とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

「ボックス!」百田尚樹/著

2013-08-20 22:58:41 | 読書
ボックス!
クリエーター情報なし
太田出版


このところ百田尚樹の小説を読み始めている。有名どころは、まだ読んでいないが今回で3冊目となった。1冊目が「プリズム」で解離性同一障害を患う男と人妻が恋愛する話でちょっと異色のストーリーだった。女性の視点で書かれていたが、百田尚樹氏は女性目線の小説は苦手なのか、表現がぎこちない感じで今一つの内容だった。2冊目は「影法師」だ。これは時代物で、下級武士だった勘一と幼なじみの彦四郎との友情の物語であると同時に、究極のラブストーリーでもあった。彦四郎の自分の全人生を犠牲にしてまで勘一を出世させる行動には、深いわけがあったのだ。ずいぶん長いお話だったが、読みごとにぐいぐいひきこまれ、あっという間に読み終わってしまった。この作家は、男同士の友情とか闘志といったものを書かせたら抜群にうまいのではないだろうか。「影法師」は素晴らしい内容で、読み終わっても感動の余韻が残っていた。

さて、3冊目は高校のアマチュアボクシングが舞台の「ボックス!」だ。ボクシングにかけては天才の鏑矢義平と文武両道を目指す努力型の木樽優紀という仲の良い同級生二人を軸に展開する青春ストーリーだ。これも、どちらかといえばタイプの違った二人の高校生がボクシングを通して夢に向かっていく姿を軸にしたストーリーであり、高校生の熱い友情が気持ちいい。

当初、ストーリーが高校生のボクシングを題材にした小説ということで、何かマニアックすぎてあまり面白くないのではという心配もあったが、数ページ読んだだけでどんどん小説の中の世界にのめり込んでいった。物語は、優紀と、高校のボクシング部顧問の耀子の視点で展開する。ボクシングには初心者の耀子が、監督に質問するかたちでボクシングの解説を細かく書かれている部分が結構あり、ボクシングのことをよく知らない一般読者に対しては大分参考になった。600ページ近い小説だが、かなりの割合でボクシングに関するうんちくや対戦シーンで占められている。あまり馴染みがない世界の話だが、読みやすくスラスラ読めてしまう。ただ、読みやすいとはいっても薄っぺらな内容ではなくそれぞれ深みがある内容でもある。昨日は、1/3ほど残していたが、寝る前に読みだして止まらず結局最後まで読み終わってしまった。

後半は、鏑矢や優紀のボクシングの試合のシーンが多くなってくるが、試合の様子が実にリアルに表現されている。文字だけを読んでいるのにまるで目の前で試合が行われているような感覚になってしまうから不思議だ。殴り合いの連発で残酷なシーンとなりがちであるが、そんなことよりも人間の闘争本能のようなものも感じ、とにかく最後まで読まなければ終われないという気持ちにさせられてしまう。ここまで読者を引き込ませる描写は素晴らしい。しかも、二人だけでなく、それを取り巻くチームメイトや女性マネージャー丸野の存在も清々しい。また、年上の女性として顧問の耀子にあこがれる優紀の気持ちも判らなくもない。ボクシングを通しての単なる青春小説といった位置づけになるかもしれないが、ボクシングを通して人間的に強く大きくなっていくという人間の成長物語であるといってもいい。大人でも女性でも、大いに楽しめ爽やかな読後感に浸れる小説として勧めだ。

因みに、ボクシングに関してはいろんなうんちくが語られるが、ボクシングはすごく科学的なスポーツであるということで、英語で「science」という言葉に「ボクシングの攻防の技術」という意味があるというのは面白い。また、題名となった「ボックス!」という言葉だが、ボクシングのリング上で対戦する選手にレフェリーが試合開始を告げる言葉だという(ファイト!と同じ意味)。アマチュアではボックス!、プロではファイト!が通例とされている。ボックスの語源は「ボクシングをしろ!」という意味合いの英語が、短縮されたと云うことらしい。

夏休みが終わり今日から仕事

2013-08-19 23:14:58 | 呟き
利尻礼文の旅も終わり、土日は神奈川の息子夫婦のところに行っていた。孫にも会ったが、久しぶりに会ったせいか、すぐに懐いてくれずがっかりだった。それでも別れ際に、ニコッと笑って手を振ってくれたのが救いだった。

そして今日から仕事に復帰する。長い夏休みだったので、仕事始めはボケっとしそうだったが、なんとかいつものペースに戻れたようだ。しかし、本州に戻ってみると暑さはやっぱり厳しい。当分この暑さが続くと思うと秋が恋しくなる。読みかけの本も、涼しい部屋でじっくり読みたいのだが、エアコンがないから涼しい風が入らないと読む気にもならない。水不足で、給水制限の地域も出ているそうだ。雨がここのところまったくない地域ではやっぱりまとまった雨が欲しいものである。

利尻山・礼文岳登山ツアー 6日目(宗谷岬編)

2013-08-18 19:10:34 | 観光
いよいよ最終日となった。この日は、帰るだけだ。朝一番のフェリーが7時半なので、早起きして6時の朝食を済ませ、香深のフェリーターミナルまで送ってもらう。香深から約2時間ほどの乗船で稚内港に戻ってきた。このまま稚内空港まで行っても飛行機の時間が13時半なので時間がありすぎる。空港に行って時間をつぶすしかないかなとも思ったが、港のポスターに宗谷岬経由で稚内空港まで送るバスがあることを知った。しかも、宗谷岬で30分ほど観光させてくれるというのだ。まさしくフェリー到着と羽田行きの飛行機のフライト時間に合わせた特別な送迎バスだったので渡りに船だった。

バスはまず、宗谷丘陵で写真撮影のために少し停車してくれた。宗谷丘陵とは、宗谷岬の裏手にあるなだらかな丘陵地帯である。氷河時代に形成された周氷河地形は北海道遺産として認定されていて、この丘陵には57基という大量の風力発電施設もあった。全く北海道は、途方もなく広いという感じだ。




バスは環境にやさしいハイブリッドバスだ。乗客は、我々を入れて5人ほどで貸し切り状態である。


バスからは、日露戦争時の戦争遺産である要塞跡も見える。


ほどなく宗谷岬公園に到着する。バスはすぐ下の宗谷岬の駐車場で待っていてくれるとのことで、30分で周辺を観光する。

これは、『子育て平和の鐘』。家庭の平和や地域の平和、世界の平和を願って平和都市宣言をしている稚内市民の総意で行われた募金で制作されたものだ。


この高さ約20mのノッポな塔は「祈りの塔」である。1983(昭和58)年9月1日にサハリン沖で起きた大惨事・大韓航空機撃墜事件の慰霊碑で、1985(昭和60)年9月1日に建立されたという。大韓航空機撃墜事件についておさらいすると、大韓航空のボーイング747が、ソビエト連邦の領空を侵犯したために、ソ連の戦闘機により撃墜された事件である。乗員乗客合わせて269人全員が死亡し、日本人も28名含まれていた。本当に痛ましい事件だった。


公園の片隅に「間宮堂」というラーメン屋がある。日本最北端のラーメン屋として人気があるようだ。


これは「平和の碑」。四角錐の上に赤いボールが乗っかっている。この碑は、太平洋戦争中の1943(昭和18)年10月、宗谷岬沖で日本海軍に撃沈されたアメリカ海軍潜水艦「ワフー号」の乗組員80名と、ワフー号によって日本海で沈められた日本商船5隻の犠牲者690名を慰霊するため、1995(平成7)年9月に日米合同で建立した碑である。


これは、「大岬旧海軍望楼跡」。旧帝国海軍が1902年(明治35)に国境の防備として建造した要塞で、稚内市内で現存する唯一の明治時代の建築物となっている。稚内市は、貴重な建築物として1968年(昭和43)に稚内市の有形文化財に指定している。大岬旧海軍望楼は、当時最強のバルチック艦隊の動きを早期に察知する必要性から、海上監視の任務が課せられていたという。


宗谷岬公園の下に「日本最北端の碑」が見える。


公園から下りていくと、まず間宮林蔵の像が立っている。間宮林蔵は、19世紀のはじめ、北海道から樺太、千島列島で20年以上も生活し、樺太探検で間宮海峡を発見し、今でも世界地図にその名前が残っている人物だ。


日本最北端の碑前には、記念写真を撮ろうという人で行列となっていた。


さっそく「日本最北端の碑」前で記念撮影だ。北緯45度31分22秒、東経141度56分11秒のまさに日本最北端の地に立ったのだ。この碑の先43キロには、ロシアのサハリンがあるというから最果てに来たという感慨で一杯になる。


宗谷岬とサハリンの位置関係はこうなる。


最北端の碑近くにある「宗谷岬流氷館」。おみやげ屋さんの中にあり、大きな冷凍庫の部屋の中はマイナス13度になっていて、宗谷岬に流れ着いた流氷が部屋いっぱいに置いてある。時間がなかったので中には入らなかったが、入り口前に行っただけでものすごく寒かった。入場料無料なので、すごく暑い日に入るといいかもしれない。


発車時間が来たのでバスに乗車する。岬の出口付近には、 「間宮林蔵 渡樺出港の地」と書かれた石碑がある。ここから、間宮林蔵が樺太に向けて出発したのだ。


一通り観光も終わり、あとは稚内空港に向かう。手荷物検査、保安検査を受けるとフライト時間となり、ちょうどいいバスの運行ルートであった。その後は、無事羽田に着いて、新幹線を乗り継ぎ我が家に帰宅する。6日間は長いようで、あっという間に過ぎ去ってしまった。楽しいことはすぐに終わってしまう。本州は、毎日猛暑日が続いていたといい、これから猛暑の自宅で過ごすと思うと戦々恐々である。


利尻山・礼文岳登山ツアー 5日目(北のカナリアパーク編)

2013-08-17 00:03:08 | 観光
礼文島に来たら、是非寄ってみたかったのが「北のカナリアパーク」だ。東映創立60周年記念作品として、湊かなえ原作の短編集『往復書簡』に所収された「二十年後の宿題」を原案とした映画「北のカナリアたち」のメインロケ地だ。まだ7月末にオープンしたばかりで、出来立ての記念公園になっている。バスで急坂を上がると広々とした丘陵地帯となり、映画でおなじみの「麗端小学校岬分校」が見えた時は、感動ものだ。この小学校は、映画のために作られたセットで、撮影終了後もしっかり残されている。しかし、相変わらず利尻島は雲の中で全く見えないのだけが残念だ。


晴れていれば、こんな風に見える。


入口には、吉永小百合題字の「北のカナリアパーク」の石碑がある。


麗端小学校岬分校の入り口。


中に入ると、キャストたちのサイン入りの大きな色紙が飾られている。これだけでも相当価値のあるものだ。


吉永小百合さんと記念撮影だ。うーん、ちょっと恥ずかしい。


廊下も、如何にも小学校らしい掲示物や小道具が飾られ本物の小学校に見える。


教室に入ると、吉永小百合さんが登場して、挨拶をしてくれる。映像とはいえ、心憎い演出だ。この教室で映画のクライマックスシーンが撮影されたのである。


こうやってロケ地を巡ってみると、再び映画の名シーンがよみがえってくる。もう一度映画を見たくなった。

利尻山・礼文岳登山ツアー 6日目(宗谷岬編)に続く。

利尻山・礼文岳登山ツアー 5日目(礼文島トレッキング編)

2013-08-16 10:04:52 | 山登り
朝食を済ませ、8時過ぎに民宿を出発する。この日は、桃岩展望台コースと礼文林道の一部を歩くことにした。


知床のバス停を左に入ると、桃岩展望台コースの入り口となる。


すぐに「北のカナリアパーク」の入り口を示す看板があったが、帰りに寄ることにして真っ直ぐ進む。


桃岩展望台コースに咲く花が大きく看板に描かれていた。もっとも、8月になったのでこの全ての花を見ることはできない。


さていよいよトレッキングコースに入る。雲は厚く、今にも雨が降りそうな天気だ。水滴がついた下草でズボンが濡れてしまうので最初からカッパを着て歩く。


標高はほとんどないのに、もうすでに辺り一面高山植物のお花畑が続く。




霧の中、うっすらと海も見える。


桃岩展望台コースなのだが、肝心の桃岩や猫岩、元地灯台など霧に阻まれ全く見えない。雨になっていないだけでもありがたい。桃岩展望台の入り口には、外来植物侵入防止用のマットが設置されていて利尻山同様、マットの上で靴の泥を払うようになっている。




利尻林道からは、段々畑のような景色が見える。昔、大規模な山火事が起きて、そのあとを修復するために植林した場所だという。


なだらかな斜面のお花畑を幾度も乗り越え、進んでいく。晴れていれば、鼻歌でも出てきそうな快適なトレッキングコースだ。




スキー場の斜面を下りていくと、香深港が見えてきた。


スキー場の入り口には、クルマユリが驚くほど群生していた。


途中で見かけた花を紹介しておこう。

ツリガネニンジン。今回は最も多く見かけた花だ。どこに行ってもこの花が咲いていた。


トウゲブキ。別名、エゾタカラコウ、オニタカラコウともいう。




レブンウスユキソウ。レブンアツモリソウとともに礼文を代表する北海道のエーデルワイスだ。礼文林道の途中、香深(元地)側入口から2kmほどのところに群生地があり、ものすごい数のレブンウスユキソウが咲いている。少し盛りを過ぎていたが、まだ見ることができてよかった。




ウメバチソウ。花が梅の花を思わせる。


ハナイカリ。花が船の碇の形をしていることから名前がついた。


ネジバナ。小さな花を多数細長い花茎に密着させるようにつけ、その花が茎の周りに螺旋状に並んで咲くことから名前がついた。右巻きと左巻きの比率は半々だそうだ。


他にも名前がわからないが、いろんな花が咲いていた。








水滴がついてキラキラ光っている。


今回歩いたコースは、礼文島の南半分だけだが、北のほうにもいろんなコースがあり、とても一日では回りきることはできない。花を見るなら、レブンアツモリソウが咲く6月がもっともいい時期になるそうだ。礼文島は、まさに花の楽園である。時期を変えてまた来てみたい島だ。

ただ、今回歩いたコースは、地図に載っていない地元の人しか知らない道も一部教えてもらったので得した気分だ。地図で公開してしまうと、大勢の人が入り込んで植生が壊れてしまうのでわざと判りにくくしてあるらしい。通行禁止ではないので、わかる人だけ入ってもいい秘密の花園があるのだ。

香深港に着き、「礼文島温泉うすゆきの湯」で温泉に浸かる。フェリーターミナルから「北のカナリアパーク」行きの無料シャトルバスが出るので、その時間まで温泉で休むことにした。

利尻山・礼文岳登山ツアー 5日目(北のカナリアパーク編)に続く。

利尻山・礼文岳登山ツアー 4日目(礼文岳登山)

2013-08-15 23:40:48 | 山登り
今日15日夜、無事帰宅しましたが、記事はまだ続きます。

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4日目の朝、利尻島のペンションを出発する。


ペンションの人に鴛泊フェリーターミナルに送ってもらう。鴛泊フェリーターミナルは現在建替中で、仮設のプレハブの中で沓形行きのバスを待つ。稚内、利尻、礼文では昨年公開された映画「北のカナリアたち」のロケ地として大キャンペーン中で、いたるところで映画の幟やポスター等が飾られている。


鴛泊から沓形までバスで移動し、沓形フェリーターミナルより礼文島に渡る。礼文までは40分程度の乗船だ。船を降りると、民宿のご主人が迎えに来てくれていた。まだお昼前だったので、礼文岳登山口まで送ってもらい、余分な荷物だけ先に運んでもらった。

登山口は、内路という集落にあり、道路のすぐ隣だ。


鉄の階段を上ると、登山道に入っていく。


振り返ると、集落と港が見える。


礼文岳の登山コースはあまり花がないが、この時期はヨツバヒヨドリが群落となって登山道を彩っていた。


トウゲブキ


ネジバナ


ヨツバヒヨドリにとまるミドリヒョウモン。タテハチョウ科ヒョウモンチョウ族に分類されるチョウの一種で、後翅裏側に緑色を帯びるのが特徴である。


トドマツやカラマツの針葉樹林帯の中を進んでいく。


紫色の星形の花を見つける。ちょっと名前がわからない。


ハイマツの登りの先には、礼文岳の山頂が見えてきた。


登り始めて1時間50分ほどで490mの山頂に到着する。山名を示す標識は何もなく、ちょっと寂しい。しかし、山頂からは360°の大展望だ。晴れていれば、まさに絶景なのだが、雲が多く今一つだ。


南東側には利尻島が見えるのだが、利尻山の山頂は雲の中だ。


北側には、スコトン岬が見える。


午後になってしまったので、ほとんどの人が下山してしまい、山頂は貸し切り状態となっていた。山頂で、景色を堪能しながら昼食とする。

下山中に見つけた小さな赤い実。


下りは、1時間半ほどで登山口に着く。途中で、3人の外国人登山者と会ったが、それ以外はもう誰も登ってこなかった。帰りのバスの時間まで時間があったので、しばらく車道を歩く。看板の絵では、利尻山がきれいに描かれていたが、相変わらず利尻山は雲の中だった。


その後、バス等で民宿に到着する。夕食の時間になる頃、民宿の前から利尻山が初めて目の前に現れてきた。やはりこの景色だけはどうしても見てみたかった。島全体が一つの山となり、海岸から海上に突出した美しい山容が望まれ、まさに利尻富士と呼ばれるにふさわしい山だ。


さて、民宿の夕食も海の幸で一杯だ。カニがあるのはうれしいし、ウニやホタテなどはごく当たり前にどこの宿でも毎日出てくる。


夕食後、もう一度外に出てみると、雲がほとんどなくなり前よりももっとくっきり利尻山が見えていた。


利尻山・礼文岳登山ツアー 5日目(礼文島トレッキング編)に続く。

利尻山・礼文岳登山ツアー 3日目(利尻島観光:後半)

2013-08-14 20:44:58 | 観光
利尻島最南端にある仙法志御崎公園に着く。


ここでは、利尻山の噴火によってできた奇岩が織りなす独特の風景が見られる。




海岸のお土産屋の下には生けすがあり、ゴマフアザラシが泳いでいた。




駐車場では、ウミネコが悠々と歩いていた。


次に寄ったのは、利尻で最大の湿原「南浜湿原」だ。湿生植物の宝庫で木道を散策しながらバードウォッチングができる。


アオサギが堂々とたたずんでいた。


南浜湿原の沼は「メヌウショロ沼」という。


後方に見える黄色い花の群落は「オオハンゴンソウ」。環境省指定特定外来生物として、発見次第除去すべき外来植物としてあげられているそうだ。この南浜湿原でも毎年駆除されているそうだが、駆除が追いつかずこのような群落になっているようだ。


こちらは、アザミの群落。


ここはオタトマリ沼。


オタトマリ沼といえば、北海道土産の定番「白い恋人たち」のパッケージに描かれた利尻山は、ここから見た景色だという。


オタトマリ沼の食堂で、初めてウニ丼を食べてみた。


利尻島郷土資料館に寄る。利尻の文化や歴史を紹介しており興味深く見ることができる。昔の鬼脇村役場だったらしい。


中には大きなトドの剥製がある。


島一周も後半に近づいた。姫沼展望台から海を眺める。


ペシ岬と夕日ヶ丘が見える。


姫沼は、原生林に囲まれた静かな沼である。天気が良ければ、きれいな「逆さ富士(利尻富士)」が見えるそうだ。残念ながら雲の向こうには何も見えない。


最後にペシ岬展望台まで登ってみる。なかなかの急坂が続く。


展望台からは、灯台や鴛泊フェリーターミナルがよく見える。




ペシ岬には、会津藩士の墓がある。利尻には、会津藩士がロシアの侵攻に備え警備に当たっていたことからあちらこちらに墓がある。


おまけ:3日目のペンションの夕食だ。同じおかずでは飽きるだろうということでしゃぶしゃぶが出た。


さて、4日目は礼文島に渡ることになる。
利尻山・礼文岳登山ツアー 4日目(礼文岳登山)に続く。

利尻山・礼文岳登山ツアー 3日目(利尻島観光:前半)

2013-08-13 21:10:34 | 観光
この日は、レンタカーを借りて島内を一周する。鴛泊フェリーターミナルでレンタカーの受付を済ませ反時計回りに進むことにした。

右に見えるのがペシ岬。正面の島はポンモシリ島だ。


富士野園地周辺。このあたりで映画「北のカナリア」のロケが行われた。


シュムシュノコギリソウ


沓形岬にある利尻町が生んだ詩人時雨音羽「出船の港」の歌碑音楽碑。


沓形岬から、天気が良ければ利尻山が見えるのだが、残念ながら雲に隠れて見えない。


沓形フェリーターミナルで海底探勝船に乗るつもりだったが、出航まで時間があったので、見返台園地まで行く。ここから利尻山へ向かう登山道の沓形コースの登山口がある。景色はさっぱり見えないので、早々に引き揚げる。


消防署前にはアニメキャラクターが立ち並んでいた。


道路際に車を止め、海岸のほうを眺めると面白い形をした岩場が見えていた。最初にあったのが「人面岩」だ。少し上を向き、右の横顔を見せているように見える。また注連縄が鉢巻をしているように見える。


これは「寝熊の岩」。岩の先端が「頭」で、上に突出た四角い部分が「耳」で、寝ているように見える。




これは「龍神の岩」に祀られている「北のいくつしま弁天宮」。「龍神の岩」の由来が看板に書かれていた。「昔から古老の話によれば、大正の初期、ある日暮時、大沢より地鳴りをたてて下りて来る何物かがあり、それがこの大岩で消えたと伝えられ当時は吉凶何れかのお告げとして誰もが黙して語らず、ある時、通りかかった修行者が、この大岩に祠を建てて信仰するよう宣して立ち去ったと云う。」


ハマナスの花が咲いていた。この花は、皇太子徳仁親王妃雅子殿下のお印である。


「人面岩」などを見て、一旦沓形フェリーターミナルに戻る。戻るとちょうど海底探勝船の出航時間に間に合った。


海底探勝船とは、いわゆるグラスボートである。透明なアクリル板から海底を見ながらクルーズする。


船上からは、海と空の色が青く美しかった。


透明度は結構良くて、海底のコンブがよく見える。


黒っぽい点に見えるのは全てウニである。いくらでも取り放題といった感じでうじゃうじゃいた。


船内ではウニに触らせてもらう。トゲトゲが何十本も動いて不思議な生き物だ。


船長が、宝引き(ほうびき)をやってくれている様子。十数本の綱の一本に当たりの印がついていて、当たりを引き当てた人には賞品の昆布が貰える。残念ながら自分たちは外れてしまった。利尻では、娯楽としてこの宝引きがよくおこなわれるそうだ。


40分ほどのクルーズが終わり、海底探勝船を下船する。


利尻山・礼文岳登山ツアー 3日目(利尻島観光:後半)に続く。

利尻山・礼文岳登山ツアー 2日目(利尻山登山:後半)

2013-08-12 20:48:26 | 山登り
8合目の長官山からしばらく進むと、避難小屋がある。無人で緊急時のみ避難ができる。裏手に携帯トイレブースがあり、ここで初めて携帯トイレを使った。


ハイマツやダケカンバの低木林の中を歩く。


後ろを振り返ると、長官山のピークが見える。


この花も名前がわからない。




リシリブシの群落。トリカブトの仲間である。


鴛泊の街並みや海岸線までよく見えてきた。


再びアキノキリンソウ。


これも名前がわからないが、小さな白い花のなかに、ピンクの花が混じっているのが可愛い。


鉢がたくさん並べられたような階段を上がると9合目(標高1410m)だ。


ウメバチソウ


いつの間にかガスが上がってきて街並みが見えなくなってきた。


チシマリンドウ


沓形登山コースとの合流点。こちらのコースは上級者向けで、かなりの難コースだという。


山頂間近のもっとも登山道が荒れている場所。登山者が多いために、どんどん土がえぐれて歩きにくい道になっている。特に下り時には滑りやすく要注意の場所だ。


タカネナデシコが山頂間際の場所で咲いていた。


ついに1719mの山頂(北峰)に到着する。ただし最高点の南峰(1721m)は崩落の危険があるため登頂禁止となっている。山頂に着いた頃は、辺り一面ガスの中となり、残念ながら山頂からの展望は全く見えなくなっていた。


山頂は登山者で一杯となり、ゆっくりもできず景色も見えないので早々に下山する。9合目に着く頃、一瞬だが山頂が見えた。しかし後にも先にも山頂が見えたのは、この時だけだった。


その後は、ひたすらもと来た道を下山する。登りだけで5時間ほどかかった道を下るのも大変だ。ほぼ4時間くらい飽きるほど下って登山口に着いた。ちょうど登山口に着く頃雨が降りだしたが、なんとかカッパを着ずに下山することができた。当初もっと悪い天気になるような予報を聞いていたので、意外といい天気に恵まれて良かったといえる。これで利尻山が70番目の百名山になった。

参考1:コース平面図


参考2:コース高低図


利尻山・礼文岳登山ツアー 3日目(利尻島観光:前半)に続く。

利尻山・礼文岳登山ツアー 2日目(利尻岳登山:前半)

2013-08-11 21:13:33 | 山登り
2日目は、利尻山登山だ。ペンションのオーナーに登山口まで送ってもらう。午後から雨が降りそうだということで、早めに出発して登山口の利尻北麓野営場には朝5時前に到着する。


利尻でも外来種の侵入を防ぐため、登山靴に付着した泥などを水で落としてから、山に入ることになっている。


車止めには、可愛い鳥の姿が…。


3合目(標高270m)には、甘露泉と呼ばれ日本名水百選に選ばれた美味しい湧き水があふれている。ここが最後の水場だ。


ポン山と利尻山への分岐。右に入る。


4合目(標高390m)の野鳥の森。


5合目(標高610m)の雷鳥の道標。明治時代、このあたりで雷鳥が現れて道を先導したことに由来するが、実際には利尻に雷鳥はいない。


少し雲が切れ青空が顔をのぞかせてきた。


6合目(標高760m)第一見晴台。本当なら展望が開ける場所なのだが、上のほうは雲がかかっている。


アキノキリンソウ


下のほうは雲が切れ、港周辺がよく見えてきた。


6.5合目にあるトイレブース。利尻では、携帯トイレをブースの中で使用し、登山口まで携帯トイレを持ち帰ることになっている。


何の実か判らないが、三角の赤い実があった。


7合目(標高895m)胸突き八丁。ここから胸を突くような急登が続く。


いよいよ雲海の上に出た。


チシマギキョウ


シュムシュノコギリソウ(最初はピンク色)


シュムシュノコギリソウ(後で白になる)


前方に見えるのは長官山。


山の斜面は、まるで緑の絨毯を敷き詰めたようだ。


雲海の上には青空が広がってきた。


8合目(標高1218m)の長官山に到着する。利尻山山頂は、残念ながら雲がかかっている。まだ、さらに標高500mを登らなければならない。晴れてくれるといいのだが…。


利尻山・礼文岳登山ツアー 2日目(利尻岳登山:後半)に続く。