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北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

スポーツ施設に社会の変化が見える

2010-10-13 23:41:58 | Weblog
 比較的まとまって空いた時間が取れたので今日は市内のスポーツ関連施設を見学してあるきました。

 市内柳町にあるスピードスケート場は、スピードスケートでの多くのオリンピック選手や国体選手を生んだ誇るべき場所です。




 そろそろ気温が下がってくると土台となる氷作りが始まります。リンクの下には低温になるように配管がなされていて、水を霧のように細かく噴霧しながら下から下から凍らせます。

 寒気が入って上から凍ると、上からの氷と下からの氷の接合面が繋がらず安定した土台にならないのだそうで、慎重な氷作りのノウハウが求められます。

 特に土台ができた後に雨が降ると、雨の中の不純物が悪さをして安定的な土台として使えなくなります。そんなときは雨によって溶けた部分を洗い流して、再び下から土台氷を作りはじめます。

 大会時の製氷は、アメリカのザンボニー(Zamboni)社製の製氷車を用いて、氷を削りながらお湯を噴霧し、薄皮一枚ほどのきれいな氷による表面をつくりあげてゆきます。




 こういう氷を作る技は職人技的な細かい経験の積み重ねで得られるもので、自分で氷が作れるようになるまで3年、それを人に教えられるようになるまでは10年かかると言われるのだそう。

 管理者の皆さんの悩みはこういうノウハウを継承するような若手をしっかりと雇用できないことだそうで、不況や地域の財政窮乏は施設管理の質にも影響を与えそうです。

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 少子高齢化や人口減少という社会的条件の変化やスポーツにおける流行り廃りは、スポーツ施設の利用や管理にもさまざまな影響をもたらします。

 高齢者のスポーツとしてかつて脚光を浴びたゲートボールは今ではすっかりパークゴルフにその地位を奪われたようで、市内にある20面のゲートボール場は今では人影を見ることもありません。

 代わりにパークゴルフ場ではカラフルなウェアや自慢の道具を身に着けたお年寄りが元気に芝生の上を歩いています。質の高いパークゴルフ場はますますニーズが高まりそう。また逆に、少子化やスポーツの多様化によって青少年によるスポーツ施設の利用は漸減の一途をたどっています。

 子供たちの興味がサッカーなどの人気スポーツに集中することで、次第にマイナーになってゆく種目も多くソフトボールなどもチームの数が減ってきたとか。人気種目の施設不足と、あまり使われなくなった施設の維持管理や施設の改修・転用の声なども管理者にとってはつらいところです。


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 今の社会システムは、整備には補助金などでの支援があるものの、変化に対応させるというニーズに対して応えるものとはなっていません。

 社会がどうも閉塞的に感じられるのは、変化を先取りする姿勢を目に見せることができないからではないか、と思えるのですが、では地方分権が果たされるとそれが実現できるかというとこれまた怪しいような気もします。

 根源的な問題は、社会を変えるために住民や国民がどれくらい負担するかという覚悟とそれを支える制度のようで、そういうことがない限り、国民はみな不安から貯蓄に走り、眠っている国民資産は増えるけれど社会を変革するお金としては使われないという情けない状況が続きます。

 社会のリーダーは、明日の子孫のために資産を推譲(譲る)してくれるようなメッセージを大いに発して欲しいものです。 

 
コメント
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