鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

限りなく100%に近づけていくのが練習

2008-09-03 | Weblog
 2日は久し振りに「題名のない音楽会」の番組収録公開に出かけた。横浜みなとみらいホールで開かれるということで、余裕をもって出かけたら、30分ほどで着いてしまった。東急みなとみらい線のみなとみらい駅を地上へ上がると、みなとみらいホールの方向指示の案内が出ている。このあたりには10年以上も前から展示会場の横浜パシフィコへ行く時にいつもは2階へ上がってしまうので、こんなところにホールがる、とは思いもしなかった。
 午後5時半からの入場券引き換えを終え、軽い夕食を摂ろうとショッピングモールの方へ行くと、やけに楽器を持った中高生の姿が目につく。どうやら、題名のない音楽会の出場楽団であるシエナ・ウインド・オーケストラとの共演で狩り出されているような感じであった。先月、初めてシエナ・ウインド・オーケストラの演奏気あを聴きに行ったところ、最後に会場の聴衆がそれぞれの楽器を持って舞台に上がり「星状旗よ永遠なれ」を合奏したのを見ているので、同じ佐渡裕で行うのだろう、と思った。
 最初に指揮の佐渡裕が現れ、本日の趣向を述べた後、「題名のない音楽会」の恒例として、佐渡裕が「新しいページをめくりましょう」と言うのに合わせて会場の全員が「めくりましょう」と声を上げ、手を左から右に振り上げるのをお願いした。しばらく来ないうちに変わっていくものだ、と思った。
 「題名のない音楽会」前半は世界最年少、10歳のジャズドラマーの大我君とこれも19歳と若いスペインのトランペット奏者、ルベン・シメオの共演で、ルパン三世のテーマ、ヴェニスの謝肉祭、鉄腕アトムのメドレーから始まった。わずか10歳でオーケストラをバックに堂々とドラムを叩くのを聞いていると、音楽はつくづく才能なのだ、と思い知らされる。すでに米国でライブを行っているし、ジャズのメッカのニューオーリンズにも行ったことがる、という。佐渡裕が「目が素晴らしい」と絶賛していた。大我、シメオ2人の「熊蜂の飛行」も絶品であった。
 前半の最後にバックのオーケストラの関係で「アフリカン・シンフォニー」を演奏した。高校野球の応援歌といsてよく聞く曲で、先々月に横浜球場で行われた北神奈川決勝戦で、東海大相模の4番のスラッガー、大田選手が登場する時に奏でられた曲で、チャンスに3回も敬遠され、結果として負けてしまったことが思い出された。
 後半は「熱血指導!高校生吹奏楽クリニック」と題して、東京都立立川高校吹奏楽楽部による「風紋」が演奏され、次いでそれを聞いていた佐渡裕が演奏の細部にわたって奏で方を指導するというもので、「第19小節の出だし……」とか、「第5小節は歌うように」とか指示しながら演奏を繰り返していく。そのうちにシエナ・ウインド・オーケストラのメンバーが要所に入り、一緒に、もしくはシエナメンバーだけが演奏することで高校生に身体dえもって教え込むやり方を進めていった。聴衆にとって演目の細かい指示は全く理解できないが、オーケストラの練習の仕方が」よくわかった。
 かれこれ10分以上はこうしたことをやっていて、最後に佐渡裕が「質問の時間」と言ったが、女性アナウンサーが「時間のの関係で「とカットし、佐渡裕が「こうして24時までやっていくのが練習なのだが、時間というものがある。最後は時間との勝負だ」と言いながら、再度佐渡裕の指揮で「風紋」を演奏した。最初の吹奏楽部の先生の指揮による演奏より格段によくなった。なによりも素人っぽさが消え、メリハリの効いた演奏となった。音楽の練習というものは決して100%の出来にはならないが、それに限りなく近づけていくことなのだ、と理解できた。音楽に限らず世の中の努力はこうしたものだ、と思った。
 こうしたクリニックは3回目だというが、指導された高校生にとっては一生の思い出となるのは間違いないし、各人の貴重なシーンとなって脳裡に刻み込まれることだろう。
 で、最後はシエナ・ウインド・オーケストラ恒例の「星条旗よ永遠なれ」を会場に来ていた首都圏の中高生が楽器を持って舞台に上がり、聴衆は手拍子で合奏した。会場に入ったら、舞台の周りはいずれも中高生だったので、こうした趣向であることがわかっていた。大いに楽しむことができた演奏会だった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする