鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

日本相撲協会は理事長交代はもちろん外部から頭脳を入れ、体質改善図れ

2008-09-07 | Weblog
 相撲界が大麻問題で揺れている。先にロシア出身の幕内の関取、若ノ鵬が大麻を吸引していた件で逮捕され、日本相撲協会から解雇されたことから、関取69人を対象に尿検査を実施したところ、ロシア出身の露鵬、白露山の兄弟に陽性反応が出て、師匠の北の湖理事長の責任問題となっているからだ。北の湖理事長は昨年の朝青龍の仮病問題でもガバナビリティを問われたことがあり、今回も協会のトップとして「力士が否定しているのだから……」と煮え切らない態度に終始しており、退任は避けられない見通しである。
 今回の大麻事件の対応を見ていて、不思議なのは検査機関にゲタを預ける形で議論が進んでいることで、当事者と管理者は一貫して潔白を主張しているのも不思議なことである。最初の検査はキット式の簡易検査で必ずしも大麻にだけ反応するとは限らない、というが、6日に陽性とクロの結果が出た世界反ドーピング機関(WADA)認定の専門機関、三菱化学メディエンスの判定に対しても当事者は異議を申し立てている。北の湖理事長は警視庁の付属機関、科学捜査研究所での再検査を希望している、というからテレビの見過ぎか、だれかの入れ知恵なのだろう。
 露鵬は大嶽部屋(元貴闘力)の、白露山は北の湖部屋のそれぞれ所属で、北の湖理事長みずからの部屋の問題だけにこれまでのように「親方が対処すべき問題だ」と突き放すことはできず、言ったことは自らにはね返ってくる。両親方とも関取がシロと言っているのだから、と全面的に力士の肩を持つ発言をしているが、単に責任問題を回避したいがために他ならず、言い分をそのまま認めるわけにはいかない。
 大嶽親方は裁判に持ち込むようなことを言っているが、第三者の判定機関でクロと出ているのをたとえ裁判に持ち込んでも勝てるわけがない。警察に逮捕され、刑事裁判として争うのならともかく、まだ逮捕されていないのだから、裁判といってもどちらが告訴するのかさえ明らかではない。まさか、大嶽親方自身がマスコミ各社を相手に名誉棄損で告訴する気ではないだろう。となると、裁判うんぬんの言辞は具体性に欠けることになる。罪を犯したかどうかは争えるが、犯していないことを立証するのは難しい。
 そんなことも分からずに裁判云々はないだろう。ことほど左様に理事長を含め日本相撲協会の幹部クラスの程度は低い。朝青龍問題に限らず、貴ノ花部屋の問題などこの数年のゴタゴタで組織としての態を成していないことは明らかである。まず理事長は交代して刷新を図るとともに、ここは外部から頭脳を入れて、徹底的な体質改善を図る必要があるようだ。

追記 8日に開かれた日本相撲協会の緊急理事会で、露鵬、白露山両力士は解雇、そして北の湖理事長は辞任することを決めた。6月のロサンゼルス巡業で大麻を入手した事実が明らかとなって、さすがに北の湖理事長も観念したようで、大嶽親方も委員から年寄へ降格処分となった。ただ、北の湖は理事としてとどまり、地方巡業を担当する、というのは理解できない。しかも外部からの識者を入れることについては何も決めておらず体質改善については白紙で、また同じようなことを繰り返すのでは、と懸念される。
 
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