鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

トリノオリンピックを終えて

2006-02-28 | Weblog
 昨27日夜、NHKテレビで「トリノオリンピック総集編」を放映していた。ここでもスターはやはり荒川静香選手。最高の舞台で最高の演技が出来るのは持って生まれた運もさることながら強い精神力の賜物なのだろう。地元トリノからダイヤモンド600個をあしらったティアラを送られた。時価700万円というから、金メタルの報奨金300万円より多い。ひと事ながら税金は課けられるのか、気になる。そういえば、ビデオリサーチによると、荒川選手が滑走した24日午前6時台の平均視聴率(関東地区)は31.8%で、瞬間最高値は金メタルが確定した午前7時11分の43.1%だった、という。トリノ五輪ではもちろん、過去の冬季五輪の競技中継としては最高という。夏の五輪では1964年の東京五輪の女子バレーの66.8%というのには及ばないが、早朝という時間帯を考えるとそれに匹敵する記録、といってもいいだろう。今日の夕方、成田に帰国するが、その時からしばらくは荒川静香フィーバーが続くことだろう。あの笑顔がテレビ、新聞に氾濫するし、マスコミに追いかけられることだろう。素直で正直な荒川静香がマスコミにつぶされないことを祈りたい。
 女子モーグル・フリースタイルエアーで上村愛子選手が5位入賞したのを見ていて、競技場の斜面の角度が緩やかで、滑降タイムが優勝タイムより約2秒ほど遅かった、といっていたが、スキーの基本は早く滑ることではなかろうか。いくら飛び跳ねることが上手くても基本の滑降で劣るのでは話にならない。コースの傾斜なんて始めからわかっていない、とおかしい。上村愛子選手は「どうしたらメタルを取れるのかわからない」などと言っているのがわからない。それと、総集編で上村選手だけをクローズアップしていて、里谷多英選手のさの字も出てこなかった。結果は15位と惨敗しているが、長野五輪では金メタル、前回のソルトレーク五輪では銅メタルをとっている実績があるにもかかわらずである。酒を飲んで乱行した事件が尾を引いているのだろうが、そんな選手を派遣した協会に異を唱えたい。金メタリストといえども人間として恥ずべき行為をするのは許せない、ということで、今後里谷多英がまともなマスコミに登場することはないだろう。
 あと総集編を見ていて、思ったのは例えば女子スピードスケートの岡崎朋美選手が500メートル滑走4位で3位とは0.05秒差で惜しかった、男子回転の皆川賢太郎選手が4位でメタルを逃し、3位とはわずか0.13秒差だったというが、その差がどのくらいか計算してみると、言葉でいうほどの僅差ではないことがわかる。500メートル滑っての0.05秒は約70センチメートルある。競走馬は2000メートル走って、鼻、5センチの差なんてよくある。スキー回転の0.03秒は時速200キロとすると、約2メートル、時速100キロとしても約1メートルある。決して僅差ではない。むしろ決定的な差といってもいいだろう。メタルを取ることばかりに目を奪われないで、この決定的な差をどうしたら埋めていくことができるのか、を考えたらいい。コンマ以下の僅差で惜敗なんて美化することだけでは何も生まれないだろう。
 最後に日本体育協会の関係者は今回の金メタル一個の結果をどう考えているのか、猛省を促したい。閉会式前の会見で幹部が反省の弁を語ったようだが、通り一遍の反省の弁では説得力に欠ける。今後の選手育成方針、派遣選手の選び方、派遣方法に踏み込んで語ってもらいたい。結果を伴わない選手は遠征費の半分を自己負担するようなこともあっていいのではなかろうか。ジャンプの原田雅彦選手のような”粗悪品”はぜひ排除してもらいたい。
コメント
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