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北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

怠け者の脳に勝つ方法 ~ 生涯学習的生き方について

2010-10-08 23:42:19 | Weblog
 職場の今年度新採用職員は、半年間の任期付き雇用を無事終了して節目の研修を行いました。

 担当者からは、日常の心構えや釧路市政についての感想、新規職員に望むことなどをお話ししてください、という要望を受けていたのでそれに添った話を心がけることに。

 そんな話題の一つは「生涯学習」という生き方について。

 生涯学習は文科省が用いて以来、文科省所管事業という扱いになり、教育的な分野のこととしてとらえられがちです。しかし本家本元の掛川市で、これまた生涯学習を初めて唱えた榛村純一市長から直伝の生涯学習とは、「常の自分の外部に関心を持って意識的に関わってゆこうとする生き方」と定義される、というのが私の持論。

 榛村市長はそのことに気づいているのかいないのか分かりませんでしたが、本人の生き方自体がそうでした。

 現場主義であり、常に関心をもって分からないことを学者に聞いたり、専門家に聞いたりし、それをまた一度自分の中で理解した上で自ら部下や市民に話題として話す、という姿勢そのものがまさに生涯学習の体現者であったわけです。

 27年間に亘る榛村市政最後の助役として、(生涯学習を継げる直弟子はもう私しかいないだろうな)という思いもあって、生涯学習的生き方についてはつい力が入ります。

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 そんなわけで、新規採用者の皆さんにも生涯学習的生き方を説くのですが、今日の切り口は「さぼり屋の脳と戦え」、「なまくらな脳みそを押さえ込め」という話。

 そもそも脳みそは考えることが仕事のくせに、延々と考えることが好きではない。一度やってみて少しでも楽だと分かったら、脳みそを使わないために効率的に行動しようとさせます。

 自分が脳みその言うがままの行動を取る限り、朝の通勤ルートや、ショッピングセンターへのドライブルートは永遠に変わることはありません。

 わざわざ知らない分野のことに手を出すのは面倒くさいし、そんなことは願い下げだ、というのが脳の言い分。体の方もわざわざ遠回りの道を歩くと疲れるから脳の発する不快感に納得して、一番楽な道を通ろうとする。

 そのことにおいて、脳と体はらくちん同盟を結んでいるわけ。

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 こんな脳の怠け癖を唯一突破できるのが好奇心。

 面倒くさいけど、朝野球だったら早起きできる。写真のためだったら遠くまでドライブできる。体は疲れるけれど脳が快楽を感じて厭わずに行動を促してくれます。好奇心の先にはさらに好奇心を刺激する新しい発見があって、脳内に快楽物質がじゃんじゃん発生していくらでも前に進めてしまうのです。 

 これを逆手にとらえると、好奇的な行動をすると、とにかく新しい発見はあるということ。つまり、脳が「もう止めようよ~」ということの逆の行動にこそ、未知に挑戦する新しい刺激があるのです。

 だから、誘われたら断るな、という生き方を貫きたい。疲れているときに、「このドアの向こうの部屋も見てみますか?」と言われたら、「はい、見せていただきます」と言うと決めましょう。脳みその怠け指示には従うまいぞ。

 このことをさらに敷衍(ふえん)して言うと、脳が求めるような効率的な行動の先には決して【新しい発見はない】ということ。楽ちんでエネルギーが少なくてすむような生き方では、自分自信の可能性を広げることはできないということです。

 今回お二人の日本人がノーベル賞を取りましたが、科学的発見なんてそれまで誰も通ったことのない道を手探りでそろそろと進み、幾つもの袋小路に詰まった末に見つかった細い道なのではないか。

 科学者はそれを生業としているけれど、我々の生き方だって、自分で見つけた一番の近道からわざわざはずれて歩いてみると新しい発見があるはずです。

 そんなわけで、新規採用の皆さんには、ぜひとも社会に広く関心を持って関わってゆこうとする生き方をしていただきたいですし、併せてサボりたい脳みそを第三者的に客観的に眺められる、自分の外にある意識を大切にして欲しいものです。
 
 「あ、自分は今、脳みその思惑通りに楽な道を歩もうとしている」ということに気づくことができれば、前向きな生き方の第一歩。

 皆さんのこれからの活躍に期待していますよ。
コメント (3)
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