鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

物足らない新経済番組「カンブリア宮殿」

2006-04-19 | Weblog
 17日夜に放映されたテレビ東京の新経済番組「カンブリア宮殿」をビデオに収録して、一日遅れで昨日観た。経済新聞社系のテレビ会社なのと、司会の村上龍が方々で自慢というか、PRしていたし、第1回目の相手が世界のトヨタ自動車の張富士夫副会長なので、期待していたのだが、はっきり言って消化不良といった感じだった。テレビである以上どうしてもビジュアルを先に考えるせいか、経済番組としては期待はずれに終わった。
 「カンブリア宮殿」はスタジオの中央に作られた舞台を企業の人事部長クラス150人が取り囲むスタジオで、司会の村上龍とアシスタントの小池栄子が張副会長に質問していく。まず張副会長のプロフィールが10分くらい続くのにややうんざりする。導入としてはちょっと長い。そして、世界に冠たるトヨタのムダを省くかんばん方式や、人づくりに質問が及び、核心に触れる回答が引き出されん、とする。しかし、村上龍の質問はやはり甘くて、肝心の聞きたい話に及ばない。本筋とは関係ないプライベートな話ではさえをみせる程度。作家として村上龍は比較的、政治経済に関心を持ち、いまや社会派として通っているが、こういう企業トップと対等に渡りあえるほどのものを持ち合わせていない。はっきり言って切り込み不足で、物足りなかった。視聴者はトヨタ経営の真髄みたいなものを直接聞きたかったのに消化不良を起こしたことと思う。
 それに経済番組の第1回目のゲストとしてトヨタ自動車をもってきたのはいいとして、なぜ奥田碩会長(経団連会長)か、渡辺捷昭社長でなく張副会長だったのがわからない。テレビということで軽く見られたのか、民放五番手の限界だったのか、わからないが、疑問に残る。トヨタ自動車は世界26万人、今年の新入社員1909人といまや巨大企業と改めて知って驚いたが、やはり現役トップの話を聞きたいのが心情だろう。そんな巨大企業なので他企業では盲腸みたいな副会長も必要だし、以前は社長を務めていたので、それなりの話は聞けるだろうが、第一線で次々と意思決定を迫られる緊張感のある話を聞きたかった。村上龍の司会ぶりに緊張感が伝わってこなかったのもそのせいかもしれない。
 番組の半ばで視聴者と会場から質問を受け付ける「ミクロの決死件」というのをやっていたが。これも大して面白くなかった。人事部長でなく、今回にのテーマは工場の生産関係の部長クラスのがよかったのではないだろうか。
 インターネットでカンブリアを引いたら、6億年前の多細胞生物と出ていた。で、番組中に小泉の顔をしたムカデのような生物が小沢民主党党首の顔をした生物に「顔を変えてきたな」とキャプションで言わせていた。番組構成上、なんの関係もない漫画が出てきて気になった。漫画で、遊んでいる場合ではないのに。
 あと、村上龍のネクタイが緩んでいるのも気になった。作家のラフなイメージを出したかったのだろうが、内容が締まっていれば効果はあったのだろうが、逆効果であった。
 第2回は東京・大田区のその世界では有名な工場経営者が登場するようだが、こんな感じではもう観る気がしない。残念ではある。
コメント
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