鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

お粗末な朝毎戦争の将棋名人戦

2006-04-15 | Weblog
 日本将棋連盟の名人戦の主催をめぐって朝日新聞と毎日新聞が醜い争いを展開している。折りしも第64期名人戦が始まったばかりで、名誉ある戦いに水を差した格好となっている。話の発端はどうも日本将棋連盟の苦しい台所にありそうだが、お互い頭を冷やして、もっと将棋を普及するためにどうしたらいいか、を考えることからスタートさせた方がよさそうだ。
 将棋の名人戦は1935年に毎日新聞の前身、東京日日新聞がそれまでの終身制の名人位を今のような実力制とする提案をし、誕生した。その後49年から76年まで主催が朝日新聞に移り、77年から再び毎日新聞に主催が変わった因縁を持っている。今回はいまの契約金3億3400万円を朝日新聞が3億5500万円に上げ、さらに臨時棋戦4000万円、普及協力金1億5000万円を上乗せする5年契約で提示してきたのに日本将棋連盟が乗ったのが真相のようだ。いまのところ、毎日新聞に打診している様子で、正式決定は来月下旬の総会で決定される見通しだが、大勢は朝日新聞に移管されるのはほぼ間違いなさそうだ。
 将棋そのものがどのくらいの人口があるものなのか、は詳細にはわからないが、いま、将棋の名人戦がどこが主催していようが、いまいが気にしている人はそんなにいない。それこそ、一部の事大主義な新聞社の経営者くらいなものだろう。名人選の棋譜が載っているから新聞をとっている人なんて一握りしかいない。本当に好きなら専門の雑誌なりで見ればいいし、早く見たければそれこそインターネットのホームページで見れるようにすればいいだけのことだ。今頃、名人戦の主催で億ものお金を使うのは時代錯誤も甚だしい。朝日新聞も毎日新聞も経営者の感覚がずれている。
 名人戦の報道は日本将棋連盟の発表に沿って行えばすむことだし、なにも主催しているからといって特別な情報を独占できるわけでもない。将棋の名人戦を主催しているから毎日なり、朝日新聞をとっている人なんて、たかがしれているだろう。
 戦前の娯楽がほとんどない時代には将棋は庶民の一大娯楽だったかもしれないが、いまは他にいっぱい楽しいものがある。
 毎日新聞、朝日新聞さん、億以上のお金を使うのなら、もっと社会の役に立つような事業がいっぱいあるでしょう。社内で新規事業のアイデアを募集して、それと名人戦の主催とを比較検討したうえで、名人戦の主催を決めたらいかがですか。
 日本将棋連盟の台所がどんな状況になっているのか伺いしれませんが、将棋そのものがどれくらいみなさんに親しまれているのか、ゼロから見つめ直したらいかがでしょうか。将棋人口が減っているとしたら、なぜなのか、増やすためには何をしたらいいのか、考えて見てください。企業は日夜、いい商品を開発し、いかに宣伝するか、で頭を悩ませています。
 名人戦は何も新聞社だけが主催しなければいけないものではないでしょう。それこそ、プロ野球にならって、企業の冠をつけた「○○名人戦」にしてもいいではないですか。
 昨日、プロ棋士になった瀬川昌司四段がプロ棋士として初めてNECと所属契約を結んだ、と発表した。瀬川氏はもともとプロ棋士となる前にNEC系列の企業にいたこともあって契約を結ぶに至ったようだが、こうした柔軟な発想が日本将棋連盟の運営にも求められている。
 三者三様に改革が必要なようだ。 
コメント (2)
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