吉村青春ブログ『津屋崎センゲン』

“A Quaint Town(古風な趣のある町)・ Tsuyazaki-sengen”の良かとこ情報を発信します。

2006年08月29日/〈日記〉010・第2回「津屋崎千軒考え隊」に出席

2006-08-29 23:18:54 | 日記
●写真:町興しイベント「つやざき千軒よっちゃん祭」が催された津屋崎千軒通り=福津市津屋崎で、06年4月23日午後0時20分撮影

 津屋崎千軒通りの浮揚策を図る第2回「津屋崎千軒考え隊」会議が、29日午後7時から福津市津屋崎の市文化会館で開かれました。隊員として出席しましたが、活発な意見が相次ぎ、閉会したのは午後9時15分でした。

 会議では、特定非営利活動法人(NPO)地域交流センターの山口覚・主任研究員が、九州の歴史的な町並みを活かした地域活性化の事例をスライドで紹介。①江戸時代に千石船で木材を大阪へ搬出して栄えた「宮崎県日向市の美々津(みみつ)千軒」②城下町と昭和初期のレトロの町が残る「大分県臼杵市」③長崎街道筋の宿場町の建物が並ぶ「佐賀県鹿島市の肥前浜」――の活性化3事例に共通するキーワードは、風景や祭り、食べ物、酒、地元に残る逸話など「あるものを活かす」と、観光、地域づくりの拠点の「たまり場をつくる」の二つだ、とまとめました。

 このあと、出席した隊員の市民男女約20人が、津屋崎千軒で「守りたいもの・好きなもの」や「問題点・改善したい点」、「まちづくりとして取り組みたい事」を紙に記入して、発表。「問題点」では、「津屋崎千軒通りに食事の施設がない」「交通の案内情報がなく、町並みが観光客を受け入れないように見える」など、辛口の指摘もあり、相槌を打ちました。

 第3回「津屋崎千軒考え隊」は10月28日(土曜)午前10時に市津屋崎庁舎「301会議室」に集合、町並みの良さを再発見しようと午後4時までの予定で千軒通りをたっぷり歩きます。あなたも、参加しませんか。申し込みは、福津市企画政策課(℡0940・43・8115)へ。
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2006年8月29日〈エッセー〉002:幸せを運ぶ鳥

2006-08-29 15:30:38 | エッセー
●写真はカササギ:福津市津屋崎的岡(まとおか)の畑で、05年5月27日撮影=吉村青春第一詩集『鵲声―津屋崎センゲン』口絵3ページにも掲載

・連載エッセー『一木一草』
第2回:2006.08.29
 幸せを運ぶ鳥

 秋篠宮妃紀子さまのご出産が、近づいたようです。ご懐妊が報道された折、赤ちゃんの入ったかごの柄を嘴にくわえて飛ぶコウノトリ(コウノトリ科)のイラストが新聞に載りました。ヨーロッパでは、コウノトリ(嘴の黒いニホンコウノトリの近縁種・シュバシコウ=朱嘴コウ=という嘴の赤いヨーロッパ産コウノトリことで、ドイツの国鳥)は、生まれる赤ちゃんを泉や池から連れて来る〝幸せを運ぶ鳥〟とされていますが、ドイツにはコウノトリが嘴にくわえて運ぶ赤ちゃんは悪い子との伝承があり、背中に良い子を乗せて飛ぶイラストにすべきだと指摘する声も聞かれます。

『完訳アンデルセン童話集 1』(岩波文庫、大畑末吉訳)に収録された童話「コウノトリ」には、まだ飛べないコウノトリの雛4羽が子どもたちに「突き殺される」などとからかわれる話が載っています。4羽は飛べるようになると、悪口の歌を真っ先に歌い出していた一番悪い子には死んだ小さな弟を、「動物をからかうのはよくないことだ」と言った良い男の子のペーターには小さい妹と弟をという具合に、子どもたちの家に赤ちゃんを届けて仕返しをしました。それで、コウノトリはみんなペーターという名前になり、今でも、そう呼ばれているのですよ――というのです。

 それはさておき、私には〝幸せを運ぶ鳥〟はカササギ(鵲、カラス科)=写真=のように思えます。体長44㌢とハトより大きく、九州北部の平野に生息する野鳥です。佐賀、福岡両県ではカチガラスとも呼ばれ、高木や電柱に営巣し、カチカチ、カチカチとよく通る声で鳴きます。実は、福岡県柳川市が全国公募した『平成15年度白秋祭献詩』で三席に入賞した私の詩篇名が「カチガラス」でした。同年(2003年)8月18日、妻と北原白秋の故郷・水郷柳川を訪ね、どんこ舟に乗って川下り観光をした際、頭上を飛ぶカササギの鳴き声を聞き、カササギを案内役に川下りを楽しむ様子を童謡詩風に詠った作品です。この入賞がなかったら、私の吉村青春第一詩集『鵲声―津屋崎センゲン』出版もなかったでしょう。白秋祭献詩の入賞者表彰式が同年11月2日、同市矢留本町の白秋詩碑苑で催された際も、樹木の梢から「カチカチ…」と鳴き声がしきりに響き、私を祝福してくれているようで胸が熱くなりました。

 学習研究社の『漢和大字典』では、鵲は「めでたい知らせを告げる鳥とされる」とし、その鳴き声「鵲声(じゃくせい)」は鵲語、鵲報ともいい、「よい事がおこる前兆とされる」としています。私にとっても入賞という幸運をもたらした「鵲声」を、感謝の気持ちも込めて記念すべき第一詩集のタイトルとしました。また、小学館の『故事・俗信 ことわざ大辞典』によると、「鵲巣(じやくそう)風の起こる所を知る」(『淮南子』)とは、カササギが、その年の風の具合を考えて巣を作ることから、未来を予知する能力のたとえ、だそうです。鳴き声が吉兆の前触れに加え、未来の予知能力も兼ね備えている鳥ということになります。さらに、妻の母校・佐賀県立佐賀西高校(佐賀市)の校章には、奇しくも3羽のカチガラスがあしらってあるというではないですか。かくて、私には、とりわけ親しみを感じるカササギが〝幸せを運び、祝福する鳥〟に思えてなりません。
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