鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

反転攻勢に出る民主党

2006-04-24 | Weblog
 注目の衆院補選千葉7区で民主党候補が僅差で自民・公明党候補を破り、小沢民主党の滑らかな出足を飾ることとなった。偽メール問題で崩壊寸前まで追い詰められていた民主党がなんとか党再生の足がかりをつかみ、来年半ばの参院選を経て、政権奪取へ加速をつけることができることとなった。今回の補選の民主党の勝利は民主党の勝利というより、世界を眺め渡してみると、原油価格の高騰や米中会談、北朝鮮の拉致問題など日本を取り巻く環境は日増しに悪化しているのに、小泉首相は今年秋の退陣しか頭にないようなノー天気ぶりで、それに違和感を覚えた国民が鉄槌を下した、というのが大きいのではなかろうか。奇しくも同日行われた山口県岩国市長選でも米空母艦載機部隊の移転受け入れ反対派の候補が当選した。小泉自民党のおかしさを国民がようやく気づき始めた証拠である。
 千葉7区の補欠選挙は民主党公認の太田和美氏が87046票を獲得し、自民・公明党の推す斎藤健氏(86091票獲得)を955票の僅差で破り、初当選した。26歳と衆院議員としては最年少議員になる、という。自民党公認の斎藤氏は前埼玉県副知事で、221人の公募で選ばれた人で、小泉首相はじめ自民・公明の大物が大挙応援にかけつけていただけに僅差とはいえ、ショック度は大きい。選挙期間中、応援演説に現れた小泉首相は「今回は自民党総裁としては最後の応援演説である」と力説していたのをテレビで見ていて、なんと感傷的なことを言っているのか、と違和感を覚えた。選挙をそんな個人的なノスタルジックなものに矮小化していいのか、と疑問を感じた。一生懸命選挙活動をしている人にはがっかりする気持ちを抱かせるものだろう。あれで、自民党は負けたのだ、と正直思う。
 投票率は49.63%と昨秋の衆院選より15.12ポイント低いが、補選としては高い投票率だった。投票率が低いと組織票に強い公明党が有利のはずが逆の結果となったのは投票率をさrに低めにみていたせいか、いずれにしろ自民・公明の戦術が裏目に出たのは明らかである。
 昨秋の衆院選での圧勝、その後建築偽装、米国産牛肉輸入禁止など4点セットで一時守勢に回った自民党が民主党の自らこけた偽メール問題ですっかり立ち直ったのが、これでようやく元の軌道に戻ることになる。選挙に強い小沢一郎の面目も立った。
 本来、衆院補選など全体の政局からすればへでもないことである。たまたまタイミングが小沢民主党スタートの時期とピッタリ符合したため、小沢民主党の力を試す格好の選挙となっただけのことである。
 政権を担当している自民・公明党がやるべきことをきちんとあyっていれば、負けることはなかった選挙である。北朝鮮の拉致問題でも昨日あたり、米国民がワシントンで抗議デモを行っていることが報じられた。全然関係のない米国民でも義憤を感じているのだ。なのに当事者の自民党は前から求められている対北朝鮮への経済制裁にすらいまだ踏み切っていない。横田めぐみさんが生きているのか、いないのか、どうしてわからないままののか。口では「北朝鮮は怪しからん」とは言うものの行動では何も起こさないのは、拉致被害者にとって本当に同情していることにはならない。
 岩国市長選だけでなく、23日に選挙のあった沖縄市長選、東広島市長選でも自民党の公認候補が負けた。東広島市長選には自民党政調会長の中川秀直氏の次男が立候補して破れたというから、潮目は変わってきた。
 小沢民主党首の快進撃が続くことを期待したい。
コメント
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