鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

米大統領と面会した横田早紀江さん

2006-04-29 | Weblog
 北朝鮮の拉致問題がにわかに国際的な問題として大きく前進する様相となってきた。米国下院の公聴会(国際関係委員会アジア太平洋小委員会・国際人権小委員会共催)で証言を求められ、娘の横田めぐみさんの救出を強く訴えた横田早紀江さんが29日未明、ブッシュ米国大統領と面会し、再度北朝鮮への経済制裁と拉致被害者の救出を訴えた。4年前に北朝鮮から中国の日本総領事館に亡命したハンミちゃん家族と同席しての面会だったが、一民間人が現職の米国大統領と直に会えるのは異例のことで、拉致問題が日本の市民運動から国際的な広がりをもったものになってきた表れともいえる。追い詰められたキム・ジョンイルがどう出てくるのか、予断は許さないが、いままでのように解決済みと放置できなくなったのは確かで、小泉首相も最後の仕事ができたようだ。
 米下院での横田早紀江さんの証言は「もう心身とも疲れ果てているが、子どもたちが助けを求めている間はどんなことがあっても倒れることはできません」と涙ながらに救出を訴えた感動的なものだった。公聴会に出席した誰もが胸を打たれ、こんな非道なことがあってはならないと思い、改めて北朝鮮に対する怒りを顕わにした。
 それに続いてのブッシュ米大統領との面会で、横田早紀江さんは、今年中にめぐみちゃんら拉致被害者の救出できるよう訴えた。ブッシュ大統領は「国家として拉致を許したことは信じられない」として「北朝鮮は国際社会で尊敬を得たいと思うなら人権を尊重することだ」と語った。面会後、「大統領になって以来最も心を動かされた会談だった」と述べた。
 今回の米公聴会での証言がどういう経緯で決まったのか、よくわからないが、米大統領との面会は急遽決まったことだ。イラク問題が袋小路に入って、過去最低の支持率となっているブッシュ大統領がパーフォーマンスをねらって仕組んだのだろうが、横田早紀江さんが差し出した拉致家族の会の象徴である青いリボンをさりげなく胸につけるあたり、相手のポイントをつくのがうまい。そういえば、ブッシュ大統領が面会の模様をテレビカメラを入れたまま行うのは珍しいことだ、という。大統領側近がこのところ、米軍再編経費の負担問題やイラクへの自衛隊派遣などで日米関係が以前ほどスムーズにいってないことから、ここは拉致問題への協力を見せて、点数稼ぎをしてみようか、と計算してもおかしくない。いや、十分にありうることだ。
 それに今回の証言台に立つ横田早紀江さんは日本の拉致問題の象徴的な人である。13歳の最愛の娘さんを拉致され、いまや70歳になってしまった母親である。米国社会では女性はマイノリティとして常に支えられなければならない、と考えられている。これが父親の横田滋さんだったら、恐らくブッシュ大統領の面会とはならなかったことだろう。
 そういえば、今回テレビに映る米国議会の議員はいずれも青いリボンをつけていたのは心憎い演出であった。米国人の心配りは徹底していることをうかがわせた。
 当初、拉致被害者になかなか会おうとしなかった小泉首相、およびその側近とは大違いだ。すでにレイムダックとなっている小泉首相、ここは最後の仕事としてピョンヤンは飛んで、キム・ジョンイルと3回目の対決をして、拉致問題の全面解決を図りますか。そうでもしないと、ブッシュ大統領より支持率は下がりますよ。
コメント
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