とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

映画『風立ちぬ』

2013-08-04 21:56:06 | 映画


この映画は、0戦設計者の堀越二郎の人生と堀辰雄の「菜穂子」という小説をあわせた内容だという。冒頭から夢と現実が交差する内容でファンタジーなのか、0戦設計者の夢がかなう話なのか、ラブストーリーなのかよくわからないお話だった。正直言って、見終わっても特にどこが良かったのか感想を聞かれても答えようがない。唯一、キュンと来たのはエンディング曲のユーミンの「ひこうき雲」だ。大画面に流れるこの曲を聴きながら映画の余韻に浸っていた。

宮崎駿がこの映画を作った経緯によると、当初雑誌に漫画版を連載していたそうだが、その時は映画化することは全く考えていなかったそうだ。その後、鈴木敏夫が映画化を提案したが、宮崎は本作の内容が子供向けでないことを理由に反対していた。鈴木は戦闘機や戦艦を好む一方で戦争反対を主張する宮崎の矛盾を指摘し「矛盾に対する自分の答えを、宮崎駿はそろそろ出すべき」と述べて映画化を促したという。宮崎は製作意図について「この映画は戦争を糾弾しようというものではない。ゼロ戦の優秀さで日本の若者を鼓舞しようというものでもない。本当は民間機を作りたかったなどとかばう心算もない。自分の夢に忠実にまっすぐ進んだ人物を描きたいのである」と述べているという(Wikipediaより)。

この経緯を知って、この作品の意図はある程度分かったような気がするが、それでも、何か中途半端で心を打つような内容に思えなかったのが残念だ。やはり今までの宮崎駿の映画とは違いすぎる。ひたすら、美しい飛行機を作ることにしか興味がない主人公と、一台も残らず残骸となった0戦の山を見て虚しさばかりが残った。

堀越二郎の人生と堀辰雄の「菜穂子」が何故一緒の話になってしまったのだろうか。本来これらの話は別々で作ったほうが、ストーリーに入りこめて行けたような気がする。大人向けの作品だというが、大人が見ても評価が大きく割れるのは間違いないだろう。