鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

一流ブランドのファッションショーの舞台裏

2008-09-21 | Weblog
 20日は東京・新宿の伊勢丹本店で開かれたシャネルの「2008秋冬プレタポルテ コレクション ショー」を見に行った。この春にシャネルの時計を買ったことから招待状が来たようで、欧米の一流ブランドの本格的なファッションショーなるものを見るのは初めてとあって、夫婦ともども胸をわくわくさせながら会場に赴いた。会場は伊勢丹の屋上としてあり、折からの台風13号の影響でどうなることやらと心配したが、午後までには千葉県沖に去ったようで、無事に開かれた。
 開場の午後3時半過ぎに招待状を手に持って会場へ行くと、もう最前列はいっぱいで、2列目に案内された。座って周りを見渡すと、思ったより普通の人が結構多い。テレビや映画などで見ているトップブランドのファッションショーには映画スターや業界関係者が着飾って現われるが、それらしき人はほとんど見かけなかった。考えてみれば、今頃2008秋冬ファッションショーとはいかにも遅すぎる、招待されて言うのも癪であるが、日本の並みのお客を招いたのではなかろうか、と思えてきた。
 それでも開演の午後4時過ぎに場内は暗くなり、大音響のビートの効いたBGMが流れ、正面の袖からシャネルのファッションを纏った外人モデルが登場し、注目のファッションショーは始まった。20mくらいの中央の絨毯の敷かれた舞台を少し後ろにそりながら闊歩していく様はまさに女王さまといった面持ち。3列にひな壇のように座るざっと300足らずの観客席を無視するかのようにロードを進み、先端のテレビの前で1回転し、戻ってきて、真ん中あたりでくるりと回って、満足した顔で出てきたところへ戻っていく。
 日本でのショーだから日本人モデルも登場するのか、と思ったが、いずれも金髪の外人モデルばかりで、シャネルのきらびやかなファッションが身についている。すらりとした長身に格好いい靴下と踵の高い靴がよく似合っている。次から次へと出てくるモデルは皆同じように見えてくる。
 そのうちに拍手が起きたので、何事か、と思って中央を見ると計10人のモデルが並び出し、ショーの終わりがきたことがわかった。ざっと20分足らずで、アッという間に終わってしまった。シャネルだけのショーならそんなものかもしれない。場内に「3階のシャネルブティックに本日の商品がありますので、ご覧下さい」とのアナウンスが流れた。
 帰りに3階のシャネル・ブティックをのぞくと結構人が入っていて、30点ばかり見たなかでいいなと思ったスーツの値段を見ると、上着、スカートあわせて150万円くらいで、とても手が出ないな、と思った。途中で、かみさんが「彼女を連れてくればよかった?」と冗談口で言ったので、「うん、みどりちゃんか、幸ちゃんか……」と指を折りながら言い返したが、仮に彼女でも連れてきていたら、帰りに150万円を支出することになるのかしら、とあらぬ思いにとらわれた。本当のお金持ちはともかく、こうした高額な一流ブランド品が売れる背景にはそうした色仕掛けの仕組みがあるのだろう、とも思った。華やかな舞台の裏にはとんだ愛憎劇が繰り広げられているのかもしれない。
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