鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

相当なレベルの中国映画

2006-02-20 | Weblog
 真田広之主演の中国映画「PROMISE」を観賞した。数週間前にNHKの朝の番組で真田広之が出演し、この「PROMISE」の素晴らしさを語っていたので、見る気になって映画館に足を運んだ。日曜日の朝一番で予想通リというか、整理券の発行もなくゆったりと観賞することができた。感動作品というより娯楽作品で、こればかりは新聞の批評が当たっていた。評判の中国のチャン・カイコー監督の手になる作品で、どこか海外の映画祭で受賞した、というが、中国にしてはよく出来た作品、とおいう程度ではなかろうか。
 冒頭、少女が戦闘の終わった戦場で、死んだ兵士の手から饅頭をもぎ取るシーンが出てくる。その饅頭をやy年嵩の少年にかすめ取られ、少年が着けていた兜を誉めて、脱いだ兜で殴りかかり、饅頭を取り返すものの、湖に落としてしまう。そこに現れた女神が少女に「永遠の命を得るが、その代わり人を愛することはできない」旨の約束をさせる。で、タイトルの「無極」が画面に映し出されるが、これがなぜ「PROMISE」となるのかよくわからない。
 時はいつかわからないが、3000の兵を率いる将軍、真田広之が2万の敵を迎え討つところから物語は始まる。敵が放った野牛の大群を韓国ナンバーワン俳優のチャン・ドンコン演じる奴隷の若者が逆走させ、敵を壊滅する。その功でチャン・ドンコンは真田広之の家来に引き立てられる。野牛の暴走シーンはCGを駆使して映像を作っているとはいえ、迫力あって見事な出来栄え。あと、どのくらい迫力ある戦闘シーンが展開されるのか、と期待したが、見所としてはここだけで、結局このシーンだけに終わった。
 映画の物語は冒頭の少女が傾国の美女として登場し、ヒロインをめぐって男性俳優4人が死闘を繰り広げ、最後はヒロインとチャン・ドンコンが生き残る。ラストの切り合いの果てに冒頭の少年少女が再会を果たすのは荒っぽく、やや荒唐無稽なつくりでもある。映画の最後は死ぬことと決まっているようだ。
 映画は2時間楽しむためのもの、と割り切れば、この「PROMISE」もそれだけの価値はある。映画に人生なり、希望を見出したい人にとっては失望ものだろう。娯楽作品として眺めれば、中国の映画作りの水準もかなりのものになってきていることを再認識させられた。それと、真田広之の演技もさることながら、中国語も立派なものだ。単なる活劇スターではなく、国際的な演技派に成長している、と評価されていいだろう。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする