我々が子供の時のスポーツと言えば、まず野球。
弟と兄弟二人して、父親のノックを受けていると同級生たちもやってきて、一緒に暗くなるまで遊びほうけていました。
大学生や就職してからは地域の草野球チームに入って、ピッチャーをやるようになりました。
地肩が強かったのである程度速い球が投げられたのですが、カーブを誰もまともに教えてくれなかったので、単調なピッチングではよく打たれました。
カーブをちゃんと教えてくれる人が現れたのは30歳も半ばを過ぎた頃で、それも元ジャイアンツの桑田投手のように縦に落ちる球筋は、昔でいうところのドロップ。
ストレートとカーブの組み合わせで三振が取れるようになったものの、その頃はまだカーブのコントロールが定まらず、またストレートに魅力と未練があって、ストレートでの勝負を挑んでやはり打たれることが多くありました。
40歳ころになってようやくストレートを見せ球にしてカーブで三振が取れるという投球術が身に着いたのですが、そのときにつくづく思ったのは、(もっと早くカーブを活かした組み立てをしていればもっと勝負に勝てたのに)ということ。
振り返れば反省する心も出てくるのですが、若かりしその時はやっぱりカーブで勝負をするということができなかったのです。
それはカーブを投げる技術への不安というよりも、ストレートへの過信と魅力、つまりは若気の至りであったということ。
気持ちが成長するためには長い時間が必要でした。
頭を柔軟に切り替えることができればもっと豊かな草野球人生があったかもしれませんが、その反省がこれからは生きるのかもしれません。
ワールドシリーズを制したレッドソックスでの上原投手の大活躍や巨人対楽天の日本シリーズを観るとやっぱり野球は面白い。
私が遊んでいたのは高校野球でもリトルリーグでもないただの草野球。
しかしそんな野球でも、自分が投げないと始まらない、ストライクを投げないとゲームにならないマウンド上の孤独と恐怖を思い出す度に、今でも身震いするのです。