久しぶりの出張で東京へ来ております。
東京の知人と会って旧交を温めつつ、東京でのビジネス最前線の話を聞いてきました。
その彼は今、個人的につながりのある農村地域の特産物を都会で売るという橋渡しビジネスをやろうとしていて、いろいろな調査をしているところなのだそう。
私などは、単純に地域の産物を都会で売るにしても、単に安いだけではなく買う側にとって意味のある買い物にするような工夫が必要ではないか、と思っています。
すると彼も「まさにその通り。僕の場合のそれは、『体はすべての資本である』という簡単なことなんだけど実は奥深い視点なんです」と言います。
私も「体と健康が大切だ、ということは気づかない人からよくわかっている人まで幅が広いですよね。そしてその先に、気が付いている人でさえも健康を保つために何かを実践している人から実践できないでいる人まで様々じゃないですか」と応じます。
「まさにそこなんです。健康ための実践がとっつきにくいものではだめで、また効果も信じられるものでなくてはなりません。僕の場合は、さらに自分自身の健康管理が地方の農村を助けることになるという意味合いが付け加わることで、地域貢献というプラスワンを感じることができるんです」
「なるほど、しかしそもそもの健康のためとは言いながら大手メーカーのものよりも割高な健康食品を買うという行動に出てくれるでしょうか」
「それをちょっとモニター調査してみました。すると興味深かったのは、健康に心底留意して食べ物レベルでも健康に気を遣う集団として三つのカテゴリーが浮かんできました」
「ほう」
「一つはかつてガンなどの大病をして、健康の大切さに心底気づいた人。二つ目は小さな工場の経営者など、自分が倒れたら従業員とその家族など一族郎党が路頭に迷うという怖さを感じている人たち、そして三つめは高校受験、大学受験をひかえた中高三年生を持つ親というわけです」
「受験生の親というのは意外ですね」
「まあ数的にはともかく、こうした健康の大切さに気づく原体験を持っている層に働きかけることは今考えている地域特産品を売り込むことの力になると思っています」
健康と地域振興のマッチングと一言で言いますが、それをアレンジするスキルや能力を地域は求めています。都会のことも地域のこともよく知るような人材育成も必要です。
地方創生で、そうした人材育成はできないものでしょうか。結局課題解決は人の問題に行き着くのです。