鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

人間この欲深なるもの

2006-02-16 | Weblog
 景気が少しよくなってきたせいか、このところ詐欺事件が多発している。ホリエモンのライブドアもいってみれば、政財界を巻き込んだ大規模な詐欺事件であるが、つい最近発覚したアース製薬の未公開時の株式販売にからむ詐欺は実際に新規上場されても言われた通り上がらなかったというもので、株式市場がやや上昇気味だったところに目をつけた知能犯的な面もあり、いかにもありそうな話で、気をつけるにこしたことはない。
 「アース製薬」株は昨年11月30日に公開価格2000円で新規上場され、最高4100円までつけたが、最近は3000円前後で推移している。それを名古屋の「ワールドネットインベストメント」など30数社が「必ず上がるから」と最高一株2万5千円で販売していた。詐欺罪が立証されるかどうかは微妙なところだが、いずれの会社も証券取引法で定める社名に証券の文字がないことと、株式がそれら業者に渡った経緯で法律に違反する取引があったのは事実。アース製薬という現実にある有名企業であることと、新規上場で値が上がる、といわれれば素人にはなかなか判断がつかないところがある。
 もうひとつ、昨日は米国の100万ドル紙幣なるものの詐欺事件が発覚した。聞けば、随分前に台湾で100万ドル紙幣が発行されたことがあり、それが安く手に入り、換金すればたっぷり儲かる、という眉唾の話で、沖縄の数人が総額1億5千万円詐欺に遭った、という。米国ではこれまで10万ドル紙幣は印刷されたことはあるが、100万ドル紙幣は発行されたことがない、という。これなんか、ちょっと調べるか、専門家に聞けば、すぐ嘘だ、とばれるのに、と思ってしまう。
 オレオレ詐欺の時も感じたが、どうしてこうも簡単に詐欺にひっかかってしまうのだろう。ちょっと考えるか、ちょっと電話で確かめれば、おかしい、とわかりそうなものなのに相手のいいなりになってしまって、50万円なり、100万円を振り込んでしまう。冷静になって考える間を与えずに追い込んでしまう、詐欺集団の手口といえばそれまでだが、人間の業というか、弱みにつけこんだやり方だ。 
 アース製薬の新規上場株と100万ドル紙幣事件はもうひとつ、人間の欲につけ込んだもので、欲を掻いた方にも一半の責もある。それにこの低金利時代で、日本全体で1400兆円を超える個人資産が眠っている、少し頭のいい詐欺集団にとっては格好の舞台でもあろう。世に盗人の種は尽きまじ、というが、詐欺の種も尽きまじ、ともいえよう。
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