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「巨人の星」

Kyojinnohosi1

 前々回のタイトル「富江」のところで、ちょっと触れた、藤子不二雄さんの「パーマン」ですが、僕のリアルタイムで毎週読んでいた少年サンデー連載の「パーマン」では、タイトル「富江」のところで書いたとおり、パーマンになる子供に、仮面ヘルメットとマントとバッジの超能力3点セットを与えるのは、宇宙人のスーパーマンですけど、その後のTV放送アニメの方では、宇宙人はスーパーマンではなくて、バードマンという名前になっているんだそうです。これは何故かというと、「スーパーマン」という名前はアメリカコミックの大手、マーベル社の著作権になるから、アニメ化の折、遠慮したものらしい。へえ~、知らんかったあ。ちなみに、「スパイダーマン」ですが、1978年に東映制作でTV放送されている、連続特撮ドラマ、日本オリジナルの「スパイダーマン」の方は、アメリカのマーベル社が「3年間だけ貸すから自由にしていいよ」と契約したんだそうで、だから、日本版「スパイダーマン」は持てる特殊能力こそ同じような力だが、基本設定からドラマのシュチュエーション、お話の内容まで、アメリカの原作オリジナルとは全然違うものになっている。この日本版作品がTV再放送できないのも、「スパイダーマン」の名前の著作権に関わるものらしい。※(『スーパーマン』の著作権はDCコミックスでした)。

 という事で、著作権問題でしたが、世の古今の創作物語作品には、この著作権の問題や各方面からの抗議や、差別語句などの放送コードに引っ掛かるとか、いろいろな自主規制などで、最初は制作したまんまで発表したが、出版・放送等の再度の発表公開が出来ない、オリジナルのまんまでは無理で、部分削除や手直しが強いられるという、作品も多い。特に、差別語句には敏感で、最初の出版・放送時に何か問題になる言葉が見つかると、即座に各方面から抗議が来て、次からは問題部分がカット、もしくは公開中止でお蔵入りにされる。

 名作「巨人の星」にも、実はそれがあって、僕はけっこうこの場面が好きなんだが、主人公飛雄馬が星雲高校受験の面接試験の際、試験官に父親の職業を聞かれて、飛雄馬はこう答える、「日本一の日雇い人夫です!」と。これが引っ掛かるらしい。「日雇い人夫」という言葉が職業差別になるらしい。1968年当時のTVアニメ放送では、この回のタイトルは、第十話「日本一の日雇い人夫」だったらしいが、再放送の時は音声を削除されて、タイトルも第十話「日本一の父、一徹」に変更されてるらしい。

 僕はオリジナルの漫画「巨人の星」をリアルタイムで毎週、少年マガジンで読み続け、当時同じく好評連載されていた「ハリスの旋風」や「明日のジョー」と共に、マガジン毎週発売と共にワクワク真っ先にページを繰る、大好きな漫画作品だった。原作・梶原一騎、漫画・川崎のぼるで、少年マガジンの一時期の看板を背負った、国民的スポーツ少年成長ドラマ。当時の僕は小学4年頃から中学2、3年くらいまで、かな。そのくらい長期に渡って連載、TVアニメも大人も賞賛して大好評だった。
 職業差別語となる「日雇い人夫」だが、昔の刑事ドラマによくある「犯人は一見、労務者風」なんて言い方もダメなんだって。勿論、「土方」という呼び方もダメ。今は「建設作業員」という呼び方に言い換えられているらしい。ふう~ん。て感じですねえ。

 あ、そういえば思い出した。随分前に何かで読んだ、やはりこの「巨人の星」の差別語にまつわる話。野球、野球に明け暮れる少年の日の飛雄馬が、星家の茶の間で父、一徹に反発して言う。「父ちゃんは野球きちがいだ!」。これが差別語のセリフという事で、コミックスになった折か再版の時、セリフの言葉が差し替えられる。何というセリフに変えられたのか、もう忘れてしまっていますけど、確か、そういう事もあってますねえ。名作「巨人の星」。白土三平の名作「カムイ外伝」中には極め付けがありまして、江戸時代の農村舞台で、農民の一人が言う、「相手はめくらでねえか」というセリフが差別語に引っ掛かり、このセリフは「相手は目の不自由な人でねえか」と差し替えられたとか。確かそうだったというふうに記憶する。もう、随分前に何かで読んだ事だから、違っていたら御免なさい。

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