鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

敵前逃亡の3バカトリオの辞任で何も解決しない

2008-09-20 | Weblog
 18日に農林水産省の白須敏朗事務次官が辞任したのに続いて、翌19には太田誠一大臣が汚染米問題の責任をとって辞任を申し出た。辞表を受け取った福田首相はすでに今月1日に辞任を表明しているので、軍隊で言えば元帥、大将、参謀本部長がそろって敵前逃亡したことになる。いかに米は日本に基幹をなすものとはいえ、異国の首相、大臣、事務次官がそろって辞任することなど過去に聞いたことがない異例の事態。20日付けの毎日新聞で作家の幸田真音が洞爺湖サミットで議長を務めた福田首相があっさり辞めたことは国際的に著しく信用を損ねたとしているが、今回の3バカトリオの辞任劇は国際的に「日本に農政なし」との印象を与えたのは間違いない。
 農水省は当初、汚染米問題は単なる一流通業者の不埒な行為と見くびっていた。白須次官も「農水省の責任ではに」と言明していたし、太田大臣に至っては「汚染米は健康には影響ない。大騒ぎすることはない」と語っていた。ところが、農水省の役人が汚染米の立ち入り調査を何回もしながら、事実を掴めなかったことや、関係業者が370社以上にも及ぶことなどが明らかになるにつれ、責任を認めざるを得ず、次官、大臣と相次いで辞任せざるを得ない事態に追い込まれた。
 ただ、太田大臣はこの前にも「日本の消費者はやかましい」といった問題発言をしたり、事務所経費の不正使用が明らかとなっていて、辞任のタイミングをうかがっていたふしがある。これ以上居座ると、総選挙に悪影響を及ぼしかねない、との判断も働いたと見る向きもある。
 太田大臣から辞表を受け取った福田首相は記者団から任命責任を問われ、「末端まで全部? 大変だな、総理大臣も」とお得意の人ごとのような答弁をし、周囲を呆れかえさせた。
 問題は3バカトリオが辞めても、なんら汚染米の流通対策が講じられていないことで、ませに敵前逃亡と言われても仕方がない。汚染米はもともと日本のお米の価格が高くて、海外からの米に輸入を抑えるためにウルグアイ・ラウンドなど多国間の貿易協定で米輸入を自由化しない代わりに、国が年間77万トンの米を輸入することを10数年前から行ってきた。その輸入米を保管しているうちに汚染してしまい、工業用原料などに流用してきた。それが、どういうわけか一部食用に回されていた、ということで、その流通ルートを解明し、今後こうした問題が再発しないように対策を講じる必要がある。
 大体、汚染米を「事故米」といかにも交通事故にでも遭ったような表現をすることからして、責任逃れをしたい、という役人特有の根性が見え隠れする。そもそも汚染させてしまったことが保管上の不備で、これも役人の責任であり、まずこのことからして問われなければならない。
 街頭でのインタビューで大臣の辞任の印象を聞かれた市民が「きちんと事後処理してから辞めてもらいたい」と言っていた。その通りである。

追記 テレビを見ていると、辞任した太田大臣が多分、農水省の玄関なのだろう、多くの職員に囲まれ、女性から花束をもらってニコニコしている映像が写されている。責任をとって辞任するが、何の善後策も講じずずに無責任に職場放棄していくのにこんな姿をみせつけられて釈然としないのは鈍想愚感子だけではないだろう。石をもって投げつけられても当然なくらいなのに笑顔で去るのはやはりおかしい。大臣を辞めるのは単に席を替わるだけで、屁でもない、ということか。せめて議員を辞めるくらいの心構えを示してもいいのではんかろうか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

異色な組み合わせで芸術の秋を楽しんだ

2008-09-19 | Weblog
 18日は東京・初台の東京オペラシティでの恒例の「題名のない音楽会」の公開番組を聴きに行った。招待券にゲストがブルーマングループと出ていたので、数年ぶりにブルーマンの演奏が聴けるのならと出かけた。司会の佐渡裕が今年になってから休みをとってなくて、来週から休みに入るせいか、前後半とも熱演で合わせて2時間強の充実した時間を過ごすことができた。
 前半の第1部はまずアコーディオン奏者の御喜美江による「バンドネオン協奏曲第3楽章」から始まった。ドイツに住んでいて日本とドイツを行ったり来たりしている世界的な奏者で、年齢不詳で、佐渡裕とお互い褒めあっていたのが印象的だった。続いて現れたのがギタリストの村治佳織で、白いドレスの膝の上にギターを置いて「主よ、人の望みの喜びよ」と「G線上のアリア」を演奏した。数年前に上野のホールで演奏を聴いたことがあるが、その時はGパン姿の少女の風情だったが、すっかり大人の女性になっていて、弾く曲もクラシック畑に変わっていて、また違う魅力が出ていた。
 最後に登場したのが韓国のバリトン歌手、キュウ・ウオン・ハンで、「オンブラ・マイ・フ」と「アヴェ・マリア」を熱唱した。アヴェ・マリアは単にアヴェ・マリアと繰り返しているだけの単調な歌のようで、じっくりと聴かせてくれた。
 第2部は歌舞伎の舞台回しを務める常磐津とブルーマングループの異色な組み合わせで、まず赤い2段の舞台に構えた常磐津社中が「どんつく」を演じた。そして、三味線、鼓、謡いの演奏を交えての紹介があり、その都度、司会の佐渡裕が「挑戦したい」といって実際に楽器を手にとり、奏でたのが面白かった。謡いにも挑戦し、「筋がいい」と褒められ、会場の笑いを誘っていた。
 そんなことをしているうちに舞台の袖からブルーマングループの3人組が登場し、持ち前のパイプ製の楽器を使って、常磐津グループと競演し出した。常磐津社中が演じる音をブルーマングループが直ちに再現するというもので、その音感、リズムには驚嘆させられた。司会の佐渡裕も食い入るようにブルーマングループの演奏を見つめていたのがそれを象徴していた。
 特にブルーマンの持ち曲の「PVC HOUSE FINAL」と常磐津社中の「千代の友鶴」を合奏したのは日本の古典音楽と西洋の現代音楽がこんな形で共奏できることを見せてくれた。いつも歌舞伎役者の背後で地味に演じている常磐津社中の音楽が底深いものである、と改めて認識させられた。
 「題名のない音楽会」ならではの企画であり、一般の商業目的の演奏会ではなかなかこうした企画は出てこないだろう。今回の試みを一体誰が企画したのかわからないが、その人に感謝、感謝である。芸術の秋にいい演奏を聴くことができて幸せな一日であった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

図書館では「静粛に!」

2008-09-18 | Weblog
 17日午後、高津図書館で新聞を読んでいたら、入口を入ったところのロビー周辺がやたら騒がしい。目をやると幼稚園か、小学校の低学年の一団がやってきたようで、なかには走り回っている児童もいる。あたりを見まわすと、だれも気にするようなことがなく黙って新聞・雑誌に目をやっている。しばらく様子を見ていたが、一向に治まる気配がないので、意を決して図書貸し出しのカウンターにいる係の女性に苦情を告げると、左端の男性に言ってくれ、という。
 で、その男性に告げると、作業の手を休めることなく、浮かぬ顔をして聞いている。あげく、「子供ですから」というので、「父兄同伴ではないですか」と暗に母親に注意するのがいいのではないか、と言った。それでも腰を上げようとしないので、最後に「あなたのお名前は」と聞き、ついでに館長の名前を聞き、善処してくれるように依頼して、その場を離れた。
 というのは2週間前に新聞置場の棚の上に新聞スクラップの束を順番にめくって読んでいたら、突如係の女性2人が現れ、「新聞をめくる音がうるさいのですが……」という。この日は知人とランチをした際にワインを飲んでアルコールが残っていたせいか、動作が大仰になって、多少音を発していたかもしれないが、それにしても周囲に迷惑な感じを与えるほどではにあだろう、と思って怪訝な表情をしたら、件の女性は「そういう苦情がありまいsたので」と付け加えた。内心ムッとしたが、一応「分かりました」と言ったものの、苦情を言った人はこの光景を見て「ざま見ろ!」とでも思っているだろうと思うと無性に腹が立ってきた。誰が言ったのだろうか、と周りを見渡したが、当然わかるわけがない。図書館から帰っても半日、不愉快な思いは消えなかった。
 図書館には1週間に一度、主に朝日新聞と読売新聞の一週間分のスクラップを読みにいく。会社へ行っている時は会社で読んでいたが、それもできなくなったので、図書館でチェックしている。新聞4紙をとるのは経済的にも許されないし、世の中の動きを追うには朝日、読売両紙は欠かせない、と思っているからだ。2週間前に注意を受けてからはめくるにもなるばく音のしないよう静かに行っている。
 それが新聞をめくる程度ではない嬌声がガンガン響いてきては黙っていられない、と苦情申し立てに及んだわけである。もちろん、その際、2週間前に注意されたことは付け加えた。「新聞をめくる音程度ではない」と、それと騒音取締の基準はあるのか、」といったことも申し添えた。
 抗議の効果があったのかどうかわからにが、しばらくして集団は図書館の外へ移動して、騒音は治まった。苦情を申し立てたことで、胸のつかえはとれて、多少すっきりとした。帰ってから、かみさんにこのことを話そうとしたが、多分いい顔をしないだろう、と思ってやめた。
 今後、高津図書館には「静粛に!」と書いた貼り紙が掲出されることだろう。
 
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

茶番の総裁選を押しつぶすリーマン・ショックなどの3点セット

2008-09-17 | Weblog
 150年の伝統を持つ米国第4位の証券会社、リーマン・ブラザーズが会社更生法の適用を裁判所に申請、経営破綻した。負債総額64兆円と史上最大で、米国経済のみならず世界経済に大きな打撃を与えつつある。16日の東証市場は前日比605円4銭安の1万1609円72銭と年初来安値はもちろん05年7月8日以来3年2カ月ぶりの安値を記録した。リーマン・ブラザーズ日本法人2社の負債総額は3兆9400億円と並み大抵の規模でなく、ショックは世界経済の屋台骨を大きく揺さぶりそう。
 リーマン・ブラザーズが経営破綻を招いたのはサブプライムローン(低所得者向け高金利住宅ローン)で、8月末までに140億ドルを超える損失を計上していると伝えられていたが、米国金融当局などと再建策を講じていることからなんとか乗り切れると思われていたが、頼みのバンク・オブ・アメリカがメリル・リンチを500億ドルで買収すると決めたことから、一転して破綻に追い込まれた。第1報が報じられたのは15日で、たまたま日本は祝日だったが、米国の証券市場の504.48ドル安のダウ平均1万917.51ドルに始まって世界同時株安現象を招いた。
 リーマン・ブラザーズは従業員2万8556人もいることもさることながら、米国経済を象徴する1850年創業の名門企業で、いくらサブプライムローンの痛手が大きいとはいえ、倒産するようなことはない、と信じられてきた。それが一夜にしてフッと地上から消え去ったわけで、今後何を信じていけばいいのか、という疑心暗鬼にも囚われる。
 問題は日本経済にも少なからぬ影響が出てくることだ。リーマン・ブラザーズ日本法人だけでも2000年の協栄生命保険の負債総額4兆5000億円に次ぐ戦後2番目の大型倒産で、その処理などについて政府から何のコメントも出ていない。16日は新聞休刊日だったこともあって、それに関する情報は何も伝わってきていない。
 リーマン・ブラザーズショックに限らず、日本と取り巻く状況は極めて厳しいものがある。金正日北朝鮮総書記の病状で拉致問題は棚ざらしのままだし、汚染米についても後手後手にまわっておよそ政府の態をなしていない。茶番劇である自民党総裁選の遊説に回っていて、押し寄せる難問はほったらかしである。留守を預かる福田首相はレイムダックでお飾りの居留守番でしかなく、国民の期待する対策を打とうともしない。
 当然というか、すっかり色褪せたのか、新聞休刊日の16日の夕刊各紙から自民党総裁選は1字たりとも載っていなかった。翌17日付けの日本経済新聞を見ると、さすがに金融庁・日銀など当局者は臨時の公開市場操作(オペ)で1兆5000億円の資金を市場に供給するなどそいれなりの手を講じていたようであるが、肝心の政府当局者からは何のコメントも出ていなかった。政治家は総じて経済オンチであるが、それにしてもお粗末極まりない。リーマン・ブラザーズショックに北朝鮮問題、汚染米の3点セットで総裁選は雲散霧消するかもしれない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

汚染米の流通について監視体制を構築せよ

2008-09-16 | Weblog
 汚染米問題が広がりを見せつつある。15日には監督官庁の大阪農政局の元課長が2005年から06年に三笠フーズの冬木三男社長から2回にわたって供応を受けていた事実が発覚したほか、汚染されたもち米を食用に供していた大阪の13の病院から回収された米から基準の6倍の0.06ppmのメタミドホスが検出され、汚染米の余波はますます広がりそうな勢いとなってきた。米は日本人の基本的な食品だけに揺るがせににできない問題で、農林水産省のあり方にも関わってきそうである。
 三笠フーズが事故米である汚染米を流通させ始めたのは10年以上前からで、政府が買い上げた米を保管しているうちに劣化した米を工業用ののり原料として民間に安く払い下げているのを悪用して、食用にまわしていたもので、問われた冬木社長は「悪いこととは知りながら、利益を出すためにやむなくやってしまった」と会見で語っていた。
 この汚染米の流通を持ちかけたのは三笠フーズに買収された米の流通会社の経営者の宮崎一雄氏(現三笠フーズ特別顧問)で、日本テレビの「真相報道バンキシャ!」で責を問われて、「汚染米とは言って売ってない」とシャーシャーと答えていた。三笠フーズの冬木社長に教えたのか、と聞かれて「そんなことはしていない」とも答え、醜い責任のなすり合いをしている。
 問題は汚染米の横流しの事実を知ってか知らずか、農林水産省は過去96回も三笠フーズの立ち入り検査に出向きながら、なんら摘発しなかったことである。事前に立ち入り検査がある、と通告してから行った、との話もあり、農水省もぐるだ、と思われても仕方がない。供応に応じた大阪農政局の元課長は「1回目は1000円くらいの料理をご馳走になっただけで、2回目は食事に手をつけなかった」と弁明している、というが国家公務員倫理規定に反している事実には変わりはない。
 当の冬木社長は今月はじめに記者会見で謝罪して以降、あまりの影響の大きさに驚いてか姿をくらましており、15日には報道人に「万死に値する」と反省の心境を書いた文章を送ってきた。
 三笠フーズが流通した汚染米は年間1776トンで、これによる三笠フーズの不当利得は5120万円にのぼる、という。この汚染米は焼酎や菓子の原料として用いられるだけでなく、一部幼稚園や老人ホームなどの主食として用いられている。太田誠一農水大臣は「人体には影響ない」と監督官庁の責任者としてはあるまじき発言をしたが、とんでもないことだ。
 汚染米の流通がどういう仕組みになっていて、その監視体制がどうなっているのか、さっぱりわからない。政府はいまの汚染米の影響がどこまで広がるのかを解明するのはもちろん、今後、こうした事態の再発を防止するために汚染米の流通についてどういう監視体制をつくっていくのか、を国民の前ではっきり言明すべきである。

追記1 農水省は16日、汚染米の最終加工者を含めた流通業者が約370社にのぼる詳細を会社名も併せて発表した。これまで判明していた和菓子、米菓メーカー、給食施設に加え、外食企業も含まれている。「不正流通対策特別チーム」や地方農政局の食品表示Gメンが①殺虫剤メタミドホス②カビ毒アフエアトキシンBI③殺虫剤アセタミプリドーーの3つのルートを調査してわかったもので、次はその原因と再発防止の対策の発表である。ぜひとも急いでほしい。

追記2 17日になって農水省が公表したリストのうち表記された熊本県の業者から「全く関連のない商品を扱っており、迷惑だ」との抗議が寄せられた、という。12日に九州農政局の職員が来て、間違いに気づいたが、そのまま公表されてしまったという杜撰さはあきれ返る。今回の事件の遠因は農水省の汚染米処理のいい加減さにあることがわかってきており、責任者への厳粛な処罰が望まれる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新たなスーパーマン映画の「ハンコック」

2008-09-15 | Weblog
 14日はウイル・スミス主演の「ハンコック」を観賞した。3週間くらい前に主演のウイル・スミスとシャリ-ズ・セロンがテレビに出演してPRしていた時に思わせぶりな結末を語っていたのを見て、面白そうだと思ったのと、数カ月前から突如空に飛び上がる主人公が出てくる映画の予告篇を見て、新たなスーパーマン映画かな、と思っていた。公開3週目に入って、さすがに休日とはいえ、開演前20分でも楽々に席を確保でき、やや賞味期限切れを思わせた。
 「ハンコック」はいきなり高速道路を暴走するギャング団をパトカーが追いかけるシーンから始まる。そこへ空からふって湧いてきたウイル・スミス扮するハンコックが現れ、ギャング団の座席に座り、大人しくなるよう呼びかける。が、ギャングは拳銃を放ち、聞こうともしない。怒ったハンコックは車を持ち上げて空に放り投げ、ビルに上の鉄塔に突き刺さってしまう。次いで、渋滞の車が踏切にさしかかり、危なく列車に挽き殺されそうになった男の車を他の車の上にぶん投げてしまう。被害に遭った者がハンコックを取り囲んで糾弾するが、命を救われたPR会社の社長が「とにかく命が助かったのだから」と取り成して治まる。
 PR会社の社長はお礼にとハンコックを夕食に誘い、お礼にとハンコックのPRマーケティングを申し出る。人命救助しても乱暴なやり方で鼻つまみとなっているハンコックもなんとかしないと思うものの、その方法がわからず、男の言うことを受け入れ、いままでの不行績を詫びて、刑に服する。懲役となり、刑務所に放り込まれ、いずれ警察から出動の要請がくるはずと我慢してその時期を待つ。
 なかなかその機会が訪れず、作戦は失敗したか、と思った瞬間に銀行強盗が現れ、警察署長からハンコックにお呼びがかかる。髭も剃って、制服に身を固めたハンコックは颯爽と登場し、見事悪漢を退治し、人質を救出し、拍手喝采を浴びる。作戦が見事に決まり、人々から祝福を受けるが、シャリーズ・セロン扮するPR会社の社長の奥さんにキッスをしよう、としたところ部屋を飛び出して車に叩きつけられる。実は奥さんもハンコックと同じ異星人で、しかもハンコックの元妻で同じような能力を持っていることが判明する。
 お互いの過去をばらさないようにするが、ハンコックを恨むギャングが脱獄してハンコックのもとへ復讐に来て、2人とも瀕死の重傷を負い、一旦は死ぬ。が、不死身のハンコックは生き返り、再び空へ舞い上がったところで幕となる。
 ハンコックの成り立ちがやや脆弱な点をのぞけば、新しいスーパーマン映画の誕生で、ウイル・スミスの魅力も出ている楽しい映画であった。最後の字幕を見ていたら、制作者2人の名前にウイル・スミスも出ていて、出演だけでなく制作にもかむようになって、ウイル・スミスが単なる演技派俳優ではないことをうかがわせた。続編の「ハンコックⅡ」ができてもいいのかな、と思った。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

友は類を呼ぶ、小池百合子の応援団

2008-09-14 | Weblog
 自民党総裁選は1週間経って中身がないのがわかってか、しらけてきたが、先週末に小泉純一郎元首相が小池百合子支持を表明したことで、ますますしらけることとなった。小泉首相が政局にまだ影響力を持っているとの幻想が生んだお笑い劇で、支持された小池百合子もこれで5人のなかで下位に終わることが明らかとなった。
 12日午後のテレビを見る限り、小泉元首相の小池百合子支持が明らかとなったのは小池百合子一派の会合で、推薦人代表を務める衛藤征士郎衆院議員が子供が書いたような筆跡の小泉元首相の発言のメモを読み上げ、隣に座っていた小池百合子が途端に「チョーうれしい」とはしゃぎ出した。事前に知っていないはずがないのにまるで初めて知ったような演技は噴飯ものであった。テレビでは続いて町村信孝官房長官が「本人が直接言ったわけではない」と半ば否定していた。
 小泉元首相も町村派が麻生支持と小池支持で割れるのはまずい、とみて直接言及したのでなく、談話の形で衛藤議員に伝えた、しかも聞かれたから答えた、という形をとっており、なんとでも言い逃れできるような言及の仕方である。仮に小池百合子が敗れても「あれは座興でした」とでも言うつもりなのだろう、ずるいといえばずるい意思表示の仕方である。
 自民党総裁選が始まって、5人の立候補者がいずれも小泉内閣時代の閣僚であることから、改めて小泉元首相の改革がもてはやされている感がある。しかし、小泉元首相の行った改革の結果、地方と中小企業が不況のどん底であえいでおり、小泉改革のもたらした年金、後期高齢者医療問題、それにいま問題となっている汚染米転売も小泉改革の規制緩和によるもので、いまさら小泉改革ではあるまい。
 それを一部マスコミと自民党の狭い世界での人気を全国民的な人気と勘違いして思い上がっているといsか思えない行為である。本人はいまの事態を招いたことを反省して大人しくしていないといけないのに、しゃあしゃあと登場する。そんな御仁の翳った威光によりすがらないと総裁選を戦えない小池百合子も哀れである。
 大体、中川秀直元幹事長も本来なら自分が総裁選に立ちたい、と思っているのに自らの不徳でだれも推してくれないから、党内での存在感を示すために大勢順応でなく、やむなく小池百合子を担いだのだろう。それでも、最終的には小池百合子の推薦人代表は衛藤議員に譲り、20人の推薦人には名前を連ねなかった。小泉元首相に似たずるさである。担がれる小池百合子もそうであるが、友は類を呼ぶということか。
 麻生幹事長の圧勝ということで、もう総裁選の帰趨は見えたが、つくづく政治家とは腹の中で考えていることと口から出る言葉は違うことが平気で起きる人種であることがよくわかった。

追記1 総裁選は14日も午後2時から名古屋で、夕方には新潟で5人の立候補者が並んで立会演説会が繰り広げられた。しかし、先週もだれかが言っていたが、街頭での立会演説会は一体誰に向かって行われているのだろうか。総裁選に投票権を持っているのは自民党の国会議員と全国の自民党員だけで、そうした人だけを対象に行われるのなら、ともかく衆人監視のなかで行われる必要はない。聞いても投票権のない人ばかりが聞いているのではなかろうか。増して、テレビ・新聞がさも公開の選挙みたく報道する必要はない。午後6時からの日本テレビの「真相報道バンキシャ!」のコメンテーターの河上和雄元検察官は「こうした総裁選は続く総選挙を意識したもので、明らかに公職選挙法違反の疑いがある」とはっきりと指摘していた。関係者はこのコメントを心して聞くべきである。

追記2 麻生圧勝がほぼ確定し、麻生内閣の組閣人事が流れ出したら、小池百合子は「麻生氏から入閣要請があっても断る」と記者に語った、という。まだ、総裁選中なのにそうした質問をする記者も記者なら、答える方も狂っている。大勢が判明しているのにまだ大物気取りのこの発言は思い上がっている、としか思えない。小泉元首相とランチをしてのぼせ上がってしまったのだろう。小泉元首相からそう言え、とでも示唆されたのだろうか。総裁選候補者5人の討論でもちょっと込み入った財政経済の話になると素人談義程度の内容しか話せず、1人だけ浮きあがっている。話している本人はそれに気が付かず、しなをつくって媚を売った顔をしている。総裁選が終わったら、単なる議員になる、ということがわかっていないようで、救いようがない、とはこのことだろう。

追記3 24日に発表された麻生内閣の閣僚には総裁選を戦った与謝野馨経済財政担当相は留任、石破茂前防衛相は新たに農水相に起用され、石原伸晃元政調会長は幹事長代理になり、唯一小池百合子元防衛相にはお呼びがかからなかった。麻生総理と対立点が多かったとの解説がなされているようだが、麻生総理に人を見る目があった、ということだろう。小渕優子議員が戦後最年少の大臣として少子化対策担当相に起用されたことも小池百合子には追い打ちとなっているのは間違いなく、政界では一部のイエロー・ジャーナリズムを除いてもう小池百合子総理説が取り沙汰されることはないだろう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

検察側の思惑通りに終わったライブドア事件

2008-09-13 | Weblog
 12日は東京・霞が関の東京高等裁判所へ裁判の傍聴に行った。午前9時半頃に着くと、正面右手で傍聴券配布の列ができている。ライブドアの元取締役、宮内亮治の判決があることを確かめて並ぶと、数分で締切となり、定員の74人に満たない67人だったので、全員傍聴可能となった。地下鉄の霞が関駅を地上へ上がったところで、民事の損害賠償請求の原告らが華々しく立て看板で「宮内被告に実刑を」とアピールしていた割には人気がないのがやや拍子抜けであった。
 定刻の午前10時に恒例の写真撮影の時間があり、終わったところで、宮内亮治被告がおもむろに入廷した。前回と違って、頭をすっきりと刈り込んでいたのが目立った。長らくの裁判が最後の日を迎えたので、気合を入れた、といった感じで、席に着いた。で、裁判長がすぐに判決を読み上げるか、と思いきや、前回からの書証の確認を検事、弁護士の両方にし始めた。「70~75号証は同意、76号証は不同意ですね」とやっており、本日の予定である判決は一体どうなっているのか、との疑念を抱かせた。
 続いて判決に入り、その疑念はすぐに失せた。判決は「原判決を破棄する」と一瞬ドキッとさせるものから始まった。ただ、続く「被告人を懲役1年2カ月に処し、裁判に要した10日を刑に参入する」と1審の1年8カ月の実刑から若干軽減されたと聞いて、やはりと思った。裁判長が読み上げる判決の趣旨は要するにライブドアの粉飾決算と関連会社の虚偽の業績を装って、株価を不当に吊上げ、証券市場の信頼性を損ねた責任は重い、として、たとえその後反省して堀江裁判の証人になったり、ライブドアの株価下落による被害を受けたとして損害賠償訴訟に財産のすべてを投げうって弁済に充てる、としているものの、犯した罪を帳消しにするのは至らない、というもの。
 ただ、反省していることは認められるとして1審より、6カ月刑が軽くなった。判決の趣旨を読み上げる裁判長の顔を見上げる宮内被告の顔は紅潮しており、「その程度のものか」との無念さが滲んでいた。聞き終えた後も不満そうな態で、裁判長が退廷するのを被告席に座ったままで見送っていた。しばし、呆然とした感じで、その後係員に促され、控え室に引き上げ、弁護士がその後を追った。
 執行猶予付きの判決を求めていた新穂均弁護士は「判決は極めて残念。判決書を精査し、今後の対応を検討する」としているが、最高裁に持ち込んでもこれ以上刑が軽くなることはまず考えられない。検察側の最大のねらいは堀江貴文元ライブドア社長を実刑のい持っていくことで、ここで、宮内被告を執行猶予になるようなことがあれば、堀江裁判も狂ってしまうことになる。
 悔悛の情を示している宮内被告が懲役1年2カ月の実刑判決を受けたのなら、全然反省していない堀江被告は3~5年の実刑となってもおかしくない。万が一、に宮内被告が心変わりして徹底抗戦の構えで最高裁に臨むようなことが起きてもこの流れは変わらないだろう。つまり、ライブドア事件は検察側の思惑通りの勝利、ということだろう。

追記 17日までに、宮内亮治は予想通り、最高裁に上告した。これだけ改心して反省しているのにたった6カ月の減刑にしかならないのか、と不満なのだろう。いまさら全財産を投げ打って賠償に応じる、との姿勢を変え、ホリエモンと共闘するわけにはいかず、さりとておめおめと引き下がるのも癪といったところだろう。しかし、検察のシナリオはもう出来上がっていて、主たるならいのホリエモンを監獄につなぎ、「汗かいて努力している人を絶望させてはならない」との意を貫くためにも宮内亮治の実刑は譲れないtぽころである。最高裁まで争った、という事実だけで自ら納得させるしかないのだろう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

どこにもない豆腐屋さんの味が消えた

2008-09-12 | Weblog
 先日、裁判所へ傍聴に行った帰りに駅からの帰路にある行きつけの豆腐屋さんで豆腐を買おう、と思って行くと、平日にも拘わらずシャッターが下りていて、通り過ぎてしまい、隣のこれも行きつけの床屋さんのおかみさんに会ったので、「休みですか。珍しいですね」というと、おかみさんは「そうなの、ご主人が倒れてしまって、当分開けられないみたい」という。そういえば、ここ一週間ばかり、豆腐屋の主人と道ですれ違ったが、遠くから見て違う人か、と思うほどいかにも疲れた顔をしていた。夏場ここの冷奴は絶品なのにと残念な思いをしながら、帰ってきた。
 それから2、3日して、かみさんが買い物から、「一大事だよ」と言いながら家に入ってきた。「何事が起きたか」と聞くと、豆腐屋さんが亡くなった、という。病院に入院したとばかり思っていたのに、入っても手術もできずに逝ってしまったのだろう。あとで聞いたら、二子玉川まで配達に行った際に駐車場で倒れてしまい、しばらく放置状態で、気がついた人が救急車を呼んでくれたのだが、もう手遅れだった、という。死因は脳幹破裂で、動脈が切れてしまったのだろう。調べたら、高血圧が原因だ、という。
 享年74歳と平均寿命からいってまだ若い。溝ノ口駅前で50年近く前から「大寿々屋」なる号の豆腐屋を営んでおり、数ケ月前にテレビ朝日の「ちい散歩」に取り上げられたことがあり、店先で豆腐を食べさせるようなこともやって商店街の話題になった。その後「テレビで見た」と言って昔の知人がたくさんやってきた、というからいまとなってはそれが最後のお別れとなったのかもしれない。
 この豆腐屋さん、実はつい最近、豆腐の値段を一丁120円から140円に値上げした。原料の米国産大豆が原油価格の高騰でアップしたので、やむなく転嫁したのだろうが、ひょっとしてこの値上げによって経営的に苦境に立たされたのでは」ないだろうか、と思った。というのは最近、買いに行った際にパック済みの豆腐を袋に入れてくれたから、「あれっ」と思った記憶がある。いつもは豆腐が沈んでいる水槽のなかから掬ってくれるのに、レジのすぐ横に積んであったものをくれたからだ。店頭でバラ売りもするが、大半は業務用としてスーパー、八百屋、それにレストランに卸していて、量的にはそちらのが多いはずである。スーパーで買う時にあらかじめパックしてあるが、その時のはそうした包装のものだった。いまから考えれば、業務用に卸そうとしたものが残ってしまったのだろう、と思われる。
 一丁20円の値上げはこんな時勢ではやむを得ないと思われるが、業務用に仕入れている担当者からは嫌味のひとつやふたつ言われて、結果として仕入れ量を減らされたり、価格の据え置き、もしくは値上げ分のカットを求められたりしたのではなかろうか。結果として原材料価格のアップ分の大半をかぶらざるを得なくなったのでは、と推測される。その心労が死に至った、というわけである。よくある中小企業の経営苦である。
 推測の域を出ないが、十分に考えられることである。この豆腐屋さんは後継ぎがいなくて、長らく夫婦2人で経営してきた。葬式を終えた後も店頭には休業のお知らせの紙が貼り出されたまま、となっている。このままでは廃業せざるを得ないだろう。どこにもない”味”が消え去るのは贔屓の客としては誠に残念なことである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本の外務省には007は1人もいない

2008-09-11 | Weblog
 北朝鮮の最高指導者、金正日総書記が重病に罹っている、との情報が飛び交っている。9日に平壌で行われた北朝鮮の建国60周年の閲兵式パレードに欠席したことが憶測を呼んでいるもので、超ワンマンで北朝鮮を指導してきただけに事態は重大。金総書記の病気説はこのところ、盛んに取り沙汰されてきたが、公式行事の欠席でそれが明らかとなったわけで、外務省は情報の入手に躍起となっている。しかし、日本は1人の007もいないようで、すべて韓国や米国からの情報に頼っている始末で、お粗末なこと限りない。
 金総書記の動静は8月14日を最後に途絶えていた。例年9月9日の北朝鮮の建国記念日には最高指導者に就任以来、ひな壇の中央に立って、手を振り、健在ぶりを示してきた。ところが、今年は最後まで姿を現わさなかったばかりでなく、例年に比べパレードの開始が夕方と遅く、ミサイル部隊もいなくて、しかも正規軍も参加していなかったという異常が目についた、という。金正日総書記は軍の最高地位にもついており、その軍が参加しないということは軍にクーデターなどの異変があったのではないか、との説も流れたが、どうやら重病説に傾いている。
 欧米メディアは一斉に「脳卒中や心臓病で突然倒れた可能性がある」と報じた。お隣の韓国政府は緊急安保関係閣僚会議を開き、金総書記が「脳管疾患による発作」から回復中であり、現在は深刻な状況ではない、との報告があった。金総書記は外国医師団の手術を受け、病状は外出はできないものの意識はあり、「回復可能、コントロール可能」で言語障害もない、という。これらはすべて伝聞情報で、当然のことながら、北朝鮮の当局者は重病説を否定している。
 しかし、金総書記の影武者は4人くらいいると伝えられているのになぜ閲兵式に影武者が起用されなかったのか、と疑問が生じる。金総書記が意識不明で指示できなかったか、できたとしてもそれを阻む勢力が止めたか、のどちらかである。ということは金総書記の身の上に指揮権を発動できないことが起きた、としか考えられない。遅かれ、早かれ、北朝鮮は政権交代ということになっていうことだろう。
 それにしても日本の外務省の北朝鮮に関する情報収集はお粗末で、こんなことでは日朝交渉どころか、肝心に拉致問題も飛んでしまうことだろう。異変がってから丸1日経ってから、海外からの情報で知る始末で、自ら情報をキャッチしたところがまるで見えない。まさに外務省には007どころか、省そのものの存在意義すら感じられない。外務大臣もさることながら自民党の政府首脳は一体何をしているのだろうか。主の首相がレイムダック状態にあるのは仕方ないとしても総裁選で他のことが全く耳にも入らないのだろうか。もともと外交不在の政治家が多いのだが、こんな輩に日本の舵取りを任している国民もどうしようもない、ということになる。
 金総書記の重病以前に相変わらずのノラリクラリの北朝鮮の態度にいつまで付き合っているのだろうか。もっと早くに経済制裁をもっと強力にして、経済的に北朝鮮が立ち行かなくなるような措置をとるべきだった、と思うが、もう遅いだろう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする