とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

2013本澤温泉&白駒池

2013-08-25 23:13:49 | 観光
今週末は、自分にとっては71番目の日本百名山となる「光岳」の登山の予定をしていた。光岳は、これまで3回ほど計画していたが、いずれも天候不順や登山口までの道路通行止などの要因により直前になってとりやめた山だ。4度目の挑戦で、初めて決行することにして遠山郷の梨元ていしゃばまで車を走らせた。ただ、土日の天気予報は雨から曇りとなっており、絶好の登山日和でないのは分かっていた。大雨にはならないとの予想で、少し焦っていたのかもしれない。

梨元ていしゃばで早朝4時まで仮眠し、登山口まで送ってくれるタクシーの到着を待った。午前8時半までは一般車は登山口に入れないのだ。しかし、そんな時間では、長時間の歩行になる光岳の到着は日が暮れてしまう。5時に仲間たちとタクシーに乗車し、登山口に向かった。通常でも、登山口までは1時間程度はかかるそうだ。別グループの登山者もいて、全部で3台のタクシーが連なって山道を進んだ。

しかし、登山口へと向かう林道赤石線は、前日降った雨であちらこちらが落石だらけだった。長い間雨がなく山の斜面が乾ききっていたので、少しの雨でも大量に落石が起きてしまっていたようだ。途中何度も停車し、運転手さんが石を片付けながら進んだ。あまり酷いところでは、我々も下車して一緒に手伝ったりもした。


そんなこんなで、予定よりだいぶ時間がかかってしまっていた。そして、ついに最悪の土砂崩れの現場に来てしまった。おびただしい土砂で道が完全にふさがれていて、これ以上タクシーは進めなくなっていた。人海戦術で頑張れば何とかなったかも知れないが、その先にも何ヵ所か同様な土砂崩れが起きている可能性があると運転手さんたちが話していた。ここでタクシーを降りて1時間半ほど歩けば登山口に行けるとも言われたが、大幅に時間が遅くなり更なる危険も予想されたので、結局そのままタクシーに乗って戻ることにした。


結局、今回も光岳には行けなくなってしまった。光岳は、相変わらず行くことができない山になってしまった。梨元ていしゃばに戻り、仲間と今後の相談をするが、だれもこのまま帰りたくはないとのことで、他の山を目指すことにした。いろいろ考えたが、雨でも比較的登りやすく、温泉がある場所ということで、八ヶ岳の本澤温泉に目的地変更となった。雨は止んで、曇り空となったので松川ICから諏訪ICまで走り、メルヘン街道から稲子湯温泉経由で本澤温泉入口に到着する。入口からしばらくは、車高の高い4WD車なら通行可能ということだったが、自分の車は車高がそれほど高くないので、安全のため入り口に車を置いて、本澤温泉まで歩く。歩いたとしても2時間半くらいなので、むしろ物足らないくらいの距離だ。

1時間ほどで、全車通行止めの場所に到着する。ここからは、誰でも歩いていくしかない。




さらに1時間半ほど歩くと、本澤温泉に到着だ。標高2150mの日本最高所野天風呂がある秘湯である。


ご覧のように野趣あふれる野天風呂からは、八ヶ岳の硫黄岳の爆裂火口が見える。多くの登山者が、この野天風呂を目当てに登ってくるという。あとで入ったが、いい湯加減でロケーションが最高にいい野天風呂だった。


光岳は、すべて自炊の予定だったので食材が十分あり、本澤温泉も素泊まりにして談話室で自炊する。




本澤温泉は、山小屋ではあるが、温泉宿としての歴史も長く、普通の山小屋よりはずっと快適だ。野天風呂も素晴らしいが、泉質が違う内風呂も素晴らしい。内風呂へ行くには、宿泊部屋から板張りの階段をずっと下りていく。


下りたところに、洗面所があり水は流しっぱなしだ。もちろん湧き水なので、飲めるしすごく冷たい。隣は水洗式のトイレもある。


さらに階段を下りると「ゆ」の暖簾があり、その先に男女別々の内風呂がある。


ご覧のとおり、浴槽のフタは板を何枚も渡しただけの昔ながらの板張りの風呂だ。夜は照明を消して真っ暗になってしまうが、24時間いつでも入浴可能である。結局、寝る前、朝、出発前と3回も内風呂に入ってしまった。


翌朝、天狗岳か硫黄岳には登ろうかと話していたが、雨が降りやみそうもないので、そのまま下山する。結局、登山というよりは温泉トレッキングになってしまったが、それはそれで癒される快適な時間となった。前日、寝苦しい車中泊で大いびきで寝てしまっていたらしいが、本澤温泉では、温泉効果もあって快適な睡眠ができた。ピークハントだけが目的ではないこんな大人の山歩きもいいものだ。


下山途中で振り返ると、雲がとれて硫黄岳が見えていた。


帰り道、麦草峠手前の「白駒池」に立ち寄っていく。


白樺の樹林帯の中の道を進んでいく。




雨に濡れコケむした木の根は、まさに八ヶ岳を代表する光景だ。




東洋一と言われる白樺林の原生林とコケの森を抜けると、神秘的で霧の中に浮かぶ白駒池が見えてきた。標高2,100m以上の湖としては日本最大の天然湖で、秋の紅葉が素晴らしい場所だ。




白駒池の山小屋で、池を眺めながらお茶をして車に戻る。相変わらず雨はやみそうもなく、肌寒くなったので、帰り際に、別の温泉「尖石温泉縄文の湯」にも寄ってしまう。まったく今回は温泉三昧の旅になってしまったが、疲れを癒すことができた楽しい旅でもあった。