鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

恐るべし胡錦涛主席

2006-04-20 | Weblog
 19日、中国の胡錦涛国家主席がが米国ワシントン州シアトルに到着し、マイクロソフト社を訪問した。就任後初めての公式訪米で、主目的はブッシュ大統領との会談にあるが、その第一歩をいまやIT業界のリーダーであるマイクロソフトに記すところがいかにもふところの深い胡錦涛主席らしい。中国の近代化にとってITがいかに大事であるかを見事にパーフォーマンスするあたり、凄さを感じさせる。靖国問題で全くの外交オンチになり、もはやレイムダックとなっている小泉首相に爪のあかでも煎じて飲ませてやりたいくらいの思いだ。
 胡錦涛主席はいわずとしれた13億人の人口を要する中国の国家主席で、その座にある人が初めての公式訪米の最初に民間企業を訪れるような柔軟な発想をするのがまず信じられない。マイクロソフトのビル・ゲイツ会長が何度も中国を訪れ、お互い旧知の仲とはいえ、会社を視察すれば、当然ビル・ゲイツ会長とも会って話をする。単なる表敬訪問以上の話が交わされるにしても、そうした行為をさらりとやってしまうのがまた凄い。日本だったら、まず外務省なり、米国大使館あたりがそんな意向があっても慣例kら認められない、とかなんとか言って後回しにしてしまい、何事も外務省のお膳立てでしか進められない日本の政治家にはできない。
 中国は官僚国家で、形式主義がまかり通っている、というのが大方の持っているイメージであるが、今回のマイクロソフト訪問はこのイメージを破るのに十分なものである。鈍想愚感子は一度中国に行ったことがあり、その時にアテンドしてくれた中国人にひどい目に遭ったので、すっかり中国嫌いになってしまったが、今回の胡錦涛主席のマイクロソフト訪問はそれを根底から改めなければならない、と思わせた。本当に頭をゴツーンと叩かれたような感じがした。
 パソコンソフトのWINDOWSの著作権で中国とマイクロソフトの間で大変な問題、といっても著作権料のことだろう、と想像がつくが、が生じているので、国家主席としてもほおっておけない、と思ったということかもしれない。それにしても国家主席が自ら判断して動く、ということでも凄いことだ、と思う。WINNDOWSが中国の近代化にとって大事なものであるし、マイクロソフトとの話し合いが必要だ、との判断がなされたのだろう。
 胡錦涛主席の頭の中には米国内で小泉首相以上に政権末期症状の出ているブッシュ大統領は二の次で十分だ、との読みもあったに違いない。もともと政治では日本よりはるかに大人の振る舞いをして一日どころか、百日の長のある中国であるが、経済面でも日本を追い越していこう、という意思がはっきりとうかがえる。こんな柔軟な発想をするトップをいだく中国が経済面でも日本を凌駕するのはそんなに遠い日のことではないかもしれない、と思えてくる。すでに保有外貨準備高では日本を追い抜き、中国が世界一の座についている。
 翻って、小泉首相はというと、世界がどんどん進化していくなかで、専ら国内の
後継者問題の選択に明け暮れている。本当に困ったものだ。こんなことではますます、世界の孤児になってしまう。 
コメント
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