鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

やまないNHK視聴料不払い運動

2006-04-17 | Weblog
 またぞろNHK職員の不正経費着服問題が露見した。このところ経営改革に取り組み、その成果が出始めたか、ともっている矢先に起きた不祥事で、沈静化しかかった視聴料不払い運動に再び火がつきそうだ。視聴料の徴収に300億円もの経費をかけていることや、日曜夜の大河ドラマの制作に1回あたり6000万円もの経費をかけていることなど経費の使い方に批判がでている一方で、視聴料不払い者に対して罰則を設けるなどの案も出て、NHKの経営のあり方をめぐる論議はますます活発化している。
 NHK職員の今度の不正は報道局スポーツセンターのチーフプロデューサーが01年1月から今年4月までの約5年間に計242回のカラ出張を申請し、総額1762万円を着服していた、というもの。当のプロデューサーは即刻懲戒免職となったが、前回は芸能関係のプロデューサーが同じような経費の水増し請求を行っていた。橋本元一NHK会長は「全力で改革に取り組んでいる矢先に、信頼を再び損なう行為が明らかになったことは痛恨の極みで、心からお詫び申し上げます」とお決まりの談話を発表したが、前回の不祥事から内部でどういう監視体制がとられてきたのか、そして、にも拘わらずなぜ再発したのかが究明されない限り、不祥事が再々発することは明らかだ。
 NHKはマスコミの一角を担っているが、他のマスコミに比べ職員の給与水準がそれほど高くはない。これまでの経営陣がそうした点に配慮せずに経営を推し進めてきた結果だから、いまの経営陣だけを責めることはできない。給与水準が低い一方で、制作経費は恐ろしく高い。バブルがはじけて株価、地価など物みな下落するなかで、テレビ、映画など映像の世界だけはなぜかバブルがはじけず高い水準を維持し続けた。映像に関わるテレビ、芸能、スポーツの世界だけはそれこそ世間の景気低迷とは無縁に派手なことがまかり通っていた。給与水準の低いNHK職員が周りが派手にやっているのを黙って指を加えて見ておれなくなる心情は理解できる。心の弱い、もしくは影響され易い輩がついつい不正なお金に手をつけてしまう、構図である。
 NHK職員約2万人いる、とされているが、有名人やいわゆる名家の子弟子女がわんさかといることは知る人ぞ知る事実である。NHKの安い給与に依存しなくても暮らしていける職員が多いのである。給与は低いが、別のポケットマネーでお付き合いができる、というわけだった。ところが、バブルがはじけて、名家の台所にも影響が出始めたようで、低いながら給与でやっていかなければならない職員が増えてきた、こともまた事実。 相次ぐ不祥事の背景にはこうした事情が隠されている。
 だからといって不祥事の頻発が許されていいことではない。乏しい家計のなかからNHKの視聴料を払っている人からすれば、視聴料が不正に流用されているのは決して許されていいことではない。300万世帯といわれるNHK視聴料不払い世帯がさらに広がるのはもはや避けられないだろう。
 ここまできたら、もうNHKも一般企業として経営する、たとえば上場するとか、広告をとるとかを真剣に考えたらいいだろう。それとWOWWOWがやっているようにスクランブル放送、視聴料を払わないと見られない方式をとる、もちろんその場合は視聴料をもっと安くするのだが、そうした思い切ったことをしない、とこの局面は乗り切れないだろう。
 それにはいまの経営陣ではまずだめだろう。カルロス・ゴーン氏のようなミスター改革を外部からでもスカウトしてきて、思い切っりメスを入れないと蘇生できないだろう。
追伸 17日夜になったら、NHKのカラ出張の不祥事は当初、内部の調べで判明した、としていたが、実は外部の週刊誌からの取材で知り、わかったというのだから、呆れる。どこまで腐った鯛なのか、まぐろなのか、そんな目なんか見たくもない。
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