気合が入っていた。
そしてコンサートが進むとますます乗ってきた。
でもまあ、書きだしたらきりがないのでここらへんでやめよう。
今までの中で昨日のコンサートが一番楽しかった。