気付きの科学 新世界版

ここで言う 「気づく」という意味は、空(くう)の状態から、在る状態に引き出す意識的行為・・すなわち創造のことです。

喫茶「禅」での問答 1章

2008-02-03 12:04:17 | 色々な気付き

喫茶「禅」での問答・登場人物の紹介

  マスター:喫茶店の主人 (現象の背後の因に気付いている人)

  お客: 喫茶店の客 (現象の背後にある因に気付いていない人)

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●観の転換

お客: マインドの制御とか心の調律というのは、一体なんなの?

マスター: 自分の心の動きを「意識」するということだよ。おっと、俺は何を考えていたのか!

     今怒っているな・・。今は気分がいいと感じている・・なんてね。

お客:自分で自分を観ているという不思議な作業ですか?

マスター: そう、「他人」を見るのでなく自分の「心」の動きを見る作業なんだ。

お客: それが何の役に立つんですか?そんなこと誰も分かってくれないし、一体どんな利益があるんですか。

マスター: 自分のことを理解出来るでしょ。人間の思いや感情を扱えるようになるんじゃない。みかん1山の中に埋もれている立場から、みかん1山を扱える立場になれる。

お客: みかん1山?意味が分かりません。

マスター: みかん1山からの離脱は、いつもの色々な考えや感情そのものになって、我を忘れる状態から、色々な考えや感情をうまく扱えるようになるということだ。みかん自体から、それを扱う八百屋になるみたいなもんかね。

お客: それがどんな役にたつんですか?それを聞きたいんですが。

マスター: 君はみかんでいたいのかい?それとも、みかんを味わう人間でいたいのかい?

お客: それはみかんを食べるほうがいいですよ。おいしいし。

マスター: 「みかん」は「自分の作り出す思い」と考えればいい、自分の思いや感情に振り回されていたくなければ、自分の思いや感情を扱えるようになればいいだけのことなんだ。扱えるためにはその対象(思い)を、ちゃんと見る必要があるんじゃないか?

お客: まーそうですかね。分かる気がしますが。それで、それが何の役にたつんでしょうか?

マスター: 自分の「思い」が自分の体験の原因だと理解すれば、その体験の質を決める自分の「思い」を扱えれば、あなたの人生ももっと自分の望む展開に出来るんじゃないか?

お客: なるほど、原因と結果は不可分なことぐらい分かっていますよ。原因をコントロールすると結果も相応に変わるということですか。それはわかりますよ。

マスター: そうそう、気付けば単純なんだよね。

お客: 理屈は分かる気がしますが、自分の思いや感情が我々の人生を決めているのですか?

マスター: 今日はカレーにしようとか、やっぱりうどんにしようとか、決めているんではないの。それと同じように「ブルーな感情」状態もそのままにしていることを許しているのはその 自分なんだけどね。人生もその小さい思いや感情の集まったものだと思わないかね。何も決めないことも、決めることも、何かをする事も、結局自分の思いや感情で決めているんじゃないかな。

お客: おっと、そうですか。確かに、普段は現実ばかり必死で見ているので、わけが分からない状態になる時もありますね。人生の体験を選択できるようになるんであれば、役に立ちますね。でもそれが出来たら、何が楽しんでしょうか?

マスター: あなた、楽器を演奏するのに、何時までも下手でいたいのかい?思いや感情を込めて、自由に演奏することは楽しいことではないの?

お客: そりゃー、バイオリンやらトランペットなどを自由に扱えれば、楽しいに決まっています。自由自在の演奏はホントたのしいと思います。

マスター: 自分を扱うことが出来るのも、楽しいことだと思うんだがね。人生も十分味わえることになると思う。

なにか堅物の客観的な味気ない精神になる・・なんて勘違いもあるんではないかな。自分という現象の背後の「因」を多少とも知ることは、物理や化学の法則を知るということと変わりないことであって、知っておいたほうが楽しいし、余裕ができるんじゃないかな。

お客: それで、そんなことが自分にも出来るんでしょうか。自分を観るなんていうのは、なにか難しいことのようにも思えるんですが。

マスター: もう既に、見る作業をしているんじゃないかなー。見る・意識するその行為の対象が、まわりの現象世界ということであって、その意識する対象を、自分の心に向けるだけなんだ。今やっていることの「観点」を変えるだけなんだよ。難しく言えば「観の転換」などとも言えるが、要は自分自身の「因」に意識を向けることなんだ。

慣れるまで、ついつい忘れてまた思い出すという作業が必要なだけだよ。

お客: なんとなく理詰めで来られると、分かる気がします。それでそういう自分の思いや感情を観ることに習熟してきたら、どんな良い事があるんでしょうか。

マスター: 自分のこころの働きを見る行為を通じて、自分の「因」を理解して行くということは、実は森羅万象の因・いわば宇宙意識ともつながってゆくことになるんだ。原因と結果の法則を通して、宇宙全体で因:意識作用が宇宙を現じているのは、我々の意識作用と質的には同じなんだよね。

お客: へー宇宙意識とつながるんですか。でもそんなに大きな意識なるものとつながるのは、怖くないですか?

マスター: 大きいも大きくないも、怖いも怖くないも、実はつながっているからこそ、あなたやわたしはは生きているんだよね。それに気がつくのが怖いと思うのは、自分が電車に乗っていて、急に怖くなるようなものだね。意味がないね。

それに、あなたは神なんだよ・・等と古くから言われているのは、実は本当なんだ。でも証明してゆくのは他人じゃない、自分自身であることも本当なんだ。

お客: へー、そうなんですか。