鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

なぜいまインタビュー記事が

2006-04-26 | Weblog
 日本経済新聞の昨25日の朝刊社会面の中央に大きく耐震偽装で渦中の内河健総合経営研究所所長のインタビュー記事が掲載された。2段の写真付きで「偽装の認識なかった」との談話も大見出しになっており、読者に異様な違和感を与えるのに十分な記事であった。いま、この時期にどうしてこんな記事が掲載されるのか、日本経済新聞の見識を疑わざるを得ない。
 内河所長のインタビュー記事は全7段で、工事代金の支払いなどをめぐり詐欺の疑いが浮上している「サンホテル奈良」について「引渡し時に偽装があることは知らなかった」と答えている。テレビの国会喚問で散々、うそで塗り固めた弁明を聞いているので、またか、といった感じで、インタビューそのものの内容に新味はまるでない。しかもさもインタビューに応じてくれたことがニュースであるような書き方は全く日本経済新聞のセンスがなっていないことを証明している。
 いま耐震偽装問題がどういう段階にきているのか、小嶋進ヒューザー社長、姉歯秀次姉歯建築設計事務所所長、木村盛好木村建設社長、藤田東吾イーホームズ社長ら関係者が一様に別件逮捕で逮捕され、事件の解明にメスが入れられようとしている。イーホームズなどは26日の新聞によると、顧客の信用を失ったので、来月にも廃業することにした、という。そうした連中以上の最大のワルとも言えるのが内河所長なのに、その黒幕に無実である、と言わせ、それをこのタイミングで大々的に報道する、というのはまず考えられないことだ。
 よほど政界か、経済界の大物から依頼があったから掲載に至ったのか、それとも日本経済新聞独自の判断からしたのか、わからないが、いずれにしろ日本経済新聞の大きな汚点になるのは間違いない。
 日本経済新聞はもともと経済専門紙でスタートしているが、いつからか経済を中心とする総合報道機関を標榜しだし、いまでは全国的に販売する全国紙でもある。経済関係では数々の特ダネをものにしているのは承知のことで、警察ネタや街ネタ、世相ネタの社会面はそんなに注目も期待もされてはいないかもしれないが、全国総合紙である以上、社会面の記事も充実していかなくてはならないのは自明の理でもある。それだけにこんなセンスを疑う記事が堂々と掲載されることは非常に残念なことではある。
 一体、この記事が掲載されて喜ぶ人が内河所長以外にいるのだろうか。そんな記事を掲載することは二度としてほしくない。
コメント
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