とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

「元気よく機嫌よく老い迎え」沖藤典子さん

2013-09-20 23:06:55 | 社会人大学
今年最後の社会人大学が昨日終わった。講師は、ノンフィクション作家の沖藤典子さんだ。プロフィールを下記に挙げておく。

ノンフィクション作家。1938年北海道生まれ。
北海道大学文学部卒業。1961年(株)日本リサーチセンター調査研究部入社、15年の勤務の後、夫の転勤や父親の介護などで、退職。1979年、介護や高齢社会が抱える問題、家族や女性の社会進出をテーマに書いた「女が職場を去る日」(新潮社)を発表。ベストセラーとなる。以後、執筆活動に入り、女性の生き方や家族の問題、シニア世代の研究、介護問題、次世代育成支援研究などに深い関心を寄せ、旺盛な活動、執筆を続けている。国・県・市の審議委員等を歴任。

講演は、これから高齢期を迎える人たちの心構えはどうすべきかという話だった。
その心構えとは、「自立、参加、ケア、自己実現、尊厳」という5原則である。

まず自立というと、女性は経済的自立、男性は生活的自立が必要だ。女性は生活力はあるが、経済的には十分でない人が多く、一人でも生きて行けるだけの経済的な余裕が必要だという。また、男性は定年後も「男らしさ神話」から抜け出せない人が多く、困ったときはすすんで人に頼るということをしたほうがいいという。いわゆる成熟した依存は必要なのだ。

参加というのは、社会的なつながりを持つことだ。このつながりは、役割、主体性、居場所を持つことを推進する。老後の大敵は、退屈と孤独である。必要なものは「キョウヨウ」と「キョウイク」だという。教養でもなく教育でもない。今日の用事と今日行くという事だ。

ケアとしては、老後はくよくよしない、楽天的に物事を考えるといった事柄だ。とにかくニコニコと笑うことが大事だという。いつも笑っているお年寄りはみんなから好かれるものだ。また、老後に貯めたいものは、まず貯金だが、ほかには貯筋と友貯がある。つまり筋トレと友人をたくさん作ることだ。筋肉を作ることは認知症予防になる。そしてメシを一緒に食べることのできる友達が多いほうがいい。

自己実現は、年をとってからでもできる。年をとったからこそ冒険もできる。人間以外の動物は生殖とともに命は終わるが、唯一人間だけは命が終わらない。このことは、進化の上で重要な役目を持っているという。年をとることは素晴らしいともいえるのである。

そして、尊厳とは「その人が望む場所で老いを生き、生を終える」ことだ。住み慣れた地域や家で生を終えることが、人間にとっては一番いいことかもしれない。

以上、高齢者のための国連5原則の話を中心に話された。まだまだ自分は高齢者と呼ばれる年齢のつもりでいないので、他人事のような感じで聞いていたが、今のうちからそんな心構えで生きていきたいものだとは思った。